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お疲れさまです、たたべさん。「風楽先生争奪戦」、めちゃくちゃ面白かったです…!本人だけが鈍感で気づいてないの、あるあるすぎて笑いました。雲雀先生の元気な教育係っぷり、アキラ先生のクールなようで熱い距離感、セラフ先生の優しいスマートさ、三者三様のアプローチが絶妙ですね。教室の生徒たちとベテラン教師の“こっそりナレーション”も物語に厚みをプラスしてて好きです。これは続きがすごく気になります…!✍️😊
四月も終わりに差しかかった、ある日の朝。「風楽先生。」
「……はい?」
「今日、お昼、一緒に行きません?」
「俺も一緒に食べたいです。」
「では私もご一緒してもよろしいでしょうか?」
出勤して五分。
僕の机の前には、今日も三人の先生が集まっていた。
「…………。」
「今日は職員室で食べる予定なのです」
教材を机に置きながら、いつものように答える。
「じゃあ俺も職員室で食べます!」
「奇遇ですね。私も職員室でいただく予定です。」
「それなら俺も職員室にします。」
「……。」
いや、偶然なわけないでしょ。
心の中でだけツッコミを入れる。
赴任して一か月。
この先輩教師三人は、毎日のように僕のところへやって来る。
1人目渡会雲雀先生。高等部の体育を担当している先生だ。この人は僕の教育係で必然的に関わりが多かった。ここの学校に慣れていない時はとてもお世話になった。……言い方悪いが今となっちゃあ少しうるさい先生だ。
2人目四季凪アキラ先生。中等部の数学教師で僕の隣の席の先生だ。最初の頃四季凪先生から『一緒にお昼食べませんか?』と誘われ、その日のうちに仲良くなった。同じ中等部ということもあり関わることは多めだ。
3人目セラフダズルガーデン先生。最初名前を見た時に とても驚いた記憶がある。この人は高等部の化学教師だ。以前高等棟に用事があった際迷子になりお世話になったことがある。この中では関わりは少ない方だが、僕には分かる。この人”モテる”ということを。
最初は『新人だから気にかけてもらってるのかな?』と思っていた。
でも。
「風楽先生、これ飲みます?」
雲雀先生が缶コーヒーを差し出す。
「ありがとうございます。でも、大丈夫です。」
「じゃあ、お菓子はどうです?」
アキラ先生が個包装のクッキーを机に置く。
「お気遣いありがとうございます。今は結構です。」
「荷物、俺が持ちますよ。」
セラフ先生が自然に僕の鞄へ手を伸ばす。
「ありがとうございます。自分で持てますので。」
……距離、近くない?
朝は挨拶。
休み時間は差し入れ。
昼休みは食事のお誘い。
帰る頃には「途中まで一緒に帰りませんか」
新人って、こんなに手厚く面倒を見てもらえるものなのかな。
ありがたいことには変わりないけど。
「奏斗先生。」
「……何でしょう?」
「今日もかわいいですね。」
「アキラ先生。」
「冗談です。」
「目が笑っていませんけど。」
「気のせいですよ。」
「絶対気のせいじゃない……。」
思わず小さく呟くと、雲雀先生が吹き出した。
「ははっ!風楽先生、ちゃんとツッコむじゃないすか!」
「ツッコまざるを得ません。」
「その反応、かわいいですね。」
「セラフ先生まで……。」
勘弁してください。
三人は楽しそうに笑っている。
何がそんなに面白いんだろう。
職員室の隅では、ベテラン教師たちが今日も小声で話していた。
「また始まったな。」
「今日も風楽先生争奪戦か。」
「本人だけ気づいてないんだよ。」
「あそこまで鈍感なのも才能だな。」
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たたべ
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そんなことを言われているとは露知らず。
今日も、風楽奏斗、二十二歳の一日が始まる。
────────
「風楽先生。」
朝のホームルームへ向かう準備をしていると、教頭先生に呼び止められた。
「はい。」
「二年二組の担任の先生が体調不良でお休みなんだ。」
「そうなんですね。」
「今日は副担任の君に、一日お願いしたい。」
「承知しました。」
急な話ではあったが、断る理由はない。
「何か困ったことがあれば、周りの先生を頼って。」
「ありがとうございます。」
教頭先生は安心したように頷き、職員室の奥へ戻っていく。
僕は時間割を確認した。
朝のホームルーム。
一時間目の社会。
その後も自分の授業はある。
思ったより忙しそうだな。
でも、一日くらいなら何とかなるだろう。
そう思い、教室へ向かおうとした、その時だった。
「風楽先生!」
雲雀先生が廊下を小走りでやって来る。
「聞きました!二年二組、今日一日担任やるんすよね?」
「はい。その予定です。」
「何かあったら俺も手伝いますから!」
その直後。
「私も空き時間がありますので、お気軽にお声がけください。」
アキラ先生が静かに隣へ並ぶ。
「高校棟にいますけど、連絡いただければすぐ行きますよ。」
セラフ先生も穏やかに笑う。
「皆さん……」
本当に優しい人たちだ。
「ありがとうございます。ですが、一日くらいなら何とかなると思いますので。」
そう言って微笑むと。
「「「……。」」」
三人が同時に固まった。
「……?」
え、何。
「どうかしましたか?」
「い、いや何も?!」
「何でもありません。」
「お気になさらないでください。」
三人は慌てて視線を逸らした。
だから何なんだって。
近くでその様子を見ていた先生が、小さく笑う。
「風楽先生。」
「はい?」
「その笑顔は反則ですよ。」
「……?」
今日の先生方、みんな変じゃない?
