⚠︎︎唯華side長くなります。
「はぁ………。」
教室に着くと自然にため息が溢れた。
(るなちゃんに、なんて言おう…。)
1人で悩んでいると、
《唯華ちゃん》
そう呼ばれると同時に、目の前に影が現れた。
不思議に思い前を向くと、
《大丈夫、?元気無いけど…》
そう言って心配そうにする彼。
「高見くん!」
高見 翔君、私のクラスメイトで、入学初日からモテモテの男の子だ。
「全然大丈夫だよ!」
《そっか、困った事があったら言ってね》
「うん!!ありがとう(笑) 」
(私なんかの心配してくれるなんて、やっぱり優しいなぁ)
私は嬉しくて少し微笑んだ。
《ッ…それじゃ、またね》
「うん!またね!」
そう言って友達の所に戻った高見くん。
〈お前佐藤さんと話したのかよ!〉
〈ずりいいいいいい〉
〈俺も、話したい〉
《まぁ、どんまい?》
〈うぜぇ!!(笑)〉
〈翔こんにゃろ!!〉
《痛い痛い(笑)》
少し遠くで友達と仲良く話している高見くん。
女の子達が目をハートにしている。
(凄い、高見くんモテモテだなぁ)
そう思っていると、
〘ゆーいか!!〙
後ろから抱きついてきた女の子。
「わ!!もうびっくりした(笑)」
〘へへ(笑)すまん!〙
元気に笑うこの子は、私の親友の
坂木 真緒
中学1年生の時、出席番号が前後でとても仲良くなったのだ。
〘少し元気ないのは、るな先輩が関係してる?〙
「関係してるね……」
真緒は、私が唯一るなちゃんの事を相談している子なので、大体は把握している。
〘喧嘩でもした?めずらしく〙
そう聞かれて、私は少し言葉が詰まった。
「…えっと、私が勝手に怒っちゃった。」
そう言うと、
〘 え!?るなが?〙っと声を上げた。
「ちょ!シーッ!!」
私は慌てて真緒の口を覆った。
〘ふふんふふん〙
そのまま話す真緒に私は笑った。
すぐに真緒の口から手を話した。
〘ぷはぁ、ごめんごめん(笑)〙
「私もごめんね(笑)」
その後私は、真緒と少し笑い合った。
〘とりあえず、放課後るなちゃんさんと話して、仲直りしなね?〙
「うん!頑張るね!」
〘おー!頑張れ!〙
そう言って真緒は頭を撫でてくれた。
「えへへ(笑)」
思わず顔がほころんだ。
《かわいい…(ボソ)》
高見くんがそう呟いていたのは、また別のお話かな。
*高見side*
自分は普通の人より容姿が良いらしい。
小・中学生の頃はそれなりにモテた。
だけど、付き合った皆は顔しか見ていなかった。
《なんで俺と付き合ったの?》
〈えー?顔がカッコイイから♡〉
《……そっか。》
誰も内側を見ようとしなかった。
それから俺は彼女を作らないまま高校生になった。いや、少し女性が怖くなった。
そんな時彼女に出会った。
「高見くんで合ってるかな?」
そう言って話しかけて来た彼女。
顔を見ると、息を飲むほど整っていた。
《そう、だけど》
曖昧な返事をした。
「お隣よろしくね!」
そう言って微笑んでくれた。
《ッ…よろしく》
あれ、心臓がおかしい。
俺はこの時から、唯華ちゃんに惚れていたと思う。
話せば話すほど好きになっていった。
「え!高見くん頭いいの!?」
《いや、普通だよ(笑)》
「学年1位は凄いよ!!」
沢山褒めてくれる唯華ちゃん。
「高見くん、頑張ってるんだね」
《…ぇ、?》
〈唯華ちゃんー!〉
「あ!今行くねー!」
「それじゃ高見くん、またね!」
そう言って友達の所に行った唯華ちゃん。
(初めて、言われた)
とても嬉しい反面、泣きそうになった。
俺はその日から更に唯華ちゃんの事が好きになった。どうしよもないくらい。
《ほんと、参っちゃうね君には、》
彼女を見てそう呟いたのだった。
*次回へ続く*