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教室リーグ~底辺モブ生徒が分析スカウターで超名門校の序列をぶっつぶす~
第33話 - 第33話 学年8位への大躍進!神の予想問題集で女王の騎士たちを完全掌握する「序列破壊」のカタルシス
20
2,938文字
2026年05月10日
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れいとうみかん
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33-1◆静かなる戦場、そして役者たちの舞踏◆
中間試験という名の、静かなる戦争が始まった。
中間試験の初日。
一限目の現代文。
教室は、水を打ったように静まり返っていた。
聞こえるのは、ペンが紙の上を滑る音だけ。
その音すらも、この静寂の中では一つのノイズだ。
俺は自分の席教室のど真ん中で、静かに問題を解き進めていた。
俺自身も、またあの「完璧な予想問題集」で昨夜、徹夜で勉強してきたのだ。
解けない問題はない。
俺のペンは、一切の迷いなく解答用紙の上を滑っていく。
その時、俺はふと、背後に座る男の存在を意識した。
天宮蓮司。
(こいつの答案を、スキャンできれば満点は確実だ。だが)
俺はすぐにその馬鹿げた考えを打ち消した。
天宮の席は、俺の斜め後ろ。
この静寂の中、振り返れば不自然すぎる。
試験中に背後を見るのは、怪しい。
(それに無意味だ。俺には、完璧な予想問題集がある)
二日目の数学と歴史。
そして、最終日の英語と物理。
三日間に渡るその戦場で、俺はただ静かにペンを走らせ続けた。
俺の頭の中にある「完璧な予想問題集」。
その答えを、ただ解答用紙へと書き写していく。
それはもはや試験ではない。
ただの「作業」だ。
そして、最終日の最後の試験が、終了するチャイムが鳴り響く。
解放感と疲労感に満ちた教室。
生徒たちが、それぞれの答え合わせを始める。
俺はその喧騒の中で、静かに俺の柴田、斎藤、結城たちへとカーストスカウターの焦点を合わせた。
【柴田隼人:感情、驚異的な自信、そして俺への感謝】
【斎藤律:感情、冷徹な確信、そして俺への興味】
【結城莉奈:感情、安堵、そして俺への信頼】
(いい顔をしている)
彼らは今頃、俺が与えた「未来」をその手で書き写したことへの手応えを感じていることだろう。
そのことに気づいているのは、この教室で俺一人だけだ。
脳内のウィンドウを開く。
ミラー:「どうだった?お前の脚本の第一幕は」
奏:「完璧だ。役者たちは脚本通りに踊ってくれた」
ミラー:「だろうな。で?結果が分かるのは一週間後か。待ち遠しいな。柴田、斎藤、結城からお前への評価が爆上げするはずだ」
奏:「ああ。その日こそが、本当のショーの始まりだ」
そして1週間後、いよいよ中間試験の結果発表当日が来た。
33-2◆栄光のリスト、そして脚本家の収穫◆
それから一週間後。
今日はいよいよ、中間試験の結果発表の日だ。
朝のホームルームが、始まる前から教室は落ち着かない空気に包まれていた。
俺は、自分の席で静かに本を読んでいたが、その意識は常に教室全体へと向けられている。
Elysion周辺では、柴田が欠伸をしながら、隣の斎藤に話しかけていた。
「あーあ。天宮は、今日も休みかよ。つまんねえの」
「財団の用事があるとか。詳しくは知らないが・・・」
斎藤はスマホの画面から、目を離さずに答える。
その会話を聞きながら、俺は静かに思う。
(なるほどな。今日の、この祝祭に王は不在か。まあTOPは不動だからな。見る必要もないか)
昼休みを告げるチャイムが鳴った瞬間。
教室から、生徒たちが弾丸のように飛び出していく。
彼らが向かうのは、学食ではない。
本館一階の掲示ホールだ。
そこに、学年上位30名だけを記した栄光のリストが、貼り出されるのだ。
1クラス42名×8クラス=1学年合計336名
