〈中也Side〉
目眩がした。ここ最近、体調不良の日が続いている。
俺は任務中に倒れてしまった。不覚だ。
「中也さん!?大丈夫ですか!?!?」
駆けつけてきた芥川達の声がするが薄れゆく意識に抗えず、其の儘気を失ってしまった。
「大丈夫かい?中也くん」
「はい、首領。ところで原因が何か分かったりしますか?」
首領が困ったような顔をする。
「えっと、大変申し上げにくいんだけど、───」
「中也くんは『チョコレエト病』になってしまっている、んだよね」
「最近よく目眩しなかったかい?」
『チョコレエト病』それは段々と身体が溶けてしまうという病気である。発症する時期はきまって冬の間だ。理由は人それぞれだが、大抵は恋愛に対することらしい。
「そう言うことでしたか、有難う御座います。」
「太宰くんには私から伝えておこうと思っているのだけど?」
「あの青鯖には伝えなくて大丈夫です」
「いつか自分から伝えるので」
ごめんな、太宰、俺長く生きられないかも知れない
次回「恋人」
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