首を傾げながら、僕は二年二組の教室へ向かった。教室の扉を開けると、生徒たちの視線が一斉にこちらへ集まる。
「えっ、今日は風楽先生!?」
教室が一気にざわつき始めた。ここからまた、新しい一日の騒動が始まろうとしていた。
「先生!社会教えて!」
「風楽先生って彼女いるんですか?」
「先生!期末テストの範囲ってどこっすか!?」
「……おぉっと。」
教卓の前に集まってきた生徒たちを見て、僕は苦笑する。
「そんなに一気に質問されても困ります。一人ずつお願いします。」
「えぇ~。」
「だって風楽先生、普段あんまり教室来ないじゃん!」
「いつも職員室にいるから話しかけられないし!」
「レアキャラなんだよ、先生!」
「レアキャラって……。」
そんなゲームのキャラクターみたいに言われても。
僕は中等部の社会科担当で、担任も副担任も受け持っているクラスは限られている。
だから、授業がない時間は職員室で教材を作ったり、テストを採点したりしていることがほとんどだ。
……まあ、言われてみれば教室に来る機会は少ないか。
「彼女いるんですかー?」
「その質問に答える義務はありません。」
「えー!怪しい!」
「怪しくありません。」
「じゃあ、いるんだ!」
「そういう意味ではありません。」
「え、じゃあいないんですか!?」
「だから、その質問には答えません。」
生徒たちが一斉に「えぇー!」と声を上げる。
……何でこんなに盛り上がるんだ。
そういえば。
授業のプリント、職員室に置いたままだった。
しまった。
朝、急遽担任を任されたせいで、持ってくるのを忘れたらしい。
取りに戻らないと。
そう思った、その時。
「風楽先生ー!」
教室の後ろの扉が勢いよく開いた。
「授業プリント、職員室に忘れてましたよ!」
菖蒲色の髪を揺らしながら、渡会先生が教室へ入ってくる。
右手には、見覚えのある社会のプリントがしっかり握られていた。
「……あ、」
僕のだ。
「ありがとうございます、渡会先生!」
「いえいえ!」
雲雀先生は笑顔でプリントを差し出す。
「職員室で見つけて、『これ絶対風楽先生のだ!』って思ったんで持ってきました!」
「助かりました!」
「困ったときは俺を頼ってください!」
「ありがとうございます」
そう言ってプリントを受け取ると、教室中から小さな歓声が上がる。
「渡会先生、優しー!」
「え、風楽先生のこと探して来たの?」
「仲良しじゃん!」
「もしかして教育係?」
「そうそう!」
雲雀先生は悪びれる様子もなく頷いた。
「風楽先生、まだ赴任したばっかりだからな!」
「だから、俺がちゃんとサポートしないと!」
その言葉に、生徒たちは「へぇ~!」と納得したように頷く。
……助けてもらったのは事実だし、間違ってはいない。
でも。
「渡会先生、」
「はい?」
「わざわざ持ってきていただいて、ありがとうございました。」
「全然いいっすよ!」
「じゃあ、俺、仕事戻るんで!」
そう言って教室を出ようとした雲雀先生だったが――
「渡会先生!」
女子生徒が手を挙げた。
「風楽先生って彼女いるんですか?」
「ぶっ――!?」
雲雀先生は思い切りむせた。
「えっ!? な、なんで俺に聞くの!?」
「知ってそうだから!」
「いやいやいや!」
顔を真っ赤にして全力で手を振る雲雀先生。
「し、知らないって!俺も知らない!」
そんなに慌てること?
