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学校行事と言えば色々とあるが小学校のメインイベントと言えばやはり運動会だと俺は認識してる。そして、その運動会だがもちろん俺の通うこの学校でもある訳だが……。
「それじゃあクラス対抗リレー4人出てもらいたいんですけど、候補として以前やった体力測定で平均が高かった人、もしくは50メートル走の記録がいい人を優先して選出して行くつもりですが、そういうのが苦手だよって人は辞退してもらっても構いません。」
「ちなみに誰も辞退しなかった場合は誰が出るんです?」
「能力値で言えばトップはミカネさんでその次は『アル』くん。『マルラネ』さんに『カーナ』さんの四人が挙げられますね。」
やはりミカネさんは竜人という種族なだけはあり身体能力はずば抜けていいらしい。次のアルくんと呼ばれた子はこのクラスで言えばミカネさんの次に身体能力が高く、No.Ⅱと言っても差支えはない人物だ。種族は分からないが恐らく魔人とかそっちの部類だと思われる。
マルラネさんとカーナさんはいわゆる獣人でマルラネさんが兎、カーナさんが虎と脚力に関しては問題ない。選出としては妥当だとは思うけどマルラネさんはあまり人前でアレコレするのが得意とは言えない子だ。イメージとしてはミメイさんのような実力こそあるけど自己評価が低いタイプだと思われる。そうなるとマルラネさんが辞退する可能性が高い。また、カーナさんはマルラネさんとは正反対のような性格で自分に自信を持ち芯があるタイプの人である。なのでこの決定には反対しないだろうが彼女の性格を考えるとマルラネさんの辞退に納得がいかないと思われる。
というのも彼女の思想的なことを言えば自身よりも劣っている人物が隣立つことを嫌う性格でマルラネさんは成績的な面で見るとカーナさんと同じくらい、つまり対等な存在である。そして今挙げられた四人がこのクラスで最も優れている人達であるのだ。つまりマルラネさんの代打の人物は必然的に彼女よりも劣っているという事になり、カーナさんの性格的にはそこが気に食わないと言うところだろうな。
この問題をどう解決するかだが一番はマルラネさんに頑張ってでてもらうことだ。そうすれば変に拗れることは無い。だが、無理に勧めても本来のポテンシャルを発揮出来なければ意味が無い。何よりカーナさんの機嫌を損ねそうだ。関わりこそ少ないが彼女は自身が特別な存在であると思っておりそんな特別な存在である自身と対等に競い合える人物を総じて好敵手と認識してるみたいなのだ。そのライバルが不調だと自分の見る目がなかったと思ってしまうのかなんなのか分からないが不機嫌になってしまう。あまり言いたくはないが面倒くさい性格をしてるのだ。なので選ばれなかった人たちの心境としてはマルラネさんに頑張ってもらい、カーナさんのストレスのはけ口としてこちらに矛先が向かないようにして欲しいというのが正直な感想ではあるが…。
「…え、えっと……そのぉ。わ、私は辞退したい………です。」
「マルラネさんは辞退ね。強制的にやらせるわけにもいかないからこれは仕方ない…。」
「いーや!納得いかねぇな!!」
「か、カーナさんそうは言っても……。」
「なんでそんな才能に長けてるのに辞退なんかすんだよ!?このクラスにはお前以上に優れてるやつなんて居ねぇんだ!選ばれた4人以外はみんなグズなんだよ!だからお前には出てもらわないと困る!」
「で、でも………私のせいで…負けたらそんなの……。」
「負けないね!あんたがミスしてもあたしらがそのミスを上回る活躍するから!つーか、そもそもお前がミスする前提なのがおかしんだけどな!?」
「でも…私……こういうの…苦手だから……。」
「苦手の一言で逃げてばっかじゃろくな人生送れねぇぞ!」
うーんごもっともではあるが人間で言うところの小学生にその発言はあまりにも酷なんだよなぁ…。かと言って彼女の意見を尊重しすぎても彼女自身のためにもならないし……。折衷案みたいなのがあればいいんだが…。
「それならわたくしから一つ提案がありましてよ?」
「なんだ言ってみろミカネ!」
「転校生君である彼を採用してみてはどうかしら?」
ん?風向きが急に悪くなってきたな?
