この世界線にりぬくんとさとくんのペット様たちはいません😛
桃赤
・
さとみくんは何も悪くない。
俺が、さとみくんの隣に立つには卑屈すぎて、至らない人間だっただけ。
さとみくんにはさ、なんていうか、俺みたいなやつじゃなくて、もっと素敵な人が合ってると思うんだよね。
だから、
今までありがとう、さとみくん。
そんなことを、彼の部屋の合鍵を押し付けながら言った気がする。
別れたい。
そう言った俺に、彼は冷静に
どうして?
とだけ返した。
その声と、俺の頭を撫でる手は酷く優しかったのを覚えている。
そんな彼に対して、言い返すような隙も与えず、言葉を吐き出すだけ吐き出して背を向けた
なんて格好のつかない、恩知らずな別れ方だろうか。
そんなことをしてしまうくらいに、俺は限界だった。
さとみくんは、みんなから好かれる。
俺だってその一人だ。
暖かな人柄、端正な顔立ち、
無愛想に見えて意外と優しいところ。
そんな彼の全てに惹かれた。
友人として、影から想っているだけでよかった。
片想いで終わるはずだった恋は、彼からの告白によって変わってしまった。
好きだと言われた時は舞い上がるほど嬉しくて、世界が一気に色付いていくみたいだった。
さとみくん、大好き。夢なら覚めないで。
ずっとこのまま、一生。
「さとみくんと別れてください」
まぁ、一生どころか半年も続かなかったんだけれど。
気の強そうな綺麗な女性が俺のところにやってきたのは、彼と付き合い初めて二ヶ月ほど経った頃。
さとみくんの凄まじい人気によって、
俺はかなりの頻度で女性に詰め寄られた。
勝てると思われたんだろうな。情けないけれど。
俺に見せつけるように彼の腕を触ったり、
食事に誘う人も大勢見てきた。
それでも、
彼は優しく、誠実な人だ。
食事は大人数でないと行かなかったし、
さりげなく女性の腕を振りほどいていた。
「嫌な思い、させてるよな。ごめんな」
「……何言ってんの」
「さとみくんは何も悪くないよ」
「俺はりいぬのものだから」
少しでも落ち込んでいるとすぐに気が付き、
抱きしめて頭を撫でて、好きだと言ってくれる。
彼のフォローは完璧だった。
だから、悪いのは俺だ。
黒い欲望が、芽を出してしまった。
彼を、誰にも見えないところに隠してしまいたい。
きっとあの人だったら、あの綺麗な女性だったら、こんなことは思わないんだろうな。
自分に自信を持って、彼の隣に堂々と立つんだろうな。
そんなふうに考えては、自己嫌悪に陥った。
“どうして?”
傷ついたような彼の表情と声が、頭から離れない。
忘れようとすればするほど、彼への恋心と罪悪感が募っていく。
きっと、罰が当たったんだ。
・
小鳥の鳴き声。
窓から降り注ぐ朝日に、意識が覚醒していく。
彼の、さとみくんの夢を見ていた気がする。
どこかに、彼の隣に立てる未来があったんじゃないかと、最近は後悔してばかりだ。
「くぅん………」
会いたいような、もう二度と会いたくないような。
そんな気持ちと共に口から零れ落ちたのは、彼の名前ではなかった。
くぅん?くぅんってなんだ。
「わ、わうっ!?きゃう!!!?」
ベッドから飛び起きる。
姿見に映ったのは見慣れた俺ではなく、可愛らしい子犬だった。
白くて丸い自分の手を見つめる。
ぷに、と短い手で自分の頬を潰す。
まだ夢の中にいるんじゃないかと考えたが、いくらなんでも感覚がリアルだ。
スマホ…も、顔認証だから解除できないし、
できたところで文字は打てないし言葉も話せない。
詰んだ、と頭を抱えようとするが手が短くて頭に届かない。
「くぅ……」
しばらく現実逃避をしてみても、
自分の置かれている状況は変わりそうになかった。
このまま犬として生きていくしかないのか。