不思議そうに雲雀先生を見る僕をよそに、教室は大爆笑。
「怪しい!」
「絶対何か知ってる!」
「風楽先生も照れてるー!」
「照れてません。」
きっぱり否定したものの、笑い声はしばらく収まりそうになかった。
「渡会先生って風楽先生のこと好きなんですかー?」
「……は、」
教室が一瞬静まり返る。
「ぶっ!?」
雲雀先生が盛大に吹き出した。
「な、何言ってるんだよ!?」
「だってめっちゃ優しいじゃん!」
「プリント届けに来るとか!」
「いつも風楽先生のとこいるし!」
「それは、その……!」
雲雀先生は視線を泳がせる。
「教育係だから!」
「えー?」
「本当だって!」
「怪しいー!」
「怪しくない!」
顔を真っ赤にして否定する雲雀先生。
……何であんなに慌ててるんだろう。
「渡会先生。」
「は、はい!」
「授業、始まりますよ。」
「あ。」
「戻らないと。」
「そ、そうだった!」
雲雀先生は慌てて教室を飛び出していく。
その背中を見送りながら、生徒たちは笑いを堪えていた。
「はい。」
僕は軽く手を叩く。
「おしゃべりはここまでです。」
「えー。」
「授業を始めます。」
「起立。」
「礼。」
「お願いします。」
「よろしくお願いします。」
教室が静かになる。
……よかった。
やっと授業が始められる。
……そう思った矢先。
「先生。」
「はい?」
「結局彼女いるんですか?」
まだ引っ張るの!?
────────
「はぁ……。」
職員室へ戻るなり、思わずため息が漏れた。
疲れた……。
授業中も「彼女いるんですか?」だの、「好きなタイプは?」だの。
結局、予定していたところまで授業は進まなかった。
二組、元気すぎるでしょ……。
このままだと、期末前にペース配分を考え直さないとな。
「どうかしたんですか?」
不意に声をかけられ、顔を上げる。
そこには、心配そうな表情のセラフ先生が立っていた。というかいつの間に隣に立っていたんだ…?この人
「あ……。」
「ため息が聞こえたので。」
「聞こえていましたか。」
「ええ。」
セラフ先生は穏やかに微笑む。
「風楽先生がため息をつくなんて、珍しいですね。」
「少し疲れてしまいまして。」
苦笑しながら答えると、セラフ先生は「そうですか」と小さく頷いた。
「二年二組ですか?」
「はい。」
「今日は副担任として入られたんですよね。」
「ええ。思った以上に質問攻めで……。」
「ふふ。」
セラフ先生は思わず笑みをこぼす。
「人気者ですね。」
「そうでしょうか。」
いや、面白がられてるだけだと思うけど。
「よかったら。」
セラフ先生が僕の椅子の後ろへ回る。
「少し肩をほぐしましょうか?」
「いえ、そこまでしていただかなくても……。」
「五分だけです。」
「でも……。」
「肩、かなり張っていますよ。」
そう言われて、自分の肩に触れてみる。
……確かに、ちょっと固いかも。
「それに。」
「少しでも楽になった方が、午後の授業も頑張れますから。」
優しくそう言われると、断る理由が見つからなかった。
「……では、お言葉に甘えてもよろしいですか?」
「もちろんです。」
セラフ先生は嬉しそうに笑う。
「失礼しますね。」
肩にそっと手が添えられる。
「少し力を入れます。」
「はい。」
ゆっくりと肩がほぐされていく。
「……。」
うわ。
思ったより気持ちいい。
「力加減は大丈夫ですか?」
「ちょうどいいです。」
「それならよかったです。」
静かな職員室。
窓から入る春風が心地よく吹き抜ける。
「……少し、楽になった気がします。」
「本当ですか?」
「はい。ありがとうございます。」
「お役に立ててよかったです。」
セラフ先生が安心したように微笑んだ――その瞬間。
「……。」
職員室の入口で、ぴたりと動きを止める二つの影。
「……。」
「……。」
雲雀先生とアキラ先生だった。
「え?」
二人は僕とセラフ先生を交互に見つめる。
そして。
