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昼下がり、トオルは自宅ガレージで180SXを眺めながら、松本タケシとの出会いを思い返す。「初代帝王か…後藤さんに話してみよう」と呟き、後藤の自転車屋へ向かう。道中、C1の遠くの光を見ながら、「松本さんもケンジさんも、この道を走ってたんだな」と感慨に浸る。風がトオルの髪を揺らし、次の展開への期待感が漂う。
自転車屋に到着したトオルは、作業中の後藤に「後藤さん、ちょっと話したいことがあって…」と切り出す。後藤が「何だ?」と工具を手に顔を上げると、トオルが「松本タケシって人、知ってますか? 初代帝王らしいんですけど、昨日ガレージに来て…」と話し始める。すると、後藤の手がピタリと止まり、普段のぶっきらぼうな態度からは想像できない荒々しい声で「なんでその名前を知ってるんだ!?」と叫ぶ。トオルは「え!? いや、その…」と驚き戸惑い、後藤の異様な反応に目を丸くする。
後藤は深呼吸して冷静さを取り戻し、「すまねえ、驚かせた。松本タケシか…懐かしい名前だ」と呟く。トオルが「ガレージの前で会ったんです。フェラーリF40に乗ってて、緑の180SXの話をして…」と説明すると、後藤は目を閉じ、過去を語り始める。「あいつは俺の先輩だった。C1がまだ走り屋の聖地になる前、松本がS30Zで帝王として君臨してた。ケンジはその弟子みたいなもんで、俺はメカニックとして二人を支えてたんだ」。トオルが「じゃあ、後藤さんも初代の時代を…」と息を呑むと、後藤は「そうだ。あの頃は毎晩バトルで、松本のZとケンジの180SXがC1を支配してた。だが、松本がある日突然姿を消して…俺もケンジも理由を知らねえままだった」と苦々しく続ける。
後藤は工具を握り、「ケンジが死んだ時、松本が戻ってくれば何か変わったかもしれねえって思ったこともあった。だが、あいつはもう走り屋の世界を捨てたんだろ」と悔しさを滲ませる。トオルが「でも、松本さん、俺の180SX見て懐かしがってました。マコトのことも知ってるみたいで…」と言うと、後藤は「マコトか…松本が絡んでるなら、ケンジのパーツがR34に行ったのも偶然じゃねえのかもな」と目を鋭くする。トオルは「後藤さん、一緒にマコトに勝ちましょう。松本さんも見ててくれるって」と訴え、後藤は「そうだな…ケンジのためにもな」と小さく頷く。
場面が切り替わり、夜のC1近くの静かなパーキングエリア。篠原マコトが黒いR34 GTRを停め、物思いにふけっていると、遠くからフェラーリF40のエンジン音が近づく。松本タケシが車から降り、マコトに近づく。「久しぶりだな、マコト」と声をかけると、マコトが「松本タケシ…何の用だ?」と冷たく返す。松本は笑い、「お前がケンジのパーツを引き継いでるって聞いてな。桜井トオルってガキがその車を追いかけてるよ」と言う。マコトは「トオルか…あいつが俺に勝つつもりなら、パーツは渡さん」と静かに闘志を燃やす。松本が「ケンジの魂がどうなるか、楽しみだな」と呟き、F40に乗り込む。
トオルは自転車屋を出て夜空を見上げ、「後藤さんの過去も、松本さんの過去も…全部この180SXに繋がってる」と感じる。後藤は店内で古い写真を取り出し、「松本、マコト、トオル…C1はまだ終わってねえな」と呟く。一方、マコトはR34のボンネットに手を置き、「初代だろうが誰だろうが、俺が帝王だ」と決意を固める。C1の遠くの光が、三者の思いを照らし、次の戦いを予感させる。
**桜井トオル**:松本との出会いを後藤に伝え、過去の繋がりに驚きつつ、マコトへの挑戦意欲を強める。
**後藤トモノブ**:松本の名に感情を露わにし、初代帝王とケンジとの過去を語る。トオルへの協力に新たな決意。
**松本タケシ**:初代帝王として後藤やケンジの過去を知る男。マコトとトオルの戦いを見守る立場に。
**篠原マコト**:松本との会話でトオルの存在を再認識。