ふこふこと自分の首周りの毛並みを触っていると、スマホが急に着信を告げた。
画面に表示されたのは、彼の名前だ。
別れを告げた日から一日一度、彼はこうして電話をかけてくるが、未だに着信に出られたことはない。
そして今日もまた別の理由で出られない。
やっと電話が繋がって、わんわん言ってたらふざけてると思われるだろう。
しばらくして、鳴り響いていた着信音が止まった。
ぺたりと耳を伏せて落ち込んでいると、
ぴんぽん、と気の抜けた音が聞こえた。
「わ、わうっ……」
助けを求められる人物が現れたかと思い、
ドアモニターをジャンプして押すと、
そこに立っていたのは別れたはずの彼だった。
別れた今でも見惚れるほどにイケメン。
いや、そんなことを考えている場合じゃない。
邪心を振り払うためにぷるるっと身体を振る。
もうこうなったら誰であってもなりふり構わず助けを求めるつもりだったが、
よりによってさとみくん。
優しい彼は元恋人だろうと助けるために尽力するだろう。
迷惑をかける訳にはいかない。けれど。
ドアを開けようか迷っていると、彼は苦しそうに唇を引き結んで背を向けてしまった。
「きゃん……っ」
待って、行かないで。
慌てて走って、ドアノブに飛びつく。
ゆっくりと開くドアの向こうで、目を丸くした彼がこちらを見ていた。
「……ぇ、犬?」
こちらに近づいてきた彼が、長い足を折ってしゃがみこむ。
ひょいと俺を持ち上げると、不思議そうに首を傾げた。
久しぶりの彼の香りにドキドキしながら、ワンと声を出す。
咄嗟にドアを開けたはいいけれど、
どうやって俺だと伝えればいいものか。
さとみくんは俺を抱えながら、中途半端に開いたドアから部屋に入る。
時折俺の名前を呼びながら、寝室やクローゼットの中まで探した後に溜息をついた。
「いねえのかよ……スマホは置きっぱなしなんだけどな」
「わう……」
「りいぬって犬飼ってるとか言ってなかったよな?なんでここにいるんだ?」
俺を見つめて、さらに不思議そうな顔をする。
「よく分かんないけど、勝手に連れていくのはまずいよな……」
「わん!わふっ!」
「お?何だ、俺に懐いたのか?」
彼に置いていかれたら、状況は振り出しに戻ってしまう。
とにかく彼に伝える方法を見つけるまでは、
そばに置いてもらわないといけない。
元恋人の優しさを利用するようで胸は痛むが、
このまま放置されたら餓死もありえる。
彼の足に頭を擦り付けて離れたくないとアピールすると、大きな手が頭を撫でた。
「……うち、来るか?」
「わんっ!」
「ふふ……人質を取るみたいで気は乗らねえけど、これでりいぬも迎えに来るよな」
逃げ回られるのも、もう終わりだ。
そう言って寂しそうな笑顔を浮かべた彼は、俺を抱いたまま家を出て歩き出した。
逃げ回っていた張本人が自分のため、何とも言えない気持ちになる。
「じっとしててな、俺の家に連れていくから」
これからどうするか考えるのに精一杯で、
俺を連れていく彼がどんな顔をしているのか、
見る余裕もなかった。
彼の家に着いてお風呂に入れてもらい、彼は濡れた俺の短足毛玉を持ち上げてタオルで包む。
ふわふわとした毛並みを温風が撫でる。
彼の膝の上で微睡んでいると、顎を指先で擽られた。
「…犬飼ってるなら、なんで言ってくれなかったんだろうな」
「今まで家に入れてもらったこともなかったし」
「分かんねえんだよ、……りいぬの考えてること、全部知りたいのに」
「わぅ……」
「…ふふ、恋人失格だったんだよ、俺は」
「わん、!」
短い足で、彼の唇をてちっと塞ぐ。
これ以上彼を卑下するような言葉は聞きたくなかった。
もふもふとした手を口に乗せられ、彼は目を丸くしている。
「きゃうん……」
