テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
麻里を駅の改札口に送り届け、武司が家に帰ると、美咲と麗子がリビングから手招きした。美咲はさっきと打って変わって真剣な表情になっていた。
麗子が先に口を開いた。
「武司君、麻里さんの反応はどうだった?」
「え? 反応って何?」
「この結婚、もう少し考えさせてくれないか、とか言われなかった?」
「ああ、それか。大丈夫、こう言ってったよ。あんな面白そうな姑が二人もできるなら、退屈しないで済みそうだとか」
美咲が武司にいきなり抱きついた。
「やっぱりあたしたちの息子だ。女を見る目は確かだったんだね」
「ちょっと苦しいよ、美咲ママ。もう子供じゃないんだから、抱きつかないで」
「やあよ。あたしたちは親なんだから、いくつになろうが、タケちゃんはあたしたちの子どもだもんね」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!