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第15話 形而上学
「えっと……が、概念?」
その言葉にウフツはコクンと頷く。
「……はい。例えば──今使っている言葉とかですかね?」
──言葉だなんて……その発想はなかった。ウフツの発想力には驚かされるばかりだ。
概念すらも作れるだなんて……───ん?じゃあ……
「なんで言葉を喋れてる?」
ウフツは私がポツリと呟いたその言葉に興奮気味に返す。
「そうだ!そうだよ!そもそも概念という存在があることがおかしいんだ!
言葉を生み出すためにノートにその言葉を書くのは矛盾をしている……!」
ウフツは早口でそんなことを言ったので、口が疲れてしまったのだろうか。息切れをしている。
「はぁはぁ……ど、どうやって言葉を……」
疑問に包まれた空気を切り裂くように、小鳥がチュンチュンと鳴いている。
小鳥の声を聞いた私はあまりにもむちゃくちゃで現実味がない、しかしどこか腑に落ちる……そんな仮説を思いついた。
それを私は口に出す。
「真似が、言葉を生んだんじゃ…」
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