俺は守られてばかりだ
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〈nakamu side〉
最近、夢をみる
毎度同じ夢をみる
右も左もわからない暗闇の中でただひとりで歩いている夢だ
自分が目を閉じているのか開けているのかもわからなくなるほどの漆黒のなか、
歩いている足元の感覚からおそらく辺り一面水に浸っているのだと認識する
どこからか雫の落ちる音が聞こえる
そこに向かえば出口があるかもしれない
音を頼りにただ黙々と暗闇の中をひとりで歩く
、、、終わりはあるのだろうか
なんて考えるが足が止まることはない
ここは暗い、寒い、寂しい、、、
Nk 「みんな、、、」
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ピピピピッ、ピピピピッ
目が覚めると見飽きた天井がみえて安堵する
Nk 「寝た気がしねぇ、、」
大きな欠伸をかいて睡眠不足で少し苛立ちを覚えながらもコーヒーを淹れる
朝日を見ながら特に何も考えずにぼーっとする
ああ、今日の朝日も暑いだけで冴えない色だ
完全に目を覚ますためにシャワーを浴びる
Nk 「ふぅー。さっぱりしたーって
え、なにこれ」
脱衣所の鏡にうつった自分の姿を見てようやく気がつく
こんなあざあったっけ?
心臓より少し上の位置から鎖骨下くらいまでそこそこ大きいあざができていた
触っても特に痛みはないし、ぶつけた覚えもないから ぶるーくおぶったからできたのかな? なんて軽く思っておいた
Nk「せっかく俺の綺麗な体なのにー」
と拗ねたりするものの、別に見せる相手がいないことに気がつく
くそ、我ながらひどい思考回路だ
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いつも通りにみんなと合流して登校する
Kn「そういや今日って実技の日だよな」
Sm「あぇ、そうなの」
Br「チーム戦だっけ?」
Sh「5、6人で1チームらしい」
Sm「じゃあちょうどいいじゃん」
Kr「なかむどうする?今日は誰でいく」
そう、、魔法学校に通っている以上実践は避けれない
学校関係者には俺の事情は話しているため問題ないが、魔法が使えるのに実技に全くでない生徒などいるわけがない。
だから誰かと一緒に行動することであたかも魔法を使っているように見せる安易な誤魔化し方をしている。
正直、着せ替え気分で選べるのは不思議と心が躍るがやはり多少は悔しさが喉につっかえた魚の骨のように残る
Nk「んー、じゃあ今日はシャケかな」
Sh「おっけーよろしくな」
チーム戦であるため固まって動くだろうが常に俺の隣にシャークんがいてくれることになった
これはいわば『護衛』である
ズキッ
Nk「っ、、?」
え、なにっ、、、
朝に発見したあざの位置から痛みが走る
Br「なかむー俺とじゃなくていいのぉ ?」
おぶっているぶーるくがそう言いながらすり寄ってきた
俺のこと大好きかよ、なんて考えながらもぶるーくのおかげで痛みが少し和らいだことに気づいて心の中で感謝する
Nk「ぶるーくは俺におぶってもらいたいだけでしょ」
Kr「実技の最中もかよ笑」
Br「えぇ、ちがうしぃ」
all「wwwww」
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〈broooock side 〉
なかむが最近おかしい、、、
そりゃあね?
毎日なかむのリュック役を務めてるんだから少しの変化も気づくよ
みんなと合流してもどこか蛻の殻って感じだし
え、もしかして失恋的な?そんなぁ
と思いつつ、いつもより少し密着してみる
ドクンッ
え、、、今なかむ
え、しゃっくり?ちがうよな
おぶられているから体の振動が鮮明に伝わってきた
一瞬だけど顔を歪めた姿を見て、その振動が痛みによるものだと察した
一体原因は何だろう、聞きたいけど、でも
ここで大丈夫?とか聞いてもなかむのことだから強がって大丈夫!とかなんもないよ!とか言うでしょ?
だから気づかないふりしてそばで見守ることにした。
Br 「なかむー俺とじゃなくていいのぉ?」
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〈nakamu side 〉
Nk「ぅぐっ、、」
Sh「なかむ、!?」
あぁ、なんだよくそっ!
なんでいつもいつもっ、、、!
Nk「ヒューッ、ヒュー、、」
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