テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「あー…あかんわぁ…」
グラスを傾けると、氷にぶつかる涼し気な音。
木でできたカウンターのテーブルにグラスを置くと、隣から溶けそうな…ふにゃふにゃした声。
「なんかぁ、ちょっと…酔ぉてしもうたかもしれへん………」
未だかつてお酒を呑んだたっつんが、お酒に呑まれなかった事は無いかもしれない。
今さっきまでお互い饒舌に、これから先の事とか。
これまでの事とかを語ってたのが嘘みたい。
なんて思いながら、じゃぱぱは笑う。
「ちょっとたっつん、今日はたっつんが誘ったんだからさー」
しっかりしてよ、と肩を叩くと。
そんな自分を見て笑うたっつん。
「………元気、出た?」
「………え?」
ビックリして、次の言葉が出ない。
「……なんかさ、じゃぱぱ悩んでるなぁて………元気ないなぁって思ってたんやけどぉ」
お酒のせいか、いつもよりちょっと呂律の回らない声。
「…………あんま言わへんやん?辛い事とかぁ」
隠してるつもりはなくて。
でも、自分がしっかりしなきゃと、
ずっと思っていて。
「……しんどい時はしんどいって、ちゃんと言うてやぁ」
いつもの様に真っ赤に染まった酔っ払っいの顔。
ふにゃふにゃ笑いながら既にもう眠そうで…
敵わないなぁ…と思う。
自分でも、言われるまでそんなに抱え込んでるつもりは無かった。
でも、そう。
確かに、悩んでいたのは確かで。
そんな自分を見抜いて。
当たり前のように助けてくれて。
しかもふにゃふにゃしててなんかちょっと可愛くて………
「………って、たっつん!」
感慨にふけっている間に、隣には蛸の様に真っ赤でふにゃふにゃなものが出来上がっている。
ため息を1つ。
起こすのも、担いで帰るのも無理そうなので、じゃぱぱは諦めて追加のお酒を注文した。
蛸の寝顔をツマミにグラスを傾けるのもいいかもしれない。
起こさないようにちょっとだけ、
目の前の少し傷んだ金髪に
優しく指を絡めた。
#洗脳
シャケ握り
19,657
#夏コラ
iriu_13
113
2,238