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🐙🌟×💡。R15くらいのガチほのぼのBL。短め。
inm視点
窓の外で星が瞬く夜、ベッドの上で寝返りを打ち、ため息をついた。時計は深夜1時を指していた。目を閉じても、頭の中をぐるぐると巡る考えが眠りを遠ざける。
「ライ、まだ起きてる?」
ドアがそっと開き、低く優しい声が響いた。星導だった。薄暗い部屋に月明かりが差し込む中、彼はベッドのそばに腰を下ろした。身を起こし、星導の顔を見上げると、月光に照らされた星導の顔はいつもより柔らかく、どこか甘い雰囲気だった。
「…うん、なんか寝付けなくて」
任務のプレッシャー。これからのオレの立場。西にとってのメカニックは、思っていた以上に厳しい環境だった。
「頭が忙しくてさ」
星導は小さく笑い、オレの髪をそっと撫でた。
「ふーん。どんな忙しさ? 俺に話してみてよ」
少し迷ったが、星導の穏やかな声に安心感を覚えた。
「なんか…最近、色々考えすぎちゃって。将来のこととか、仕事のこととか…それに、星導とこうやって一緒にいられる時間が、いつかなくなっちゃうんじゃないかって」
星導の手がオレの頬を親指で優しく撫でた。
「そんなこと考える必要ないよ。俺、どこにも行かないから」
その言葉に、胸がじんわり温かくなった。星導の声には、どんな不安も星空に溶かすような力があった。
「ホントに?約束?」
「約束」
星導は真剣な目でオレを見つめた。ちゅ、と、急なキスを落とされる。
「ほら、証拠」
「…ずる、星導。反則」
「反則?じゃあもっと反則してあげる」
「うあっ」
にやりと笑いオレをベッドに押し倒した星導は、笑いながらオレの首筋に顔を埋め、軽く唇を這わせた。
「や、くすぐったいって!」
笑いながら星導の胸を押したが、力は入っていなかった。星導の温もりが、心を解かしていく感じで。
「星導、好き」
「なに、今日甘々じゃん」
「悪い?」
「別に」
この時間が好きで堪らなくて、安心している自分もいるのだが。
しばらく抱き合った後、星導がふと思いついたように言った。
「ねえ、ライ。せっかくの夜だし、ベランダ出てみない? 星、めっちゃ綺麗だよ」
「え、今?」
驚いたが、星導の楽しそうな顔に断れなかった。
「…うん、いいよ」
hsrb視点
二人でベッドから抜け出し、薄手のブランケットを肩にかけベランダに出た。ドアを開けた瞬間、想像以上に冷たい夜風が頬を刺す。
「うわ、寒」
ライは小さく震え、俺の腕にきゅっとしがみついた。くすっと笑い、ライを胸に引き寄せる。
「そんなに?」
「だってさっきまで布団の中に居たし…」
「甘えたい言い訳じゃないよね?」
「そんな訳ないでしょ」
ライは少し拗ねたように呟き、俺の胸に顔を埋めた。互いの体温がブランケット越しに伝わっている感じがする。ライの腰に両腕を回し、背中をそっと撫でながら抱きしめた。
「まだ寒い?」
こくりと頷くライ。腕を掴む強さが強くなっている気がする。
「そっかあ」
ライの耳元に唇を寄せ、ゆっくりとキスを落とした。冷たい夜風の中、耳たぶを辿り、首筋に熱いキスを重ねると、ライから甘い吐息が漏れた。
「んっ…」
「あったまった?」
「心臓止まるって…」
「言い過ぎじゃない?そんな寒くないよ」
「そういう意味じゃないから。星導の行動に文句言ってんの」
「えぇ?」
「この鈍感野郎が」
そのセリフ、そっくりそのままお返ししたいんだけどな。ライの額を自分の額にくっつけ、鼻先をこすり合わせた。あは、とくすぐったそうに笑うライ。星空よりも深く輝く瞳に引き込まれそうになる。ライは俺の首に腕を回し、きゅっと抱きついた。
「星導…大好き」
「俺も、ライ。死ぬほど大好き」
「死んだことないくせに」
「失礼な」
「事実でしょ。何百億年生きてんの」
「じゃあ、俺の生き甲斐?とかにしとく」
「…」
「言い返せなくなってやんの」
「…うるさい」
ベランダの手すりに寄りかかり、星を見ながら寄り添った。ライの指を絡め、手を握ったり、肩に顔を寄せたりする。ライの不安が、俺のそばで完全に消えていくまでは。
やがて、ライの瞼が重くなり、俺の肩に頭を預けたままうとうとし始めた。そっとライを抱き上げ、部屋に戻ってベッドに寝かせた。ライを布団にくるみ、隣で横になる。
「星導…まだ起きてて?」
ライは眠たげな声で、俺のシャツをぎゅっと握った。お返しにライの額にキスをし、髪を撫でる。
「もちろん。ライが寝るまで、ずっとそばにいる」
ライは柔らかく微笑んだ。
「星導の手…あったかくて、好き…」
ライは手を握り、指を絡めた。
「一生握ってくれても良いよ?」
「寝れなくなっちゃうでしょ」
「だめかあ」
星空のわずかな明かりが彼を照らす。その顔の愛おしさは何者にも変え難い。
「星導…もっと、近くにいて」
ライをぎゅっと抱きしめる。数秒経つと、彼は安定した寝息を立てていた。