17. ◇離婚
「香織、離婚を決められるのは香織だけだからね。
余所の女と付き合ってる啓吾のほうから離婚はできないんだから、
どーんと構えてたらいいのよ。
納得できてから離婚したって遅くないんだからね」
「へぇ~、そうなんだ。
だけど私、離婚に承諾しちゃったよ」
「人間は気持ちの変わる生き物なんだから、考えが
変わったって言えば、問題ナッシングだってばぁ」
「ふむふむ……啓吾ね、全財産今日振り込むって言ってた。
貰うのに今更、離婚しないは通じないんじゃない? 」
「貰うんかいっ。で、いくらなの? 」
「450万円」
「啓吾本気なんだね。
そっかそっか。じゃあ、離婚しちゃれっ! 」
「そうだよね、踏ん張っても啓吾の気持ちは戻ってきそうにないし。
私ほんと、心ズタボロ」
「そこはズタボロにならんでよろし。
啓吾よりずーっとイケメンでずーっと賢くて、お金持ってる男を
紹介してあげるから、まかしときって」
「えーっ、そんなに簡単に言っていいの?
世の中そんなに甘くないよ?
しかもあたし、もうすぐ絶賛バツイチになっちゃうって
いうのにさ! 」
「まぁまぁ、大船に乗ったつもりで任せておいて!
だけどアレだよ?
うちの旦那さんよりは少しスペック落ちるかもしれないけど、
それは承知しておいてもらわないとね」
「はぁ~何それ、そんなに紀ちゃんの旦那さん
ハイスペックでしたっけ? 」
憎まれ愚痴を叩いていたけれど、あることに気付いてしまった。
「私ったら、紀ちゃんと旦那さんの馴れ初め知らないわぁ~。
何で今まで聞いたりしてなかったんだろう」
「そりゃあ、ラブラブの自分の旦那さんの啓吾に夢中で、
私のことなんて眼中になかったからだよ」
「そっか! 今からでも興味持っていいかな? 」






