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本丸の前で、
リンクは足を止めた。
「ここから先は、俺一人で行く」
エンゲル、バブル、チップ、タヴェル。
四人は即座に状況を理解した。
「……援護は?」
タヴェルが問う。
「要らない」
リンクは即答する。
「これは、俺の戦いだ」
誰も、止めなかった。
本丸内部。
赤黒い瘴気が渦巻き、
厄災ガノンが待ち構えている。
――再会。
かつて、
リンクから仲間や家族を奪った相手。
だが今、
リンクの足取りに
迷いはなかった。
剣を抜く。
マスターソードが、
静かに光る。
厄災が吼え、
シーカー技術の刃が襲いかかる。
リンクは、
一歩も下がらない。
かわす。
斬る。
反転する。
動きは、
かつてよりも
明らかに洗練されていた。
「……遅い」
呟きと同時に、
斬撃が走る。
ビーム。
リンクは正面から受け、
――ジャストガード。
跳ね返された光が、
厄災の装甲を削る。
怒りはある。
憎悪もある。
だが、
それらは暴走していない。
制御された執念が、
一手一手に込められていた。
「何度も……
同じ光景を見せたな」
リンクは踏み込み、
連続で斬りつける。
かつて恐怖だった攻撃は、
今や 読み切れる“型”に過ぎない。
「終わりだ」
厄災が咆哮し、
最後の抵抗を見せる。
だが――
リンクは止まらない。
剣を振り下ろす。
光が、
本丸を満たした。
瘴気が薄れ、
厄災の存在が
確実に消えていく。
静寂。
リンクは剣を下ろし、
深く息を吐いた。
「……これで、一区切りだ」
外では、
仲間たちが
ただ待っている。
それでいい。
この再戦は、
誰のためでもなく――
勇者自身の決着だった。