テラーノベル
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画面が光ったままベッドの脇に置かれたスマホ
もう動けないほど脱力した体
ベッドから落ちて意味を持たない毛布
強がりで開けた耳の穴が痛んで体に力を入れれば
誰かを真似て切った腕の傷が開く。
服に血が滲んで、布団にも血が滲む。
「 洗濯 、しなきゃ 、。 」
部屋は薄暗く照らされて瞬きも忘れるほど生を感じられなかった 。
最後まで好きなのは私だけだった。それだけだった。
ふと首を動かしスマホを見ると、とっくに日付を超えていた。
スマホの光が眩しくて、泣き腫れた疲れ目に染みまた涙が出る。
今日は何の日?
ずっとそばにいてくれるはずだった人との記念日。
なんで私はいま、一人なの?
「 最後の恋って 、」
『 これが最後の恋になりそう 』
『 ほかに作れないほど、私のことが好きってこと? 』
『 うん 。だいすき 。』
『 私も 。 』
「 思えたんだもん 、、。 」
もうなんの涙が分からなくなるくらい、記憶も感情も情緒もぐちゃぐちゃだった 。
最後の恋って、ずっと信じてた。
最後の恋って、言い聞かせてた。
だって
最後の恋って、そう思えたんだもん。
きみ以外にいらなかった。
ずっときみのそばにいて
煙草の匂いが染み付いた服も
口元を隠して笑う習慣も
だらしないところも好きだったところも
苦しいほど抜けなくて、ひたすら苦しかった。
ただ、ただ苦しい。
このまま 、死んでしまえたら 。
< 通知音 >
聞きなれた通知音に咄嗟に体を起こした。
腕が痛むけど、そんなことを気にしてる余裕も無くて 、あの人であって欲しい、どんな内容でもいい最悪文字でもいいからまたやり取りがしたい。
開いた先に並んでた文字。
「 ねぇ、私と生きてくれる ? 」
考える間もなく指は動いて
送信を押した 。
「 はいよろこんで 」
きっと蓋を開ければ 、空っぽ。
それでも、私はこうやって染まり続けて
もう、何者でもない。
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