昼前に、向井はお粥を作り始める。
渡辺がぼんやり目を開ける。
向井ー何が食べなあかんから、お粥作った。
渡辺ーん。
向井ー自分で食べれるか?
渡辺ー食べさせて。
向井ーいちいち可愛いなぁ。持って来る。
鮭と大葉のお粥。
向井は、ふーふー冷ましながら口に運ぶ。
もぐもぐ口を動かしながら、美味しそうに食べる。
向井ーご飯食べたらちょっと寝り。
渡辺ーごめんな、こんな休みになっちゃって。
向井ーかまへん、弱いとこも見せてほしい思う。何の力にもならんけど、安心して寝てくれたら嬉しい。
渡辺ーん、ちょっと寝る。
向井ーおやすみ。
向井の看病のおかげか、夕方には熱が下がって来た。
熱を計ると36.7。
今夜大人しく寝てれば下がるだろう。
熱が下がってきて、渡辺の退屈の虫が騒ぎ出す。
渡辺ーこうじぃ〜。
向井ーん?
渡辺ー退屈。
向井ー何言うてんねん、病人が。
渡辺ー熱下がったもん。
向井ー平熱よりまだあるやん。
渡辺ー大丈夫、元気!
向井ーあかん。今無理したら明日撮影出来へんで?
渡辺ー退屈だもん!
タオルケットを剥いでしまった。
向井が掛け直しても、剥いでしまう。
向井ー翔太くん!
渡辺ーあのな、熱のある時にアレすると熱下がるんだって。
向井ー嘘つけ!そんなん聞いたことないわ!
渡辺ー下がるって!
向井ーあかんあかん。
渡辺ーホントだって!
この間の妖艶な1人遊びをまだ覚えている向井。
今回は熱があるのにしたいと言う。
向井ー最近、色ボケしてきたん?
渡辺ー失礼な。
向井ーそんなら、熱があるのにせんでもよくない?
渡辺ー熱が下がるんだってば。
向井ー知らん知らん、とにかく寝とき。
渡辺ーぶ〜。
1時間もしないうちに寝始めた。
いったい、誰に聞いたんだろう?
こんなこと話せるのは1人しかいない。
スケジュールを確認すると、もう夕方には終わってる。
向井ーめめ?
目黒ーおぅ。
向井ー撮影終わった?
目黒ー今帰りの移動車の中。
向井ーあんな・・
やはり目黒が教えたらしい。
阿部が熱ある時に試したら熱が下がってきたとのこと。
目黒も人から聞いたから確信はなかったが阿部は実際熱が、下がった。
向井ー何でもかんでも、翔太くんに教えんといて。
目黒ー熱あるの?
向井ー平熱よりあるけど、下がってきた。
目黒ー試してみれば?
向井ーアホ言わんとき。やっと寝たから、もう下がると思う。
目黒ー明日、撮影?
向井ーそう。
目黒ー翔太くん、試してって言うよ?
向井ー言われたわ、そんで困っとる。
目黒ーはははは。
向井ーめめが元凶のくせに笑うな!
乱暴に電話を切り、渡辺の元へ行く。
アイスノンと保冷剤の交換だ。
熱を計ると36.4。
もう大丈夫だろう。
ゆっくり目が開く。
渡辺ー熱下がった?
向井ー36.4や。もう大丈夫や。
渡辺ーまだ熱あるから、しよ?
向井ーあ・か・ん。
渡辺ー熱ある人間のお願い聞かないの?
向井ーめめが言うとった。たまたまやろって。
渡辺ー俺もたまたまがいい。
向井ー怒るで、せっかく下がってきたのに。
向井は、ぬるくなった保冷剤を持ってキッチンに向かう。
また、夜使うから冷やさないと。