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「もう一緒に帰るの辞めようや」

「えっ…?」

「俺彼女おるんや。だからこうやって2人で帰るのもこれで最後」

久しぶりのみんなとの飯の後、まちこに誘われ、一緒に帰ることにした。内心舞い上がっている俺がいる一方、そろそろこの関係を終わりにせんと。という認識が強くなっていたので女研メンバーにしか言ってない事実をまちこに伝えた。

彼女ができた、俺に。未だに実感が湧かんけど。ちょっと前にニキと付き合ったんよ。まちこが女研の鯖に来なくなって、告っとけば良かったって気が滅入っとった時に、ダメ元でいいからお試しだと思ってって言われてな。

そう言ってくれたニキには悪いけどまだまちこのこと好きなんよな。なんてまちこには言えるわけがない。


…て言うか反応なしか。まちこは何か考えとるようやけど、ドッキリやと思われとる?まぁまちこのこと試しとるからある意味正解なんやけど。

そう考え事をしていたら急にまちこが顔をあげ、綺麗な瞳と目が合った。一瞬だけやったけどその瞳は少し濡れていた気がした。

「へー彼女いたんだ!?いいなー羨ましっ!えっ、いつから?」

は、笑っとる?見間違いか?

いや待てよ。まちこはシルエット声優やし、演技かも知れんやんか。もうちょい探り入れても、、

「せんせー?」

相手が誰なのか早く知りたいって顔しとる。俺に彼女ができて悲しいとかこれっぽっちも思っとらん顔や。 ...これは、脈ナシやな笑

「あぁ、、あんま詮索するもんやないで」

やっぱそうよな、そんな上手くいく訳ないな。ちょっと期待しとった俺がアホみたいやんけ。

「それもそっか。まぁ振られないよう頑張って」

淡々と言葉を発するまちこ。

その姿を見ていると胸が苦しくなるし、嫌でも気付かされる。失恋したな、完全に。マジでカッコ悪。ニキと付き合っとんのにまちこを試してみるとか自惚れ過ぎやし、ニキに悪いことしたな。

羞恥と自責の念で今すぐにでもこの場から、この状況から逃げ出したくなる。

まぁとりあえず、帰ったらニキとちゃんと話そう。ちゃんと俺の気持ち言えてないしな。




そこからまちこと気まずい中なんとか会話を続けていつも別れる十字路までたどり着いた 。最後くらいという気持ちが勝って、いつもと同じように遠回りをした。ギリギリまでまちこの隣にいようとこの空間にみっともなくしがみついた。

「彼女いるのにごめん。わざわざありがと。」

別れ際、まちこに言われた言葉は泣きそうな顔を取り繕うのに精一杯で理解できなかった。

まちこが好きやった。

なんて今の俺には言える訳がない





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コメント

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ううぅ…どちらを読んでも切ない!大好きです! 自分のことになると鈍くなる二人😭

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