コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
白樺ノ森学院で司たちがお昼を食べていた頃
帆歌はワイヤレスイヤホンで音楽を聴きながら、待ち合わせ場所の大吉祥寺駅向かっていた。
駅に到着し、どこで待ってようかなと空いている場所を探した。
するともうすでに幸が柱に寄りかかりながら待っていた。
トントンと肩を叩く。ふっっと顔を上げる幸。すると軽く手を挙げた笑顔の帆歌が目の前にいた。
「おぉ」
幸はワイヤレスイヤホンを取る。帆歌もワイヤレスイヤホンを取る。
「お待たせ。前回は私が先だったのに、早かったね?」
「あ、あぁ。なんか信号とか電車とかタイミングが全部よかった」
「なるほどね」
「そ。じゃ、行くか」
「うん。あ、こっち」
帆歌が事前に調べていたお店に2人で向かう。席につき、メニューを見る。
「どこの店もだいたいパスタあるよなぁ〜」
「私はー調べてたときに美味しそうって思ったパンケーキを頼もー」
「パンケーキ。お昼になるか?」
「なるなる。ホットケーキだってお腹に溜まるでしょ?」
「まあ。でもおやつ感すごくね?」
「まあね?」
店員さんを呼び、幸、帆歌、それぞれを注文する。店員さんが先に飲み物を届けてくれた。
「パンケーキとホットケーキの違いってなんだっけ」
と呟きながら検索エンジン Hoogleで「パンケーキ ホットケーキ 違い」と検索する幸。
「あぁ、なんだっけ?私も調べたことあるけど忘れちゃった。違いはないみたいなんだっけ?」
「えぇ、日本においては、「ホットケーキ」とは家で気軽に作れる甘~いケーキとして愛され
一方「パンケーキ」はカフェスタイルで提供され、より柔らかくフワフワした食感が特徴とされています。
この差は、材料の選択、特にベーキングパウダーの分量や牛乳と小麦粉のバランス
さらには調理法にその秘密があります。だってさ。よくわからん」
「調べたのにぃ〜?」
「そう書いてあるし」
と言って幸がスマホの画面を帆歌に見せる。幸のスマホを受け取る帆歌。
「んん〜?…んー。パンケーキとホットケーキに違いはあるの?
…パンケーキとは。パンケーキとは、フライパンなどの平鍋で丸く平らな形に焼くケーキの総称です。
英語で「pancake」と表記され、「pan」という単語は「底の平たい鍋」を意味します。
ホットケーキとは。日本では1884年に書物でパンケーキが紹介され
1923年に東京のデパートの食堂で「ハットケーキ」の名前で売り出されたのが始まりとされています。
パンケーキとホットケーキの違い。結果として、パンケーキとホットケーキの材料に大きな違いはありません。
甘さや膨らみなどに違いがあるとの説もありますが
日本ではパンケーキとホットケーキに明確な定義や区別はなく
呼び名が異なるだけと考えられています。だってさ。合ってた」
と言いながらスマホを幸に返す。
「なんだ。明確な違いないのか」
「らしいね」
チラッっとスマホの裏側が見える。
「好きだねぇ〜」
そのスマホケースには世界一有名と言っても過言ではない、ネコとカナリアのイラストが描かれていた。
「あぁ」
とスマホの裏を見てから
「うん。好き」
帆歌の目を見て真っ直ぐに言う幸。
「あっ…」
不意をつかれた帆歌。不覚にもキュンとしてしまう。思わず目を逸らし、後ろを向く。
「さすが裏でファンクラブできたほどのイケメン…」
と呟く。
「ん?」
「いや。なんでもない」
と向き直る。
「見せて」
「ん」
幸が今一度スマホを帆歌に渡す。
「あぁ〜。相変わらず可愛いなぁ〜」
「な」
なんて話していると注文したオムライスとパンケーキを店員さんが持ってきてくれた。
「幸くん、パンケーキ食べたい?」
「まあ…」
「じゃあ…」
と帆歌が小さなお皿にパンケーキを切り分けて乗せ
「はい」
と幸のオムライスの横に置いた。
「ども。じゃ」
幸も小さなお皿にオムライスを少しだけ乗せ
「ほい」
と帆歌のパンケーキの横に置いた。
「ありがと。食べたかったんだ〜オムライス」
「やっぱご飯系食べたかったんだんじゃねぇーか」
「んー?まあねぇ〜。でもネットで見つけたときパンケーキが美味しそうだったし。
ま、オムライスも美味しそうだったけど」
「いただきます」
「いただきます」