「……セラフ。」
アキラ先生が静かに口を開く。
「抜け駆けですか。」
「違うよ」
セラフ先生は慌てることなく答える。
「風楽先生がお疲れのようでしたので、少し肩をほぐしていただけです。」
「俺だってできます!」
雲雀先生が勢いよく近づいてくる。
「風楽先生!次は俺がやります!」
「え?」
何でそうなるの。
「肩だけじゃなくて背中もいけます!」
「渡会先生。」
「はい!」
「大丈夫です。」
「……ですよねぇ。」
しょんぼりと肩を落とす雲雀先生を見て、アキラ先生は小さくため息をついた。
「予想どおりの反応ですね。」
職員室の隅では、またベテラン教師たちが顔を見合わせる。
「今日はセラフ先生が一歩リードか。」
「いや、風楽先生は何も気づいてないぞ。」
「それが一番面白い。」
当の本人だけが事情を知らないまま、時間だけがすぎていくのであった。
「では、俺はこれで。」
セラフ先生はそう言って、僕の肩からそっと手を離した。
「ありがとうございました。」
肩を軽く回してみる。
「あ、本当に軽くなりました。」
「それはよかったです。」
セラフ先生は満足そうに微笑む。
その様子を見ていた雲雀先生は、頬を膨らませた。
「いいなぁ……。」
「……渡会先生?」
「俺も風楽先生の役に立ちたいのに。」
「十分助けていただいてますよ。」
「本当ですか!?」
ぱっと表情が明るくなる。
……分かりやすいな、この人。
「今日だってプリントを届けてくださいましたし。」
「あれくらい全然!」
「とても助かりました。」
「へへ……。」
頭を掻きながら照れる雲雀先生。
「今日はいい日だ……。」
ぼそっと呟いた声が、静かな職員室によく響いた。
「単純ですね。」
アキラ先生が呆れたように眼鏡を押し上げる。
「何だよ!!」
「風楽先生に『助かりました』と言われただけで、その反応ですか。」
「うるさい!!」
「否定はしないんですね。」
「しない!」
「威張ることではありません。」
二人のやり取りを見て、セラフ先生がくすっと笑う。
「二人とも、本当に仲がいいね。」
「仲良くない!」
「仲良くありません。」
見事に声が重なる。
「息はぴったりですけど。」
「「……。」」
今度は二人が同時に黙り込んだ。
本当に仲いいな、この二人。
大学時代から一緒だと聞いていたけれど、その言葉どおりらしい。
「そういえば。」
僕はふと思い出したことを口にする。
「皆さん、大学時代もこんな感じだったんですか?」
三人は一瞬だけ顔を見合わせた。
「まあ……。」
「だいたい。」
「こんな感じでしたね。」
「へぇ。」
「渡会先生は講義に遅刻しかけて。」
「それを私が起こして。」
「セラフが朝ご飯を持ってきてくれる。」
「……。」
「完璧な連携ですね。」
「いやぁ。」
雲雀先生は照れくさそうに笑う。
「俺、一人じゃ卒業できなかったかもしれません。」
「かもしれない、ではありません。」
アキラ先生が即座に訂正する。
「私たちがいなければ留年していました。」
「そこまで言う!?」
「事実だね。」
「セラフ!」
「俺も否定はできないや。」
「セラフまでぇ!?」
職員室に笑い声が広がる。
僕も思わず吹き出してしまった。
「ふふっ。」
「……!」
その笑顔を見た三人が、一斉に固まる。
「どうかしましたか?」
「い、いえ!」
雲雀先生は慌てて顔を逸らし、
「珍しく笑われたので。」
アキラ先生は咳払いを一つ。
「素敵な笑顔でした。」
セラフ先生だけが、穏やかにそう言った。
……今日はみんな、変だな。
首を傾げる僕とは対照的に。
三人はそれぞれ胸の内で、同じことを思っていた。
――やっぱり、笑った顔が一番好きだ。
終わりかた変ですみません🙇♀️
自己満で書いたやつなんで文章がおかしいです。
続きを書くかもしれないし書かないかもしれません✍️
続きを見たいという意見が多数あれば前向きに検討させていただきます!!