「おいおい…アイツはただの人間だぞ?足でまといもいいところだろ?」
これに関してはカーナさんが正論だぞ。ミカネさん、俺を勝手にライバル視するのはいいけど彼女の説得に俺は使えない材料だ!
「忘れてないかしらカーナさん?この運動会の特別ルール。人間の子にはある程度の魔法による強化を認められて、競技ポイントにも人間が入った組には加点が入るのよ?」
「前半は分かるが後半の加点に関しては一番を取らないとなんの意味もないんだぞ?コイツが入ることで一番を取れる確率が上がるとでも?」
「わたくしとタメを張れる唯一の人間でしてよ?」
その一言にクラスがざわめき出す。
「なっ!?竜人族と対等な力を出せるだと?」
「えぇ!彼はわたくしと同等の人物なの!」
まっずーい……。俺身体能力は多分クラスで頑張っても平均より少ししたくらいの位置付けにいるはずなんですけど!?ていうかミカネさんが対等とか言ってるの学力の面でしょ!?俺身体能力はダメだったんだよ!?先生!!ここは先生が俺のデータを開示してミカネさんを説得して……。
「競技ポイントの加点という点に関しては先生も賛成ですが、マルラネさんと比べても彼に背負わすのは酷だと思いますよミカネさん?」
よく言ってくれた!先生!!俺が中学生くらいだったら先生異性として好きになってたくらいありがたすぎる援護射撃!!
「確かに身体能力こそマルラネさん、なんならこのクラスの中でも結構な人達より下かもしれないですが、魔法の扱いに関しては同学年の中でもトップだとわたくしは思いますの。」
「それの何がこいつを入れる理由に……。」
「さっき話してただろ?『人間は魔法による強化をある程度許されている』と。俺たち魔族は純粋な身体能力で戦うが人間は同じ土俵に挙げてしまうと何も出来ず不平不満が溜まる。それを少しでも減らすためにその制度が採用されている。そして転校生の彼は確かに魔法学で同年代の子とは思えないほど安定した技術を持っており只者でない。つまるところ俺達のクラスのリーサルウェポンになるわけだ。」
えぇ……。アルさん急に援護射撃してくるじゃん
「博打に賭けろと?マルラネの安定感を捨てて博打に全ブッパしないといけねぇのか?」
アカンアカンアカン………。どんどんカーナさんの機嫌も悪くなるし俺が出ることになるのが確定していく…。でもこれ俺が出ないと行けなくなってるからその中でも折衷案みたいなのを考えるしか……。
「よ、よーしわかった!私がマルラネさんの代わりに出よう!」
「あぁ!?てめぇの博打に賭けたくねぇんだよ私は!」
「そこで私から折衷案がある!」
「聞かせてもらおうじゃないの?」
「マルラネさん。」
「は、はい?」
「私の個人コーチとして着いてくれないか?」
「ふぇ?」
「はぁぁ!?何言ってんだお前!?」
「カーナさんは私の博打が嫌なんだろ?で、さらに言えばその博打の確率が低そうだから拒絶してるわけでその確率を上げれば文句ないでしょ?」
「上げれんならな?」
「なので、まずはシンプルに私が走る際に気をつけないといけないことをマルラネさんから教わる。で、それだけに飽き足らず私はこのクラスのリーサルウェポンらしいのでその隠し球を作り制御し確実なものにしたらいいんだよな?」
「出来んのかよ人間に?」
「ほかの人間と同じにしないでくれ。私はひと味違うのだよ。」
「なら、それを信じようかな俺は。」
「わたくしももちろん信じますわ!推薦したのはわたくしですしね!」
「じゃあ最悪しくったらミカネさんも連帯責任で怒られてくれ。」
「えぇ!?わたくしも責任負わないといけないのですか!!?」
「私を巻き込んだんだからそれくらいはしてくれないと困るからね。」
かくして俺はクラス対抗リレー4人の一人になってしまったのだった。
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