幸はもちろん、帆歌もオムライスからいただく。スプーンでトロトロのオムライスを口に運ぶ。
「んん〜!美味しい!」
「んん。うまいうまい」
2口で食べ終わってしまった帆歌。
「あぁ〜。食べ終わっちゃった」
「んん〜。オムライスもいいよな。やっぱ」
「もう1口くれてもよかったのに」
「もう1口分多く分けても食べ終わったら、もう1口くれてもよかったのにって言うだろうな」
「…それはぁ〜…そう」
帆歌は少し名残惜しいが本命のパンケーキに移った。スプーンからナイフとフォークに装備を変更する。
「いただきます」
改めて言ってからナイフで一口分を切り
ナイフにフォークで生クリームをつけ、切り分けた一口分に乗せる。
はちみつもフォークでナイフに上手く擦り付けて
切り分けた一口分のパンケーキの端に擦り付ける。フォークで刺して口に運ぶ。
「あぁ〜…うん。美味しい」
幸はオムライスを食べながら
ビミョーな反応だな
と思った。しかし言わないでおいていた。
「幸くん、なんか今思ったでしょ」
図星すぎて、そしてなんでわかったしと思い、トロトロのたまごが喉にスルッっと入り
「っぐっ…ゴホゲホ…」
咽せた。
「あぁ、幸くん幸くん、オーラオーラ。飲んで」
帆歌が幸のソラ・オーラのグラスを幸に近づける。
「ゲホゲホ…」
ゲホゲホしながら受け取る。しかしゲホゲホしているので飲めない。
飲めないし、咽せたとき、よく飲み物を勧めるし、飲み物を飲もうともするが、結局解決にはないらない。
「…あぁ〜…」
結局自然に治るのを待ってから飲み物を飲んだ。
「帆歌に殺されるとこだった…」
「ごめんごめん。お詫びにオムライス少し貰ってあげるよ」
「なんでだよ。食べたいだけだろ」
「バレた?」
「パンケーキ食べたときにビミョーなリアクションだったからな」
「いや、美味しいんだよ?ほんとに。
でもオムライス食べたら、脳とお腹がガッツリ食べるモードになっちゃって
でも口にデザート運ばれてきたから脳もお腹も「…」みたいになっちゃって。…幸くんのせいだからね!」
「うわぁ〜人のせいにする?しかもオレの好意を?
あぁ〜もうこれから一口もあげないわ。欲しいって言ってもあげないわ」
「あぁ〜ごめんごめん!…でもあれなんだね?「もう二度とお前とは飯行かねぇ!」とかは言わないんだね」
「…っ…」
帆歌の言葉にまた咽せそうになったが喉が頑張った。
「危ねぇ…」
「相変わらず優しいね、幸くんは」
と言う帆歌の笑顔に、思わず後ろを向き
「これだから帆歌は苦手なんだよ…」
と呟いた。
「ん?なんか言った?」
向き直り
「いや、別に」
とオムライスを食べ続け、幸もパンケーキに行き着いた。スプーンからナイフとフォークに装備を変更し
「いただきます」
と改めて言ってからパンケーキに手をつける。
生クリームとはちみつを切り分けた一口分のパンケーキにつけて口へ運ぶ。
「あぁ〜。うまいわ」
素直に言えた幸。
「ムカつくなぁ〜」
「ま、しょっぱいもの食べてのデザートだから。…最高」
「ムカつくぅ〜」
「じゃ、今度から」
メニューを取ってメニューの片隅を指指す。
「デザートパンケーキセット頼めばいいじゃん」
「え?そんなのあったの?」
帆歌がメニューをまじまじと見る。
「お好きなパンケーキのミニサイズをデザートとして楽しめる。
お好きなメニューにプラス750円。え!なんで言ってくんなかったの?」
「え。だってLIMEで食べたいメニューあるとこ見つけたからーとか言ってたし。決まってんだろうなって」
「…くっ…。もっとちゃんとメニュー見ればよかった」
「ざんえんえしあぁ〜(訳:残念でしたぁ〜)」
「口の中に入れたまま喋らない」
「すいません」
2人とも食べ終わり、飲み物を飲みながらゆっくりした。
「ちょっとあったかいの飲もうかな」
と言いながらメニューを見る幸。
「いいね。私もなんかあったかいのほしい」
と温かい飲み物を決めて店員さんを呼んだ。
「あ、すいません。これなんですけど」
と幸がスマホの画面を店員さんに見せる。帆歌はクーポンかな?と思う。
「はい。大丈夫ですよ。ではご注文の品をお持ちした後でもよろしいでしょうか?」
「はい。もちろんです。お手数おかけします」
「いえ。では失礼します」
しばらくしたら店員さんがカップに入った湯気の出ている飲み物を帆歌と幸の前に出してくれた。
