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#一次創作
つが
転校してきた殺し屋君第3章:復讐の鎮魂歌
第23話:改造人間
最下層の扉が開いた先、そこは学校の地下とは思えないほど広大な、無機質な医療実験場だった。
四方をモニターと生命維持装置に囲まれた中心部。そこに、その「棺」はあった。 透明な強化ガラスの中に横たわるのは、あの日、黒鷹の弾丸に倒れたはずの海沼玲亜。だが、その姿はあまりにも無惨だった。
体中に管が刺さり、肌は透けるほどに白く、機械仕掛けの心臓が不気味なリズムで拍動を刻んでいる。
「……遅かったな、黒咲」
棺の傍らに立つのは、ライフルを手にし、冷徹な殺気を纏った黒鷹勇(黒岩)。彼は、愛おしそうに棺のガラスに手を触れた。
「今の玲亜は、組織の最新システム『マザー・コア』と直結している。彼女の脳波が、この施設の防衛システムそのものだ。……つまり、俺を撃てば、彼女の心臓も止まるように設定してある」
「……貴様、どこまで外道になれば気が済むんだ!!」 黒蜜が激昂し、強化外骨格の拳を叩きつけるが、黒鷹の周囲に展開された電磁障壁に阻まれる。
「外道? 違うな。俺は彼女を『永遠』にしたんだ。浪岡のように呆気なく死なせないために、誰にも壊せないシステムの一部にした。……さあ、始めようか。俺を殺せないお前たちが、どうやって俺を止めるのか、見ものだな」
黒鷹がライフルを構える。だが、彼が狙ったのは黒咲たちではない。 「システム起動。――玲亜、迎撃しろ」
その言葉と共に、棺の中の玲亜の目がカッと見開かれた。しかし、そこには意志も光もない。 施設内に設置された無数の自動機銃と、天井から降りてきたレーザーカッターが、玲亜の脳波に連動して黒咲たちを襲う。
「くっ……玲亜の脳波が、俺たちの動きを先読みしてるのか!?」 藤堂が紅い刀でレーザーを弾くが、あまりの数に防戦一方となる。 「玲亜……! 頼む、目を開けてくれ!」 浩一の叫びも、機械の駆動音にかき消される。
黒鷹は安全圏から、嘲笑うように弾丸を放つ。 「無駄だ。彼女はお前たちの『優しさ』をエネルギーにして、より正確に殺戮を行う。彼女を救いたければ、彼女を殺すしかないんだよ、黒咲!!」
絶体絶命の矛盾。 愛する者を救うために、愛する者が制御する兵器を破壊しなければならない。 黒蜜が盾になり、藤堂が道を切り拓くが、その先に待つのは、愛する少女の死という結末。
浩一は、氷河から託された小刀を握りしめた。 (……私と同じ過ちを繰り返すな……) 氷河の言葉が脳裏をよぎる。
浩一は、防衛システムの弾幕の中を、あえて真っ直ぐに棺へと突き進んだ。
「死ぬ気か、黒咲!」 「……いや、玲亜を、本当の『自由』にする!」
浩一の瞳に、黒い絶望を飲み込んだ「純粋な意志」が宿る。 彼の手にあるのは武器ではない。彼女の心の深層に潜り込み、封印された「人格」を呼び戻すための鍵。
第3章、クライマックス。 愛と憎しみの果てに、浩一が選ぶ「答え」が、今、放たれようとしていた。
(つづく)
コメント
1件
うわ、これはまた重くて熱い展開ですね…。玲亜がシステムの一部にされてしまった、という設定がもう残酷で。でも「彼女を救いたければ♡♡♡しかない」という矛盾を、浩一がどう乗り越えるのか、すごく気になります。氷河の言葉が伏線として効いてるのも良いですね。次回、どう決着をつけるのか楽しみです!