「……なんだよ、慰めてくれるのか?」
彼が俺の身体を持ち上げる。
そういえば少し顔色が悪いような気がする。
目元にはうっすらと隈が出来ていた。
またずっと寝ずに編集でもしてたのかな。
彼の顔を見つめていると、お腹が鳴った。
そういえば朝から何も食べていない。
彼にも聞こえたのだろう、クスリと笑って起き上がった。
「よし、お前のご飯作ってやらないとな!」
「わん、!」
「ん?」
キッチンへ行こうとした彼のズボンの裾を噛んで、ぐいと引っ張る。
ろくに寝てないくせに、元恋人の部屋にいた犬をもてなすとはどういう了見だ。
何度も引っ張ると、彼は不思議そうにしながらも俺が引く方向に歩き出した。
幾度となく来た彼の家だ。
寝室の場所だって把握済み。
ベッドのそばまで彼を連れていき、一鳴きすると彼はますます首を傾げた。
「眠いのか?腹減ってんだろ?」
「わふっ」
「……え?俺も?」
ベッドの上に乗り、今度は彼の腕を引っ張る。
眠いのはお前だろ、という気持ちを込めてジト目で見つめる。
「……分かった分かった。昼寝しような」
「わん!」
ようやくベッドに潜り込んだ彼に満足していると、身体を引き寄せられ胸に抱かれる。
ドキドキするが、今の俺は犬。
このもふもふの身体が彼の入眠を少しでも助けられるなら本望だ。
蕩けてきた彼の瞳を見つめながら、俺もうとうとする。
「優しいな、お前は……」
「きゅぅ……」
「ふふ、りいぬに、似てる……」
俺を抱き締める腕が重くなった。
彼の体温と香りに安心しながら、
目が覚めた時に人間に戻っていたらどうしよう、
と考えたところで、俺も意識を手放した。
「さとみくんと別れてください」
これで何人目だろうか。
別れてください、なんて形ばかりの敬語に苦笑してしまいたくなる。
女性の瞳は俺を足先から頭までスキャンして、
勝てると判断したようだった。
別れてほしいっていうのは、俺じゃなくてさとみくんに言ってください。
と、決まり文句のようにいつも言い返していた。
彼に言って、この女性のために彼が俺との関係を終わらせるなら、それは仕方のないことだ。
でも俺に言うということは、彼には俺と別れる気がないと分かっているからだろう。
ギロ、と音がなりそうなほど鋭く俺を睨みつけた女性が唇を歪める。
「……さとみくんとあなたが並んでるところを見た人たちが、あなたをどう思ってるのか、分かってますよね」
分かってる。
分かってるよ、だから辛いんだ。
自分の伸びた前髪を撫でながら、目の前の女性から目を逸らした。
「…………身の程知らず、」
ぽつ、と呟いた声は、彼女の声だったのか俺の声だったのか。
歪んでいく視界の中で、途方もない暗闇に落ちていくような感覚がした。
「おはよ、随分ねぼすけさんだな?」
「……わう?」
目を覚ましたら人間に戻っていました。
なんてことはなく、俺の寝ぼけた口はわうわうとぼやいている。
寝起きでもかっこいい彼に見惚れながら、
ふと違和感に気付く。
起きたらすぐにテレビをつける彼が、
今日はつけていない。
神妙な面持ちでスマホを握り、じっと液晶を見つめている。
ベッドに寝転びながら、どうしたのかと見上げると、彼は耳にスマホを当てた。
同時に小さく聞こえる呼出音。
「わう、……」
切なく伏せられた彼の瞳を見て、分かってしまった。
一日一度の着信だ。彼は俺に電話をかけている。
コールが切れるまで粘った後、彼はスマホを耳から離して溜息をついた。
「今日も出ない、か」
「くう……」
「大丈夫だよ、お前のことは預かってるってメッセージ送ってあるから」
俺の頭を撫でる手は本当に優しくて。
叶うならずっとこのままでいたい、なんて思ってしまうくらいには心地よくて。
でも、俺の部屋に置き去りにされていた犬を、