「では、こちらで」
と店員さんに言われて席を立つ幸。
「ちょっと行ってくる。すぐ戻る」
「?うん。いってらっしゃい」
しばらくして幸は猫のぬいぐるみのキーホルダーを片手に戻ってきた。
「ただいま」
「おかえり。それ貰ったの?」
「そ。あげるわ」
「え。いいの?」
「うん。別にオレの趣味じゃないし」
幸から猫のぬいぐるみのキーホルダーを受け取る帆歌。
「ありがとー。可愛い」
その後もなんてことない会話をしながら頼んだ温かな飲み物を飲んだ。
「さて。帰るか」
「あ、この後どっか行ったりしない?」
「ん?まあ、行ってもいいけど。家出る前に乾燥機かけてきたらから」
「あぁ、洗濯物か」
「そ。いいよなぁ〜狐園寺家実家は」
「そうだね。私は基本的に美音ちゃん専属の執事だからね。食事とか洗濯とかは専門の人がやってくれる」
「司が一人暮らししたいとかいうから、オレが全部1人でやらないといけなくなった」
「そっか。当たり前だけど鴨条院家のご実家のほうには」
「いるいる。お父さんとかお母さんとかお婆さまとかお爺さまの身の回りの世話をする人たち。
洗濯専門、食事専門、掃除専門。だから司が一人暮らしするって言ったとき
お母さんとお婆さまとお爺さまがオレに専門の人から一通り学ばさせられたわ」
「おぉ〜。すごいじゃん。全部できるね」
「人並み以上にね」
と言いつつも掃除は自動で働くお掃除ロボット「Limbo」に任せ
食事はたまに高いものも出すが、大抵は安いもの、出来合いのものばかり。
洗濯、アイロン、シワ伸ばしに関しては、ハンガーにかけて
かけておけば自動でシワを伸ばしてくれるクローゼットに任せている。幸は大抵ただスイッチを押すだけ。
そしてタバコを吸ったり、ソファーで寝転がりながらテレビを見ているだけである。
そんな話をして席を立つ。お会計をと思いながら帆歌はお財布を出してレジに向かうが、幸は
「ありがとうございました。美味しかったです」
と言ってドアのほうへ。店員さんも
「ありがとうございました」
と見送ってくれる。なので帆歌も少し戸惑いつつ
「あ、ありがとうございました。美味しかったです」
と言いながらペコッっと頭を下げて幸の後を追う。お店を出て
「ちょっと」
と幸の肩をつつく。
「なに?」
「お会計は?」
「んー?」
「んー?じゃなくてさ。次回割り勘って前回言ったじゃん」
「言ったっけ?」
「言った」
「じゃ次回割り勘な」
と言う幸に
次回も行ってくれるのね
という喜びもあったが
次回もまたカッコよくいつのまにか払われてるんじゃないか?
という懸念もあったので帆歌は幸の前に出て幸の正面に立つ。
「なんだよ」
「ん」
帆歌が右手を小指だけを立て幸に伸ばす。
「ん?」
「ん!指切り!」
「…いい歳して指切りげんまん?」
「歳は関係ない。幸くんとはなにかあったら
お爺ちゃんになろうがお婆ちゃんになろうが指切りして約束する!決めた!」
「…」
仕方なく小指を立てた右手をゆっくりと上げる幸。
その幸の右手を帆歌の右手が迎えに行き、強引に小指と小指を絡めた。
不意打ちな出来事に目を大きく見開き、ドキッっとする幸。
「はい。指切り。約束ね!」
「…あ、はい」
「次回は割り勘だからね」
「はいはい」
そんなこんなで幸は帆歌を家まで送り届けてから家に帰った。
幸はいつも通り下着のパンツ一丁になってソファーに寝転がりながら右手を天に掲げる。
帆歌の手ちっちゃかったなぁ〜…柔らかかったし、あったかかった…
と考えている自分を振り払うようにバッっと立ち上がり
「さてさて、シワ伸ばしを頼まなくては」
と洗面所へと向かった。
「あぁ〜…緊張したー…」
とベッドに寝転がり右手を掲げ、その右手を見ながら言う。
「勢いとはいえ幸くんの手握っちゃった…」
帆歌の頭の中で昼間の幸の言葉が響く。
なんか…帆歌の夢見た気がする…
バッっと起き上がる。
「いやいや「気がする」だから!あくまでも「気がする」!しかも手も握ってないし。小指だし」
と誰に向かってかわからない言い訳をしながらも
幸くんの手少し冷たかったなぁ〜…手も大きかった…大きかったけどスラッっとした綺麗な手だった
と思う自分を振り払うように
「着替えよ。着替えてちょっと寝よ」
と着替えてから少しだけ眠った。