hsnr
今回は左右固定ありなので注意。
hsnrはセ.フ.レ。nrmが結婚する。
hsn目線。
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僕たちは身体の関係で繋がっている。所謂、”セフレ”というもの。
別の言い方をすれば、”相手の身体にしか興味がない。”恋とか、愛とは程遠いもの。
性欲が溜まった時にそういう行為をして発散して、快楽に溺れる。本当に都合の良い関係。
その関係が終わる時は分からんけど、何故か来る気はせんかった。
何かが終わる日はいつも”唐突に来る。”
「 ボク、結婚するんだ。」
「 …え?」
不意に言われた言葉に動揺が隠せず、僕の腑抜けた声と、少し重みのある音が響いた。
僕の手に握られていたペットボトルが落ちてしまっていた。蓋を開けていたせいで地面にはじわじわと水が広がっていく。
「 …だから、お前とのこの関係は終わらせなければいけない。」
僕の動揺と、水が染み込んでいく事を鳴海さんは気にもとめずに次から次へと言葉を口にしていく。
「 ぇ…え…、??」
もう声も出ない。
正直、この関係を終わらせなければいけない時が来るなんて予想も、想像も出来んかった。急な終わりに心の準備が出来てなくて冷や汗が頬を伝う。
「 ……… 」
目の前で真剣な表情を見せて黙りする鳴海さんを見ると、これは夢でもない、本当なんやと言う現実を鳩尾に突き刺されたような感覚に陥りとても痛んだ。
「 じゃ、じゃあ…最後にお願い、一つだけ聞いてくれますか。」
「 …あぁ、なんだ。」
最後に、…せめてこの願いだけは叶えさせて欲しい。
「 最後に…、一度だけ..抱かせてください。」
「 ……!、」
鳴海さんは微かに目を見開いた後、静かに頷いてくれた。
これで終わりを迎えたかったから。これで潔く別れることが出来そうやった。
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事後__.
「 ……っはぁ、” 」
「 …ッふ、……」
部屋には僕たちの荒くなった少し色付いた息が響いていた。
これで本当の終わり。
これで…、本当に…
「 ……ッ、!…保科…、?? 」
鳴海さんの驚いた顔を認識した途端に、確かに、彼の綺麗で…少し赤らんだ頬に水滴が落ちるのを捉えた。
「 ..“.ッど、…どう”かし..っました…、ッ、”?? 」
声を振り絞って返事をする。
何故か変に視界が歪んだ。
「 お前..っ、泣いて…、、」
「 ぇ、”……?? 」
自分が涙を流してた、と認識したのは鳴海さんのこの一言やった。
「 ッ”な、なん”でやろ…ッ、” 」
必死に目を擦っても、涙を拭っても溢れ出るものは止まらない。
「 …ッ、終わりが”来てか..ら、気付いたんや”、ッ 」
別にこの関係が終わる事は嫌とは思わんかった。別に代わりは用意出来るやろうし、誰でも良いもんやと思っとった。
「 でも…ッ、”、そんな事は全然違うくて..っ、」
「 …“っ、僕..ッは鳴海さんが… 」
「 鳴海さんが…ッ、” 」
「 好きやったんや…“ッ、”!!、 」
鳴海さんがいつしか僕にとって唯一無二の存在になっとって、大好きで大好きで仕方がなかった。
四六時中僕の頭や心の隅には鳴海さんがおって、こうやって身体を重ねることが出来る日が楽しみで楽しみで仕方がなかったんや。
「 …ッ……“、」
僕が必死に想いを伝える間も、鳴海さんはずっと目を見開いたまま僕を見つめて、何も言わなかった。
伝え終わって数秒もすれば、鳴海さんは目を見開いたまま涙を流していた。
「 …ッ”なんで鳴海さんまで泣いてはるんですか…“、ッ、”」
「 いや..ッ、”…だって、だって…っ、」
「 ここまでボクを想っていてくれたのに…“っ、ボクは気づけなかった…、ッ、!、”」
鳴海さんはそう言って涙を流しながら謝罪の言葉を連呼した。
鳴海さんは最後まで、ずっと、ずっと優しくて、僕の大好きな人やった。
「 最後..っ、キスさせてください…、ッ”、」
「 あぁ、…“、ッ 」
僕たちの涙が交えて一つになる。 涙を流しながら僕たちはキスを最後の交わした。
「 …“、ご結婚おめでとうございます。」
「 …あぁ、ありがとう。」
涙でぐちゃぐちゃやけど、僕らは今出来る精一杯の笑顔を浮かべた。
死ぬまで言いたく無かった言葉やったけど、幸せになって欲しくなかったけど、こんな鳴海さんやから、つい言ってしまう。
「 お幸せに。」
「 お前もな。」
もう鳴海さんと同じ道を肩を並べて歩むことは出来ない。
けれど、僕も僕の幸せを探して、新たな道を進もうと決めた。
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没作。またいつかリメイク出します。
とりあえずセ.フ.レの2人が別れて別々の道を歩んでいくお話だと思ってください。
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