時間が過ぎ放課後になった。
〈唯華ちゃんまたねー!〉
「うん!またね!」
私は友達と挨拶を交わした後、
(緊張してきた…!!!)
胸をドキドキ鳴らしながら、るなちゃんを探した。
数分間歩き回って
(あ!見つけた!」
私はるなちゃんを呼ぼうとした。
「るなちゃ」
〈城崎先輩!好きです!〉
すると、誰かの声で遮られた。
(へ、?)
私は思わず影に身を隠してしまった。
少し顔を出し、様子を伺う。
(告白しているのは、女の子だ…)
るなちゃんは綺麗な顔立ちをしているので、男女問わずモテるのだ。
『嬉しいけど、ごめんね、』
そう言って断るるなちゃん。
(私、悪い子だ…。)
それに安心してしまった自分が居た。
〈私が女だからですか、?〉
相手の女の子の言葉に、私は心臓が跳ね上がった。
『違うよ。』
すぐに否定を入れたるなちゃん。
(良かった…)安心した私を差し置いて、るなちゃんは続けて
『私、好きな人が居るんだ』
そう言った。
「ぇ…?」
初めて聞いたるなちゃんの言葉。
凄くショックだった。それと同時にとても悲しくなった。
私は自然と涙が零れてきて、その場をそっと離れた。
「ふっ…うぅ…」
人気のない所に行って、私は息を殺して泣いていた。ただ泣く事しか出来なかった。
《唯華ちゃん、!!》
大きな声で呼ばれた私の名前。
驚いて振り返る。
「ッ…高見く、ん」
酷く焦った顔の高見くん。
私は泣き顔を見られたくなくて、必死に涙を拭い、笑顔を作った。
《唯華ちゃん、無理しないで、》
そう優しく言ってくれた高見くん。
「ッ……」
また涙が溢れてきた。
涙を止めようとすればするほど、止まらなくなり 、目を擦ろうとした。
《目、腫れちゃうよ》
そう言って涙を優しく拭ってくれた高見くん。
「裾、汚れちゃうよ、?」
心配になり、そう問いかけると、
《気にしないで》
微笑んでくれた高見くん。
「あり、がと」
高見くんのお陰で、少し落ち着く事が出来た。
《話、聞いても大丈夫かな、?》
そう訪ねてきた高見くん。
「大丈夫だよ、!」
それから私は、高見くんに全部を話した。
るなちゃんの事。私が恋愛として好きな事。そしていまさっきの事も全部伝えた。
話している間、高見くんは一生懸命に聞いてくれていた。
「ごめんね、気持ち悪いよね、」
《ッ…!そんな訳ない!!》
全力で否定してくれた高見くん。
「!ありがとう(笑)」
「私、高見くんが居てくれて良かった」
素直な気持ちを伝えた。すると高見くんは
《ッ~!へぁ、?》
顔を真っ赤にしていた。
《…ねぇ、唯華ちゃん》
「はぁい!」
名前を呼ばれ、返事をした。
《俺さ、唯華ちゃんのこと、》
高見くんが何かを言いかけたとき、
大好きな声が聞こえた。
「ぇ、?」
*次回へ続く*
コメント
1件
唯華ちゃんかわいすぎ