「こんな現実味のない話今までなかった気がするけど……、もしかして馬鹿にしてる?」
「それが今回の依頼です。依頼者は妖怪マニアらしく、どうも自分の足では調べに行けないというので依頼を引き受けました」
「はあ〜ん……」
依頼内容は、近くの森にある洋館を調べてくるというものだった。
あるのかもわからないそれを調べて来いというだけでも迷惑な話なのに、この依頼人はその中にいる「妖怪」を調べてきて欲しいというのだ。
流石にこれは……
面白そう。
「………わかった。今日中?」
「いえ、別に早急ではないとのことです。気が向いたときにでも、などともおっしゃっていました」
「へぇ〜?マニアには変わった人が多いって聞いたことがあるけど……寛大な方もいたもんだねこりゃ……」
「…今から外に出ると通報されかねませんしやめてくださいね」
「わかってるよ。依類なら仕方ないと思っただけだから…流石に自分から出る馬鹿はいないでしょ…w」
執事の彼が眉を下げる。
「……依頼を向けられているのが、うちだけだったのなら良かったのですがね………」
耳の良い青い彼が、ポツリとこぼした彼の言葉に反応する。
「……何?」
「………」
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夜の森に、一人の影ができる。
「妖怪退治やっけ?先生」
「馬鹿w退治したらあかんやろ?今回の内容はあくまでも「調べる」ってだけやから……」
「はぁ〜…つまんな」
「そういえばゾム、昨日ニュースでやってた有名人の情報調べ尽くしてたやんけ」
「でも結局殺した犯人の手がかりは見つけられやんだし…力振るうところ間違えた気分で最っ悪や…」
「まぁ、手応えが無くても頑張ったことに変わりないやろ。自信持てや〜」
「大先生褒め方鈍ったんちゃうか?w」
「…っるせぇよ。最近依頼がバンバン入って来てるせいか、女の子と全っ然イチャイチャ出来てへんねん!」
「まぁ確かに、忙しいのは事実やな〜…w」
腕を後頭部に回し、だらしなく歩く緑色のキャラクターパーカーを着た男。
長い前髪の奥からは、同じ緑色の目が闇夜に分かりやすく光っていた。
「お、大先生。あれちゃうか?」
彼が見る視線の先には…
一般家庭では既に灯りの落ちている時間。
それなのに、白く、ツタに覆われた不気味な洋館は、遠目からでも分かるほど鈍く光っていた。
コメント
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森にある洋館といったら思い浮かぶのはひとつですよ!青鬼ぃ!? てか唐突なんですけど、僕のりしおさんの文章見分けられる自信ありますわ。のりしおさんが復帰したときに久しぶりにのりしおさんの物語読んで 「ワァーー!!のりしおさんの文章だー!のりしおさんだ〜!」って1人でなってた思いあります!なんかのりしおさんたまに独特の言葉遣いがあるんですよね〜
館.....館.............?館...........アオオニ................?????