「あらあら。憂太の癖に
妾の姫に近づくとは良い度胸じゃのう。」
…やっぱり来たか
憂「あははっ。
僕にはイヴを守る責務がありますからね」
憂くん。目笑ってないよ
「人間風情が、妾に反論するのか」
憂「棗ちゃんの事知らないのに
よくそんな口叩けますね。
尊敬します。違う意味で。」
「あ”??今ここで貴様を
八つ裂きにしても良いのだぞ??」
憂「出来るものならどうぞ」
『ご飯不味くなるんで喧嘩しないで』
『月読命はピキらない。
憂くんも煽らないで。』
月「チッ…つまらんのう…」
憂「ごめんね…」
『なんで仲良く出来ないの…』
月「此奴の仲良くするなんて死んでも嫌じゃ」
憂「僕も貴方と仲良くするのは御免ですね」
月「なんじゃと??」
『それ以上やるなら外でやって。』
もう一周回って仲良しに見えてきた
月「何故姫は
此奴なんかと仲良くするのだ??」
『幼い時、手を差し伸べてくれたから
誰もが見て見ぬふりしてる中で
里香ちゃんと憂くんは私を助けてくれた』
月「ふむ、姫が仲良くしたいと思うなら
妾は止めん。
だが、万が一姫を泣かせたりでもしたら
嬲り殺してやる。」
憂「任せてください。
貴方の様にはなりませんよ。」
月「やっぱり此奴今嬲り殺す…!!!」
『止まって!!』
怖いって本当に
もー…
月は短気なのか心配性なのか分からないよ
月「誰か来るな。妾は行くぞ。」
『ありがとね。』
月「あと姫、__________」
『…ホントだ。ありがと』
月「姫が姫である限り、
妾はついて行くと約束したからな」
そう言って消えた
悟「なんか凄い呪力があったんだけど
なんか知ってる??」
『あー確かにありましたね。』
憂「僕達は里香ちゃんとご飯食べてたので
追うの忘れてました」
悟「何やってんのー」
『早く戻ってください。
お兄ちゃん待ってるんで。』
悟「憂太〜イヴ辛辣じゃないー?」
憂「先生が変なことするからでしょ」
『偽造されてるの草』
悟「イヴ〜このナイスルックガイを
大事にしてよ」
『チッ』(うっざ)
呪言を使って強制的に戻した。
憂「しつこいねぇ。先生も」
『…憂太』
ふわっと憂くんの目尻をなぞる
憂「ど、したの…?///」
『寝てないでしょ。隈凄いよ。』
憂「…あはは、イヴにはお見通しか」
『さっき月が教えてくれた。』
『私さ、寮の場所とか、
よく分からないから案内して欲しい』
憂くんはふわっと表情が明るくなり
周りに花が浮かぶ
憂「僕に任せて!!」
手を繋いで走り出した
憂「行こっ!!」
(…久々に、笑った顔みた)
ねぇ憂くん。私はちゃんと笑えてるかな
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その後寮を回って紹介してくれた
いつの間にか周りは真っ暗。
憂「大丈夫?1人で帰れる??」
『大丈夫だよ〜』
と、言ったものの…
しーん…
『こっわ…』
送って貰えばよかったと後悔する
はぁ…
憂「棗ちゃん…!!!」
後ろから聞きなれた声がして振り返る
『憂くん!!』
外見から察するに、汗だくだ。
沢山探し回ってくれたのだろう
『どうしたの?』
憂「棗ちゃん、怖いの苦手なの忘れてて…
里香ちゃんが教えてくれて…」
里香ちゃんに感謝だ。
憂「僕が来たからもう大丈夫だよ!」
今だけは正直に
『こわ、かったよぉ…』
憂「うぇ…!?ご、ごめんね、!!」
私が抱きしめて泣き出した事に
自分のせいでは無いかと思い出す憂くん
『誰も居ないと、
嫌なこと、思い出しちゃって…』
憂「…ぎゅ」
無言で抱きしめる憂くん。
何も聞いてこないところ、
誤って、好きになりそうになる。
ダメだよ。
私と一緒に居たら、不幸になる。
『…』
憂「あ、そう言えば明日ね
鬼ごっこするらしいよ」
『えぇー。ダル』
憂「ちなみに鬼は五条先生ね」
『もっとダルい…』
憂「僕と一緒に逃げる?」
『いいの?』
憂「うんっ
僕がイヴと一緒に居たいだけだから!」
『憂くんだいすき!!!』
憂「わっ危ないよ〜」
いきなりとはいえ、
ちゃんと抱きとめてくれる憂くん
…憂くん。
君は本当のことを知っても
私の傍に居てくれるかな
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『疲れたぁ…』
月「久しぶりに外に出たのう」
『どう??気分は』
