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真夜中の首都高C1。小雨が降り始め、アスファルトが薄く濡れている。篠原マコトは黒いR34 GTRで静かに流し、「トオルか…初代が見てるなら、俺が帝王だって証明するだけだ」と呟く。後方から鋭いエンジン音が近づき、赤いFD3S RX-7が現れる。藤原カイトだ。カイトはマコトの後ろにつき、パッシングで挑発。「帝王、勝負だ!」と叫び、マコトは冷たく笑い、「いいだろう」と応じる。
勝負が始まる。ウェットな路面でR34の4WDがグリップを効かせ、直線でリード。カイトのFDはロータリーの軽快な加速で食らいつくが、タイヤが微妙に滑り、「雨か…やりにくいな」と呟く。トンネル内でマコトが冷静にラインをキープし、カイトがアウトから追い上げる。雨粒がヘッドライトに反射し、視界が霞む中、二人のエンジン音がトンネルに反響する。観衆が遠くから見守り、「帝王とカイトが…!」とざわつく。
最終コーナーに差し掛かる。カイトが「ここで仕掛ける!」とインを突き、マコトに並ぼうとする。だが、マコトは意図的に減速。カイトは突然の動きに戸惑い、「何!?」と急ブレーキを踏む。ウェット路面でFDのリアが滑り、スリップ。トンネル出口のカーブで制御を失い、ガードレールに激突する。金属が軋む音とガラスの割れる音が響き、FDは大破。マコトは無表情で横を追い抜かし、ゴールへ向かう。後方で煙が上がり、カイトの車が動かなくなる。
カイトは大怪我を負い、救急車で都内の病院に搬送される。事故の様子は翌朝のニュースで報道され、「首都高C1で走り屋の事故、20代男性が重傷」と流れる。トオルは自宅でテレビを見て、「カイトが…!?」と愕然。ユウジから電話がかかり、「マジかよ、マコトと勝負してたらしいぞ!」と慌てる。藤原舞衣はニュースを見て急いで病院へ。病室に着くと、カイトは意識を失い、包帯に覆われた姿で静かに眠っている。医者が「なんとか一命は取り留めたが、全快には時間がかかる」と告げる。
舞衣はカイトのベッドサイドで涙を堪え、「お兄ちゃん…」と呟く。カイトの事故を思い返し、「私じゃあいつに勝てない。マコトの走りは冷酷すぎる」と自問。ふとトオルの顔が浮かび、「希望があるのはトオルだけだ」と気づく。携帯を取り出し、トオルに電話をかける。「トオル、カイトが事故った。マコトとの勝負で…私じゃ無理だよ。お兄ちゃんを越えて、マコトに勝ってくれ」と震える声で頼む。トオルは「舞衣…分かった。カイトのためにも、マコトに勝つ」と固く約束。
トオルはガレージで180SXを見つめ、「カイト、マコトに勝って、お前が戻るまでC1を守るよ」と決意。舞衣は病室でカイトの手を握り、「トオルならやってくれるよね」と呟く。マコトはR34をパーキングに停め、雨に濡れたボンネットを見ながら、「藤原カイトか…俺に挑むならそのくらいの覚悟がいる」と冷たく呟く。小雨が止み、C1の遠くの光が静かに次の戦いを待つ。
**篠原マコト**:帝王としての冷酷さと計算高さを発揮。カイトの事故にも動じず、トオルとの対決を予感。
**藤原カイト**:マコトに挑むも事故で大破・大怪我。命は取り留めるが、走り屋としての未来が危ぶまれる。
**藤原舞衣**:兄の事故に衝撃を受け、トオルに希望を託す。感情的な一面が強調される。
**桜井トオル**:カイトの事故を知り、マコトへの挑戦に新たな理由が加わる。
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