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時刻は深夜1時を指している。俺達は二人ベッドに入りながら扉を見つめていた。
コツコツ…
微かに足音が聞こえる…俺はnaの背中に隠れるように布団を頭まで被る。
コツコツ…
足音が近くなりやはりnaの部屋の前で止まる。するとゆっくりと扉が開く。
俺は状況がわからずただnaの背中をギュッと強く握っていた。
?「…これは…」
何かを見つけたのだろうか小声だがそう聞こえる。
?「…緑の目…なんて不吉な物を。 」
…俺の絵?昨日広げたまま置いてしまっていた事を思い出す。思わず顔を出そうとした瞬間……
na「…母さん?何してるの?」
n母「…あら。起きちゃった?なら聞きたいの、これは何?」
na「…友達から貰ったんだ。大切な物なの。」
n母「……大切なものねぇ。わかったわ。でも約束して欲しいの。緑の目の子なんていたら一切関わらないで。」
na「…約束はできない。」
n母「…そう…まぁ、いいわ。おやすみなさい。」
na「…おやすみ。」
naのお母さんが部屋を出て行く。足音が遠くなるのを確認して俺は布団から顔を出す。
sh「ごめん、俺が広げたままにしてたから。」
na「shkは何も謝る事ないよ。謝るなら俺の母さんの方だろ。」
sh「…やっぱり俺…」
na「おかしいよ。緑の目だからって…別に何もないのに。こんなのshkが可哀想だよ。」
sh「na…有難う。もう、寝よ?」
na「うん…。」
今日は二人同じベッドに潜り眠りにつく。隣に人がいるのはすごく安心する。しかし、明日から大丈夫だろうかと俺の不安は募っていくばかりだった。
na「shk一人で大丈夫?」
sh「あぁ。また人目がつかない所にいるから大丈夫だよ。」
na「…わかった。じゃぁ行ってくる。」
sh「うん。」
俺はnaと別れる。naの背中を見つめながら押し寄せる不安を胸にゆっくりと歩き出す。自然と昨日と同じ場所に向かう。knの姿は無かったが今は会いたくないので良かった。
sh「はぁ…俺やっぱりあそこにはいない方がいいんじゃないのか?」
その場に座り今後を考える。もし、見つかってしまったら、あの様子じゃ出て行くだけでは済まなさそうだ…。
sh「…naには悪いけど…やっぱり俺はあそこにいるべきじゃないよな。」
俺は立ち上がりnaの部屋に戻ろうとすると後ろから声をかけられる。
kn「shk!おはよう。」
sh「あ、kn。」
振り返るとknが絵の道具を持って立っていた。
kn「どうしたの?元気ない?」
sh「……何でもないよ。」
kn「…そうには見えないけど。話聞くよ?」
sh「……俺…」
この目の事を話してしまうか悩んだ。けど、俺に関われば関わるほどnaと同じように嫌な思いをする…。
sh「…何でもない。ちょっと急いでるから。」
kn「え?shk?」
俺はknを見ずに走り出した。俺を呼ぶ声が聞こえてくるが振り返らずにホテルに向かった。
naの部屋に着き、息を整えるために一休みする。部屋を見渡してnaと過ごした時間を思い出し、自然と涙が溢れてしまう。
sh「泣いちゃダメだ。」
このままここにいたら出て行きたく無くなってしまう。俺はknからもらった絵を手に持ち 部屋を出た。
廊下に出て静かに出入り口に向かっていると、出入り口の扉がゆっくりと開く…
俺はマズイと思いどこか隠れる場所がないかと辺りを見渡す。
na「shk。」
聞き覚えのある声に俺は出入り口の方を見る。そこには学校に行ったはずのnaがいた。
sh「な、なんで!?」
na「嫌な予感がしたんだよ。shkいなくなっちゃうんじゃないかって…。」
俺は何も言えずに黙ってしまう。
na「その絵持ってどうしようとしてたの?」
sh「…これは…」
na「…泣いてたんだね。目も少し赤い。」
sh「違う…これは…」
naが俺を優しく抱きしめる。
na「いなくならないで。」
sh「…っ」
naの言葉に涙が止まらなかった…
俺達は外に出て歩きながら話をした。knのいた場所を教えるとnaもknに会いたいとその場所を目指す事にする。
na「あ!knー!」
kn「na!?」
knは驚いたようにnaを見る。自然とnaの後ろにいた俺とも目が合う。
kn「shk…大丈夫そう?」
sh「さっきはごめん。」
kn「気にしないで。」
na「なぁ、kn!聞いて欲しい事があるんだよ!」
俺達はknの隣に座り先ほど話していた事を話す。
naはいつかホテルのオーナーになって友達を招待する話や、 俺がそのホテルの“シェフ”になる事……そんな夢のような事が本当にあればいいのにと楽しそうに話すnaを見て思う。
でも、もしかしたらnaなら出来るんじゃないかとknが答える。
俺はその言葉が本当になるんじゃないかと、naなら出来てしまう気がして大きく賛同した。