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長縄

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長縄

2 - 第2話

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2022年09月10日

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僕は担任の先生に言われた。

『S先生に相談する前に皆に言いな』

『やればできるでしょ?』

『運動神経いいんだから』

僕は、泣きそうになった。

僕は、運動神経がいいわけではない。

確かに、ハンドボール投げは、他の女子よりは、まぁ飛ぶ。

ただそれだけ。だから運動神経は、良くない。

僕は、皆に、言わなかったわけではない。

数人には言った。

「やりたくない」

「もうやだ」

そう言った。

しかし、

『頑張れ』

そう返ってくる。

神様。僕はどうしてこんなに苦しまないといけないの?

でも、もう諦めた。

やりたくないことには変わりない。

けど、クラスの人に言ったところで変わらない。

僕が一番嫌なのは、

『連続で入る練習しよ』『ーーちゃんと翔だけでやってみよ』

『連続で入って』『はい!はい!はい!今!今!』

『連続でできない人だけでやろ』

と言われること。

自分が皆に迷惑しかかけてないのはわかる。

けど…

ただ僕は言いたいことがある。

「連続でできなくてごめんなさい。」

「皆が連続でできてるのに、そのリズムを壊してごめんなさい。」

「僕のせいで、目標回数まで全然いかなくてごめんなさい。」

「いっぱい迷惑かけてごめんなさい。」

と、言いたい。

クラスのみんなは連続で飛べてるのに、僕が連続で飛べなくてリズムを壊して、目標回数まで全然いかなくて、迷惑かけてごめんなさい。

(もう辛い。)

長縄の練習すれば、

『飛べない子だけで、、、』

『連続でできない子だけ、、、』

そんな言葉で、

僕は、自分のことだ。

連続で飛ばなきゃ。もっと早く。もっと……

と、考えるようになった。

僕は、クラスの子に2回ぐらい言った。

「飛べないから縄回していい?」

「縄回していい?」

そう聞いた。そうすると、

『翔は練習して、縄回さなくていいから』

そんなふうに言われる。

僕は泣きたい。

もういいんだ

どうせ話したところで、相談したところで現状は変わらない。

僕が、我慢して我慢して頑張るしかないんだ。

もう、どうなってもいい。

僕が我慢すれば済む話なんだから。

そう思いたい。

僕は、もういいんだ。

傷つけられても、どんなに苦しくても、辛くても、

僕が我慢すればいいだけ。

そう、僕が我慢すればいいだけなんだ。

あぁ、去年がどれだけ良かったのだろう。戻れるのなら戻りたい。

そして、自分に

「ごめんなさい」

と伝えたい。

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