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Rei.S side.
あの日、俺は会社の屋上にいた。
俺は、人生に疲れていた。
だから、終わりにしようとした。
しかし、何故か俺は病室のベッドにいた。
……生きてしまったのだ。
ベッドの横のカーテンは常に閉めていた。
俺と違って、ほかの患者のベッドは見舞いに来る人々で溢れかえっている。
その光景から、目を背けるのに必死だった。
あの日から数日が経った。
俺の隣のベッドの患者はどうやらサラリーマンらしく、毎日部下が見舞いにきている。
いつもならカーテンを閉め寝たフリをする。
…しかし、今日はそうはいかなかった。
「先輩!体調はいかかですか?」
見舞いの人々の中に、聞き覚えのある声があった。
患者「関くん!わざわざ来てもらって悪いね笑」
「いえいえ!心配だったので来ました!」
その声は、俺の初恋の人ーーー哲汰だった。
哲「そういえば、患者同士喋ったりとかするんですか?」
患者「しないさ。隣の人はずっとカーテン閉めてるし」
哲「そうなんですね……」
…哲汰はあの頃と変わっているのだろうか。
哲汰を知りたい。
その一心で、俺はカーテンを初めて開けた。
患者「珍しい…カーテンが開いたぞ。…関くん?どこを見ているんだ?」
哲「………玲、?」
哲「…先輩、すみません」
患者「ちょっと、関くん??」
哲汰が俺のベッドに向かってくる。
哲汰の顔が見たい。でも勇気がない。
哲「あなた……玲、ですか?」
答えられない。答えたくない。
哲汰が諦めて病室を出ようとしたとき_
玲「……待って」
俺の手は反射的に哲汰の腕を掴んだ。
哲「やっぱり……玲、だよな?」
哲「嫌でなければ…2人で話したい。」
俺は、黙って頷くことしかできなかった。
哲汰に車椅子を押され、病室を出る。
中庭に着くと哲汰はベンチに腰掛けた。
玲「……なんで、ここにいる」
哲「先輩の見舞いに来た。そしたら…玲がいた」
玲「……俺は、特に話すことはない」
哲「…俺はある。 」
哲「……5年前のこと、ちゃんと確かめたいんだ。 」
5年前。
俺たちは高校生だった。
俺は哲汰が好きだった。でもこの気持ちは叶わないと思ってた。
けれど、違った。
哲「俺…玲が好きだ。付き合ってほしい。 」
俺たちは、両想いだった。
誰もいない教室でキスをした日。
このまま2人、ずっと一緒だと思っていた。
しかし、そう上手くはいかなかった。
俺たちの関係はすぐに明るみに出た。
両親は俺の携帯から哲汰の連絡先を消し、GPSで常に俺の行動を監視した。
俺は精神を病んだ。
やがて、学校にも行かなくなった。
そして静かに、地元を離れた。
哲「……俺、ずっと後悔してる。」
もも
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哲「俺は…玲を守れなかった。あの時、俺が立ち向かっていれば…… 」
玲「違う!悪いのはお前じゃない…抵抗できなかった俺のせいだ。」
哲「玲のせいじゃない!…それだけは、言わせてほしい。」
哲「………なあ玲。俺の頼み、聞いてくれないか」
玲「……」
哲「……玲、俺の、そばにいてくれないか」
玲「…!」
哲汰と離れてから、俺の人生は輝きを失った。
本当は、心の底でずっと哲汰を求めていた。
玲「…いいのか。また同じことになるかもしれないぞ」
哲「覚悟は出来てる。…今度こそ、俺が玲を守る。守りたいんだ。 」
玲「哲汰……」
俺の目からは涙が溢れた。
ずっと、待っていた。哲汰に会える日を。
哲「玲……俺とやり直そう。」
玲「……喜んで。」
俺の人生から、輝きが戻ろうとしていた____
コメント
1件
おお…第1話からずしりとくる重さと、それ以上に温かさが残るお話でしたね。 屋上から始まる出だしで一気に引き込まれました。カーテンを隔てて隣のベッドに初恋の人がいる——その偶然の残酷さと奇跡に、胸がきゅっとなりました。哲汰が「玲のせいじゃない」と繰り返すところ、あの台詞がとても響きました。お互いを責めず、守ろうとする関係性が美しい。 「喜んで」というラストの一言に、5年分の想いがぎゅっと詰まっていて、じんわり来ました。続きがすごく気になります。この先、2人の関係がどう育っていくのか、優さんにぜひ書いてほしいです。