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翌日 放課後 廊下
放課後、真琴はタクを廊下の端に呼び出した。
「タク、ちょっと来い」
タクは怪訝な顔をしながらついてきた。
「何だ?」
真琴は周りを確認してから、
真剣な顔で言った。
「……付き合え」
タクの眉がピクッと上がる。
「は?」
「買い物に付き合え」
タクは一瞬固まったが、
すぐに察した。
「……何買うの」
「靴下」
あ〜はいはい(察し)
昨日のあの話ねはいはいはい(ニヤニヤ)
タクがニヤニヤし始めたのを見て、
真琴は耳まで真っ赤になった。
「誰にも言うなよ。
練習後、内緒で大通り待ち合わせな」
「翼も一緒はだめ?」
「だめだ‼️」
タクが少し残念そうな顔をした。
「え〜(翼と一緒に帰りたかった……)」
真琴は迷わず、キャプテン権限を発動した。
「次の合宿の部屋割りで、翼と同じ部屋にしてやる」
タクの目が一瞬で輝いた。
「ついていかせてください‼️
真琴様‼️‼️」
チョロい男だった。
真琴はため息をつきながら、
小さく笑った。
「……ありがとな、タク」
練習が終わったグラウンドは、夕陽に染まっていた。
みんなが荷物を片付け始め、翼はいつものようにタクの元へ駆け寄った。
「タク、練習終わった? 帰ろう」
タクは一瞬、顔を強張らせた。
(やばい……今日先帰っててって言うの、完全に忘れてた……)
アキも負けじと真琴に声をかける
「真琴よかったら一緒に帰らん?」
その瞬間——
タクと真琴が、ほぼ同時に口を開いた。
「「ごめん、今日用事があって」」
完璧な二重奏だった。
翼とアキは、完全に固まった。
翼「……え?」
アキ「……は?」
まさか断られるなんて思っていなかった二人。
あっけに取られて、互いの顔を見合わせる。
翼はタクに振られたことが一度もなかった。
地味にショックが大きかった。
(……振られた……?)
胸の奥が、ムカムカと熱くなる。
今まで毎日一緒に帰ってたのに、
急に「用事」って……俺にも言えない用事って何!?
アキはというと、完全に放心状態。
「……振られた……真琴に振られた……」
ボソボソと呟きながら、立ち尽くしている。
翼はアキの肩を掴んで、
「アキくん、ちょっと! 一緒に後をつけよう!」
アキはまだ放心したまま、
「う、うん……」と頷く。
翼は内心でマシンガン愚痴ガトリングを準備しつつ、
アキを引っ張って、タクと真琴の後をこっそり追い始めた。
(俺にも言えない用事って何?!
今まで毎日一緒に帰ってたじゃん……!)
アキは隣でまだ「真琴……俺……」と呟き続けているので、
翼は「まあ、アキくんは放っておこう……」と心の中で決めた。
二人は影に隠れながら、
大通りへ向かうタクと真琴を尾行した。
タクと真琴の後を、翼とアキは必死に隠れながらついていった。
二人は大通駅で電車を降りた。
(……え?)
翼は眉をひそめた。
タクの家は新札幌駅方面だ。
大通駅で降りるなんて、明らかに寄り道だ。
怪しすぎる。
(何……? もしかして……彼女できた?)
翼の頭の中に、ありもしない想像が一気に膨らんだ。
タクが誰かと笑い合ってる姿。
タクが誰かに優しく頭を撫でてる姿。
タクが「翼には内緒だよ」って笑ってる姿。
胸の奥が、じりじりと熱くなった。
苛立ちが、どんどん込み上げてくる。
(……なんで俺に教えてくれないの?
今までずっと一緒に帰ってたのに……
急に用事って、俺に隠し事するなんて……)
翼は拳をぎゅっと握った。
この苛立ちの正体が、自分でもよくわからなかった。
ただ、すごく嫌な気持ちだった。
一方、アキはというと——
完全に興味なしだった。
(……早く帰りたいな……)
真琴に振られたショックはまだ残ってるけど、
尾行なんて面倒くさい。
アキはスマホをいじりながら、
「真琴……俺のこと……」とボソボソ呟き続けている。
翼はアキの肩を軽く叩いた。
「アキくん、集中して!
タクたち、どこ行くんだろう……」
アキは「うん……」と生返事しながら、
心の中で思っていた。
(……正直、タクの用事なんてどうでもいいんだけどな……)
二人はさらに影に隠れながら、
大通りの人ごみの中を進んでいった。
タクと真琴は、
とある店の前で立ち止まっていた。