彼がずっとそばに置いていたら。
彼は前に進もうにも進めないのだ。
電話で俺の安否を気にかけ、いずれは犬を返すつもりなのかもしれない。
だけどそれは、犬になった俺がここにいる限りは叶わないことだ。
彼の足枷になってしまう。
そう考えると、ぞっとした。
「…………くぅん……」
「ん、どした…?」
ぺた、と耳を伏せて、彼の身体に擦り寄る。
離れ難いけれど、本当に、
彼と別れなくてはいけない日が来たんだ。
その日の夜、俺はまた彼の胸に抱かれていた。
背中に触れる彼の胸が、深く上下し始めた頃を見計らって、そっと腕から抜け出した。
振り返ってしまいそうになる気持ちを抑えて、
玄関まで向かった。
爪がフローリングに当たる音を殺して、ドアに近付いていく。
ドアノブに向かってジャンプして、鍵をなんとか開けた。
今日は満月だ。月明かりが部屋まで差し込んでいる。
犬として過ごしたのはたったの二日だったものの、密度の高い時間を過ごしたこの家は、
彼との思い出に溢れていた。
後ろ髪を引かれてしまうのは、この際仕方がない。
この後どうするのか。
野生になったとしてやっていけるのか。
何も決まってはいなかったけれど、
今夜飛び出さないとズルズルとここにいてしまいそうで怖かった。
ドアを少し開けると柔らかな夜の風が吹いてくる。
さとみくん、と最後に名前を呼ぼうとすると
「わう……」と声が出た。
外に踏み出そうとした瞬間、俺を照らしていた月明かりが消えた。
「……どこ行くんだよ」
頭上から降ってくる声。
どこまでも優しいその声は、寝起きとは思えないほどはっきりしている。
さっきまでは感じなかった夜の肌寒さに、ふるりと身震いした。
振り返ると、彼が困ったように笑っている。
「ここにいたらいいだろ、寝床もあるし、
ご飯もあげられる」
俺が中途半端に開けたドアを、さとみくんはこれ以上開かせないように掴んでいる。
宥めるように頭を撫でられ、きゅうと喉から声が漏れた。
ドアから離れない俺を、彼は無理やり引き戻そうとはしない。
「……ほら、おいで」
俺に向かって両手を広げた彼。
その腕に抱かれてしまった時、俺は戻れるのだろうか。
本当のペットのように、彼のものにしてもらえるのだろうか。
そして、吸い尽くしたはずの甘い蜜を、ずっと。
「わふっ……」
「……どうして?」
首を振ると、悲しそうな声が降ってきた。
奇しくもあの日と同じ声、同じ言葉だ。
これ以上彼の優しさに触れて、
離れられなくなるのが怖くなって、
別れることを決めたあの日と。
「……そんなに、俺といるのは嫌なのかよ」
悲痛な声を放つ彼を見上げると、噛み締めていた唇が開かれる。
「なあ、 」
その唇から放たれたのは、
俺の、名前だった。
弾き出されたようにドアから飛び出す。
彼の叫び声を背に感じながら、短い足をひたすら動かした。
マンションの長い廊下を駆け抜けて、階段を駆け下りる。
どうして、どこで、いつから。
そんな言葉が頭を駆け巡る。
頭から、俺の名前を呼ぶ彼の声が離れない。
後ろから聞こえる彼の声に比例して、
手足の感覚がリアルになっていく。
四本足で走り続けていたはずの身体は、
いつの間にか人間のものに変わっていた。
王子様に名前を呼ばれたから、人間に戻ったとでもいうのか。
くだらない。
前屈みになっていた身体を起こして走った。
この二日で四足歩行に慣れてしまった身体は、
久しぶりの二本足に戸惑い、縺れる。
「待てよ、りいぬ!!」
「……っ!」
声が、近付いてくる。
圧倒的なリーチの差はどうしようもない。
焦りから自分の右脚を左脚に引っ掛けてしまい、
転びそうになった身体を後ろに引き戻された。
もう、放っておいてよ。
一緒にいるのが嫌なのかって?
