コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
『二章 花束、また冬が来るまで』
【???】
?「…私、ずっとお姫様に憧れてたんです」
秘「お姫様?」
?「はい、辛いことを乗り越えて王子様と結ばれる…私の一生の憧れです」
秘「へぇ…いいな」
暗くなった部屋の中、ケーキの蝋燭の灯りだけが見える
俺は…誰と話しているんだろうか
?「このコロシアイも残り4人…これからどうなって行くんでしょうか…」
秘「…わからない。ただ…もうコロシアイは起きないはずだ」
?「そうですね…きっと秘田さんが言うならそうなるはずです」
?「ただもしもまたコロシアイが起こったとしても…」
兎「秘田さんだけは、絶対に守って見せます」
【秘田ミライの部屋】
秘「…」
…今のは、夢か…
俺の目の前には昨日と変わらない部屋があった
猪爪が死んだことも、東雲がオシオキされたこともきっと夢ではない
その証拠に東雲から貰ったネクタイピンがキラキラと輝いていた
秘「…」
何もやる気が起きない
【夕方 秘田ミライの部屋】
秘「…」
紅「…貴方、まだ寝ていましたの?」
秘「…紅葉…いつからここに?」
紅「1時間前くらいかしら。音喜多瑞稀に頼まれてこの私が食事を届けに来ましたわ」
秘「そうか…ありがとう」
紅葉の持っている食事プレートには肉やらフルーツやら色々と乗っていて
これはきっと瑞稀が選んだものだと容易に想像できた
紅「…寛大な私が昨日の裁判が終わってからのことをお話ししてあげますわ」
紅「まず、終わった直後にモノクマから新しい動機が発表されましたわ」
秘「…新しい動機?」
紅「えぇ、二日後に猛毒の入った注射器を14人の中からランダムで3人に配るそう」
紅「それを聞いた後、薬師寺時雨はもうコロシアイを止められないと発言して…」
紅「音喜多瑞稀が薬師寺時雨のことをぶん殴りましたわ」
秘「嘘だろ…?」
紅「安心してくださいまし、仲裁に入った飯田橋が代わりにぶん殴られましたわ」
秘「それなら薬師寺がぶん殴られた方が良かったな…」
紅「…少し元気になりましたの?」
秘「…まぁ…」
紅「貴方が今日一日でした行動は東雲光への冒涜に過ぎませんわ」
秘「…」
紅「東雲光は最後に貴方に何を言いましたの?」
秘「…希望を信じて…生き続けてほしい」
紅「そうですわよね?でも今の貴方は東雲光が死んだ絶望しか見ずに生きている」
紅「死んだ東雲光が浮かばれませんわ」
秘「…」
紅「昨日あったことを忘れろとは言いませんわ。」
紅「…ただ、せいぜい 東雲光の遺言を果たしたらどうですの?」
秘「…」
紅「話は以上。ごきげんよう」
そういうと、紅葉は部屋から出て行った
秘「…そう…だよな」
紅葉の言うとおり、絶望ばかり見ているなんてダメだ…
今、俺にできる精一杯をやろう。
俺は服を着替え、食事をして明日へ備えた