そのうちのたった30名だけの栄誉である。
掲示板の前は、すでに黒山の人だかりができていた。
300人以上の生徒たちの熱気と喧騒が渦巻いている。
自分の名前を探す者。
友人の名前を見つけて、歓声を上げる者。
そしてリストに自分の名前がないことを悟り、静かに立ち去る者。
1位 天宮蓮司
2位 久条亜里沙
・
・
8位 音無奏
「あった!1位はやっぱ天宮様だ!」
「当たり前だろ。あそこは、もう天宮様専用の指定席なんだよ」
「うわ点数エグすぎ!俺たちの倍あるじゃん」
モブ生徒たちが、神の御業を崇めるように騒いでいる。
俺は、その人混みの少し後ろから、壁にもたれかかり、その全てを観測していた。
俺の視線は、その中心にいる三人の役者たちを捉える。
柴田隼人、斎藤律、そして結城莉奈。
彼らは緊張した面持ちで、リストを食い入るように見つめている。
18位 斎藤律
・
・
24位 結城莉奈
・
・
29位 柴田隼人
やがて、柴田が叫んだ。
「よっしゃあ!俺の名前あるじゃん!29位!」
彼はガッツポーズを作る。
その隣で、斎藤が冷静にふりをしながらも、安堵のため息を漏らすのを、俺は見逃さなかった。
結城は、自分の名前を見つけると、そっと胸に手を当てていた。
そして彼らの視線が、人混みの中から、俺を探し出す。
その三対の瞳。
そこに宿る新しい感情を俺は観測した。
ミラーが脳内に話しかけてくる。
ミラー:「おい奏。お前の株が、また上がったようだな。どれくらい上がったか見てみるか?」
奏:「どういう意味だ?」
ミラー:「お前がレベルアップしたからな。システムの追加機能だ。試してみろ」
俺はミラーに言われるがまま柴田にスカウターの焦点を合わせる。
すると、彼のステータス画面に新しいタブが出現した。
【エンゲージメント・アナリシス】
俺がそのタブに意識を集中すると詳細なデータが表示された。
【Target: 柴田 隼人】
【対あなたへの評価:85 / 100】
【評価履歴】
・夏休み前:1(知らん)
・文化祭会議:5(なんか面白いこと言う奴)
・長峯救出:35(やるじゃん)
・轟木一派との接触後:45(こいつ何者だ?)
・予想問題集入手後:71(マジで神かよ)
・現在:85(一生ついていきます!アニキ!)
(参考:対天宮評価:測定不能 / 対久条評価:99)
(なんだこれは)
俺は驚愕する。
相手の感情・評価の「履歴」だと?
俺は続けて斎藤と結城もスキャンした。
彼らの評価もまた同じように詳細な経緯と共に表示される。
【Target: 斎藤 律】
【対あなたへの評価:83 / 100】
【評価履歴】
・夏休み前:0(存在を認識せず)
・文化祭会議:10(面白いデータソース)
・長峯救出:40(合理的な行動だ)
・轟木一派との接触後:56(未知の変数)
・予想問題集入手後:68(最高の投資対象)
・現在:83(この男のアルゴリズムが欲しい)
(参考:対天宮評価:100 / 対久条評価:98)
【Target: 結城 莉奈】
【対あなたへの評価:81 / 100】
【評価履歴】
・夏休み前:0(その他大勢)
・文化祭会議:-20(何様のつもり?)
・長峯救出:10(少し見直した)
・轟木一派との接触後:42(得体が知れない)
・予想問題集入手後:72(救世主?)
・現在:81(この人になら)
(参考:対天宮評価:100 / 対久条評価:測定不能)
ミラー:「面白いだろ?相手のお前に対する評価の『なぜ』が分かる。そして過去の評価も引き出せる。これがお前の新しい眼だ」
ミラーの言う通りだ。
これは面白い。そして恐ろしい力だ。
俺はもう一度 中間試験の結果発表をチェックする。
俺は自分の名前が、8位にあることを確認すると、静かにその場を離れた。
(俺も8位。上出来だ)
彼らの感謝も尊敬も、どうでもいい。
俺が手に入れたのは、もっと確実なものだ。
女王の王国に仕える三人の騎士。
その魂に打ち込んだ「貸し」という名の楔。
それさえあれば、十分だった。