嫌だよ、嫌だし、嫌い。
こんな自分が、君ほどの人の隣に立つことが、
嫌で仕方がない。
黒い感情が湧き上がる。
彼は一体どう思っていたんだろう、この二日間を。
元恋人に媚びを売る俺を、嘲っていたのだろうか。
肩を掴まれて、彼と正面から向き合う。
恨み言のひとつでも吐いてやろうか、と考えていた俺は、ぽたりと頬に落ちた雫に目を見開いた。
「さとみ、く」
「っは、はあっ、なんで俺から逃げるんだよ!また!」
肩で息をする彼の頬には涙が伝っていた。
この人が泣くところは初めて見る。
別れを告げたあの日も泣かなかった、彼が。
呆然と彼を見上げる。
「そんなに俺が嫌いか?もう興味もないのかよ!?っ俺に撫でられてあんなに嬉しそうにしてたくせに、期待させるだけさせて……!」
ぐす、と鼻を啜った彼が、服の袖で目元を擦った。
違う、さとみくん自身が嫌いだなんて思ったこともない。
俺が嫌いになったのは、愛想を尽かしたのは、俺自身なんだ。
潰れてしまうほどの強さで俺を抱きしめた彼が、嗚咽で震えている。
「だって、俺じゃ、さとみくんに釣り合わない、から」
「……釣り合わない?」
初めて見る彼の様子に混乱しながらも答えると、彼が低い声で反芻する。
そう、釣り合わないのだ。
なんの取り柄もなくて、可愛くもない俺と、
なんでもできてかっこいいさとみくんじゃ、
あまりにも。
彼は少し身体を離し、擦ったせいで赤く染まった目元で俺を見つめた。
「あの犬がりいぬだって分かった時、俺がなんて思ったか分かるか?」
「……ぇ、……?」
「好都合だ、って思ったんだよ」
元は人間の、行く宛もない犬。
野生で生きるなんて到底無理となれば、
俺の庇護のもとにいるしかなくなる。
理由をつけて俺から離れていくこともない。
あのまま逃げられたら、俺はお前を無理にでも捕まえて、リードで繋いで、もう二度と部屋から出さないつもりだった。
いいか、俺は、さとみは、そんなことを考えるような男だ。
そんな男に、なんでお前が釣り合わないんだ。
「俺を一人で立てなくさせたのはお前だろ」
「ふざけんな、そばにいろよ……」
くしゃりと崩れる顔。知らない。知らなかった。
そんな顔、俺に見せてくれたこと、なかった。
「…………ごめん……」
「謝るな、……俺のことが嫌いでも、悪いと思うなら離れるな」
「ちが、違うの、さとみくん」
彼より随分小さい手で彼の頬を包む。
犬の小さな手では包みきれなかった頬に伝う涙を、指先で拭った。
この人が、愛おしい。
この人と、一緒にいたい。
あの日必死になって閉じ込めた気持ちが溢れてくる。
「逃げてごめん、さとみくんのことが好き」
「……本当に?」
「……本当だよ、嫌いになれるわけない」
「……もう逃げない?ずっと俺と一緒にいる?」
「…………うん、いるよ」
「……流れ星」
「え?」
「たまたま見えた流れ星に願ったんだ、りいぬのこと……」
流れ星なんか信じてなかったけど、
もしかしたら、
俺の前に現れた犬が、りいぬなんじゃないかって思った。
俺が休もうとせずにりいぬとデートしようとしたら怒ってベッドに連れ込むところも、
俺がちょっとでも自分を責めたら口を塞いでくるところも、
全部りいぬで、泣きたくなったよ。
涙腺が緩み切っているのか、止まらない彼の涙に苦笑する。
目が溶けてしまいそうだ。
「もうずっと、俺の腕の中だ」
俺の手に、彼の手が重なる。
この人の流す涙は熱いのだと、この時初めて知った。
Fin.
ここまで読んでくださって感謝です(ᐡᴗ ̫ ᴗᐡ)❤︎
こんなに長かったのに駄作で申し訳ないでし、、
投稿ほんとに久しぶりな気がします
2年ぶりくらい?
やば🥲🥲🥲
コメント
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フォロー失礼します!
時差こめ失礼します🙌🏻 凄く好みだったのでぶくま失礼します🫶🏻️💗
めっちゃ時差コメ失礼します🙇♀️神作品に出会ってしまいました。フォローブクマ失礼します