月「姫が傍に居るから最高潮じゃ」
ぎゅーっと抱きしめてくる
『月は子供体温だねぇ』
月「当たり前じゃ。神だからな」
『…』
月「…その口の呪印、いつになったら
消えるのじゃ?」
『これ?』
『これは消えないよ。
あの人達に付けられた”焼印”だから』
『私の本当の呪印は、こっち。』
月「ほう…よく出来てるのう」
『そりゃ呪印だからね』
月「もう寝たらどうじゃ?今まで
姫の糞両親のせいで眠れなかったじゃろ?」
『うん。そうする』
『…』
月「どうした?なんかあったか??」
『その、』
ずっと一緒にいて、なんて
我儘に決まってる
月「大丈夫。妾はずっと傍にいる」
撫でてくれる月の手は暖かった
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『…あ』
気がついたら校舎にいた。
高専ではない、中学の頃の校舎。
(…また、この夢)
今まで何回見ただろう
嫌だな。この夢を見る度に_____
「気持ち悪いわね。」
「家が凄いんだか何だか知らないけど
調子に乗らないで欲しい。」
気持ち悪いなぁ。
自己肯定が高い奴ら。
関係ないのに巻き込む奴ら。
自分勝手な奴ら。
本当、反吐が出る。
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い
ああ…ダメだ。
あ、また。
目の前は血の海。
私が呪言を使ってしまったから
『ごめん、なさい』
わざとじゃないの。
「わざとだろ。」
声がした。懐かしい声。
後ろにはお兄ちゃんがいて
「必要ないから消したんだろ」
『違う…お兄ちゃんっ…』
「黙れ。」
『お兄ちゃん、』
「お前なんて、」
『いやだ、言わないで、』
「お前なんて、妹じゃない」
『ごめんな、さい…』
嘘でも、幻想でも、言わないで
心が叫んでる。
助けて、嫌だって
でも、私は
______見て見ぬふりをする
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月「なつめ!!!」
『…?月、』
月「…魘されてたぞ」
『…心配してくれるの?』
月「当たり前じゃろ。妾の姫なのだから」
『ふふっ、そーゆーとこ好きだよ』
月「…全く、気を抜くとそういうこと言う…」
『だめ?』
月「…もっと甘えろ」
『折れちゃったね』
月「姫には敵わん」
『…私ね、この首と口元の呪印で
辛いこと沢山経験した。』
月「そうか」
『でもね、大好きな人達と出逢えたから』
月「…妾は、その1人に入るのか」
『?当たり前でしょ?』
月「そうか、良かった」
ふわっと笑った月。
可愛いのは、神様だからだよね。
『水、飲んでくるね』
月「もう0時過ぎてるけど1人で大丈夫か?」
『うん』
月「気をつけろよ」
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なーんて言っちゃったけど、
やっぱり1人は怖いなぁ
しかもあんな夢みたばっかだし
『…はぁ、』
ため息ばっかりだなぁ
『お兄ちゃんが言うはずないのに』
言葉の力は偉大だな。
1つで関係が崩れてしまう
『…気持ち悪いな。私』
誰もいない場所で1人つぶやく
声が響いて無くなる
返ってくる言葉は存在しない。
誰もいないから
分かってる。分かってるのに
『寂しい、』
誰にも聞こえない声。
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『…また、夢のなか…?』
夢だとは分かっていた。
でも何かが違う。
さっきいたのは校舎、
でも今は地獄みたいなところ。
「やっと来たか、小娘。」
______聞き覚えのない声がした。
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ー新キャラクタ
月読命(ツクヨミ)
棗に憑いている特級呪霊の1人。
頬の月のマークは”月の神様”である証明。
憂太は知っており、お互い敵対視している。
棗を”姫”と慕っているが、理由は謎である。
基本的警戒心が強く、棗にしか懐かない。
一人称は「妾」
コメント
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これはいままでで一番いいスターリーだ
最 & 高