前回の続きです。今回は助かるルートです。
________________________グルッペン視点
1週間後、俺はゾムの病室へ来ていた。確かぺ神の話によると今日から治療開始だった気がする。きっとゾムは不安でいっぱいなはずだから、俺達が元気付けてあげようと言うみんなの提案でゾムに花束をプレゼントすることになった。花はひとらんの所で作った花で、ゾムもよく手伝いをしていた花壇から作った。
コンコンコン
グル)ゾム?入るゾ!
ゾム)あ、グルッペン〜‼︎どしたん?なんか用事でもあった?
グル)あぁこれを渡しに来たんだ。みんなでゾムを思って作った花束だゾ!
そう言って俺は手に隠し持っていた花束を渡した。
ゾム)…‼︎こ、これ俺が育ててたか、花壇のやつ‼︎
グル)あぁそうだゾ!ひとらんが作ってくれたんだ。
ゾム)そうなんや!…ありがとうなみんな‼︎
そう言っていたゾムの笑顔はどこか儚く、今すぐにでも消えてしまいそうな感じがした。
グル)…ゾム、死ぬなよ。総統命令だゾ‼︎
ゾム)ふふっハイル・グルッペン!
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あの日を最後に俺達はゾムの顔さえ見ていない。だが、ゾムが死なないように願いながら毎日を過ごしている。そんなある日突然ぺ神から連絡が入った。
『みんな今すぐ、医務室に来て』簡潔な内容だがどこか意思のこもった言葉だった。
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ガラガラガラ
ぺ神)うん、みんな集まったね。
トン)ぺ神?いきなり集めてどしたんや?
ぺ神)実はゾムが…
コネ)まさかっ!!!!!!!
シャ)おい‼︎嘘やろ???
ぺ神)2人とも落ち着いて、ゾムは死んでなんかないよ。だけどね、今昏睡状態なんだ。だからいつ起きるかわからない状態なんだ。
鬱)ゾムさん…
グル)…俺達はゾムが起きるのを待ち続けるだけだ。あいつは人一倍寂しがりやだからな…起きた時に誰かそばに居たら寂しくないだろ?
トン)そうやね。みんなも空いてる時間があったら極力ゾムのそばにいてやろうな。
コネ)当たり前やろ!!あいつが嫌がってもいてやるわ!!!!!!!
ロボ)俺もあいつと早よメシ食いたいし、起きて1番にメシの匂い嗅がしたるわ!
ぺ神)食べさせちゃダメだからね〜
ロボ)俺もそこまで鬼畜やないわ!
シャ)えぇ?ほんとですかぁ?お前心無いんやしそんくらいしそうやで?
ロボ)誰が心無いや‼︎俺にも心くらいあるわ‼︎
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ゾムが昏睡してから数ヶ月。未だに起きる気配のないあいつを残して時間だけが進んでいく。
グル)…ゾム、近々お前の好きな戦争が始まるんだ。お前が前線にいないなんて初めてだゾ。みんなもどこか空元気で簡単な戦争なのに負けそうで怖いんだゾ…だから早く起きてくれ…お前がいないとダメなんだ。…じゃあ俺はトン氏に怒られないうちに帰って仕事するゾ…また後で。
俺は早めに扉を閉めた。
春の暖かい風が吹いて開いた窓から部屋へと流れ込んでいく。それと同時に閉ざされていた新緑の瞳が開かれた。
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ぺ神)ゾム…?起きたの?
ゾム)…っ…あ”…
ぺ神)無理に喋らない方がいいよ。みんなに知らせるね?
そう言えばゾムは静かに首を振った。どうやらしらされたくないらしい。
ぺ神)わかったから、まずは水のも?
ゾム)…ありがと。それよりぺ神、みんなには言ったらあかんよ。
ぺ神)どうして?みんな待ってたんだよ?
ゾム)みんな忙しいやろ?俺なんかのために仕事放棄したらやばいやろ。
ぺ神)そんな事ないよ。
ゾム)でも、実際忙しいやろ?
ぺ神)っそれはそうだけど…
ゾム)じゃあなんで忙しいん?
ぺ神)いや、知らんかったんかよ…はあ、1週間後に戦争をするらしいの。みんなゾムが居ないから前線が寂しいーとか言ってたよ。
ゾム)ふーん?…俺その戦争参加できへんかな。
ぺ神)はぁ?馬鹿なの?
ゾム)いやだって…俺抜きでそんな楽しい事やられても…
ぺ神)絶対ダメだからね!何があっても、ダメだよ!
ゾム)うぅ…お願いぺ神…?
ぺ神)…ゔーまぁいいよ…多分ゾムだから抜け出してでもやるでしょ?
ゾム)うん!
ぺ神)そんな元気に返事されても…まぁとにかくみんなにバレないようにリハビリしよっか…
ゾム)やったー!
_________________________1週間後
ゾムに会えないまま始まった戦争。ぺ神からはゾムの体調がすぐれないからしばらくは面会謝絶となってしまっていた。俺ことトントンはゾムに代わって前線で1人大通りの地点を任されていた。初めの方はこちらの優勢。このままいけば勝てると慢心していた。多分その心がいけなかったんだと思う。残っていた残党に脚へ一発、横腹へ一発撃たれた。撃ったやつは殺したが、俺は一気に劣勢となってしまった。このままいけば間違いなく俺は潰れる。その前に引かなければいけないが戦いの疲労と撃たれたところからの失血で今にも倒れそうだった。その時ふと思った、ここが俺じゃなくてあいつだったらと。多分あいつなら、任せろ!って言って突っ走っていくだろう。今更願っても来るわけないがほんの、ほんのちょっとだけ希望を抱いてしまった。すると、相手の攻撃が飛んできたが、運悪く体制が良くなくて食らってしまいそうになっていた。やばい!と思って本能的に目を瞑って飛んでくるであろう攻撃を待つ。___がいくら待っても攻撃は来ない。恐る恐る目を開けると、目の前の敵が死んでいた。ありえないと思っていたら、さらにありえないことが起きた。
ゾム)大丈夫か‼︎トントン‼︎
医務室のベッドで寝ているはずのあいつの声が聞こえてきた。
トン)…化けて出た…?
ゾム)アホか‼︎今すぐぺ神のとこまでいけ!ここは俺がなんとかするから‼︎今すぐお前の隊引き連れていけ!
トン)ゾ、ゾム‼︎お前大丈夫なんか‼︎
ゾム)俺の心配より、自分のヤバさを知れ‼︎俺より顔色悪いで!
トン)いや、それはない。
ゾム)なんでや‼︎
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そして無事終わった戦争の後、グルッペン達にゾムが起きていたことがバレて暫く説教コースだった。しかし怒っているグルッペンの顔は笑顔で本気で怒っているわけではないことがわかる。ゾムもそれを理解しているのかニコニコしながら説教を聞いていた。
グル)…説教はこのくらいにするゾ!改めてゾム、お帰りなんだゾ!
ゾム)〜っただいま‼︎みんな!!!!!!!
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はい、脅威さんの秘密助かるルートが終わりました。どうでしたか?次回は死亡ルートなので苦手な方は読まない事をオススメします…
コメント
7件
ありがとうございます〜‼︎
初コメです!待ってますよ〜