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耳は触らないで‼︎
――レロの家。
地獄アイテムの影響が完全に抜けるまで、
メロはしばらくここで過ごすことになっていた。
テーブルでは、メロが資料を広げ、羽根ペンを走らせている。
姿勢は相変わらず優雅で、集中した横顔はいつも通り――
ただし、頭の上には白いうさ耳。
『……この項目は修正が必要ですわね……』
真剣そのもの。
耳も、気持ち集中しているのか、ぴんと立ったままだ。
その様子を、少し離れたところから眺めていたレロは――
ふと、悪戯心を抑えきれなくなった。
(……今なら)
そっと近づき、気配を消して。
「……」
指先で――
ちょん。
『っ!?』
メロの肩がびくっと跳ね、同時にうさ耳が勢いよく跳ね上がる。
『な、ななな……!?
い、今……何をなさいましたの!?』
慌てて振り返るメロに、
レロは悪びれもせず、にやりと笑う。
「いやー、反応良すぎでしょ」
『なっ……!?』
「集中してるときの耳、無防備すぎ」
メロは顔を赤くし、慌てて自分の耳を押さえる。
『さ、作業中ですわよ!?
そ、そういう……突然のことは……!』
「えー? 触っただけだけど」
レロは肩をすくめ、わざと軽い口調で続ける。
「ちゃんとうさぎになってるなーって確認」
『ぐっ……』
悔しそうに唇を噛みしめると、
感情に反応して、うさ耳がぴくぴくと震える。
『……お兄様……
あまり調子に乗られますと……』
「と?」
『……この姿でも、怒りますわよ……?』
そう言う割に、耳は完全に伏せきれず、
ぴこ、と小さく動いてしまう。
それを見たレロは、くすっと笑った。
「はいはい。
じゃあ次はちゃんと許可もらってから触る」
『……本当に、分かっていらっしゃるのかしら……』
メロは小さくため息をつき、
またペンを取る。
――ただし、
うさ耳は警戒するように、ぴんと立ったままだった。