テラーノベル
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指が綺麗だな、と思ったのは割と最近。
隣で編集中の
キーボードを叩く指先。
気がついたら目で追ってたのに気付いたのは、
今。
恥ずかしくなって、
指先から目をそらして。
視線の先には気付いている、君。
「なんやねん、もう」
照れくさそうに笑って、
髪の毛をクシャクシャにされる。
それはとても嬉しくて。
「たっつん」
「なにぃ?」
思わず名前を呼ぶけど、君は忙しそうにキーボードを叩くから。
「…なんでもない」
今は、まだ。
言いたかった言葉は飲み込んでしまって。
「もー、じゃぱぱ!ちゃんと仕事して!」
「はいはーい」
そう言えば編集だった、と我に返る。
コーヒーを一口。
作業の為にイヤホンを付ける。
「……なんやねんな、……もう」
耳を赤くして呟いた君の声は、
キーボード音にかき消された。
莉愛
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