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儚 (はかな)
夜中目が覚め、俺はダイニングへ向かった
喉が渇いていたからだ
廊下へ出るとダイニングの扉の扉から灯りが漏れている
あれ?
テレビでもつけてたかな‥‥
そう思いながら扉を開けると無音のままテレビがやはりついていた
俺はテーブルの上のリモコンでテレビを消そうと手を伸ばした時‥‥
急に手首を掴まれ、持ち上げたリモコンを絨毯の上に落とした
「‥‥‼︎」
俺は余りの驚きに腰を抜かし、その場にへたり込んだ
もう怖すぎて声が出ない
ソファーの上の俺の手を掴む人物とへたり込んだ俺はガッツリ目線が合う
こんな所に人がいるなんて‥‥
絶対物取りに決まってる!
それなのに俺は動けずに、目の前の男を見る事しか出来ずにいた
俺の手を掴む手
その手は白く、力強い
そして俺を見る男の顔
まだ少年と青年の狭間のようで、俺はまた驚く
薄く黄色かかった瞳
髪の毛も白く、白い肌も相まって透けてしまいそうだ
そして薄ピンクとオレンジがかった様な唇が小さく開いた
俺は腕を引っ張られるとその唇に吸い付く様に手のひらが触れる
ザラリとした感触が伝わる
やめて欲しいのに何故か俺の身体は動かない
その男が体を起こすと体にかけていた叶さんのブランケットが床に落ちた
男の身体が顕になり、俺が落ちたブランケットに気がいっていると、男に腕を引っ張られ体を持ち上げられる
そしてあっと言う間にソファーに寝かされると、男が俺の上に覆い被さって来た
「‥‥っ!」
「‥‥‥‥‥‥」
男の大きな瞳が俺を見つめる
俺はこのままではいけないと開けっぱなしの扉の方を向き、声を出そうとした
その俺の顔を掬い上げ、男の方を向き直される
男の表情はまだあどけない様でその瞳には熱がこもっていた
顔が近づけられ、少し長い真っ白な髪が俺の頬を撫でる
その髪は細く柔らかく俺の肌を撫でた
赤い舌が覗くと、それが俺の固く閉じた唇の上を何度も舐める
こんなの絶対嫌なのに‥‥
嫌じゃないとダメなのに
段々と力が抜け唇の間に舌が入っていく
「っ‥‥あっ‥‥」
「‥‥‥‥」
入って来た舌が俺の舌を捉えると、その舌を追いかけて俺の舌を舐めていく
それはまるで飴を舐める様に
いつも俺の指を舐める様に‥‥
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