テラーノベル
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【俺らを頼ってほしい。】🎲×🥂
・・・
Inないこハウス
桃「え!?まろが倒れた…?」
突如、病院からかかってきた電話。
会議があるのでないこハウスに集まっていたメンバーが
わらわらと近寄ってくる。
水「いふくん倒れたの?」
赤「また?」
そう,皆が驚かないのにも理由がある。
まろは今回で倒れるのが3回目だからだ。
一回目も二回目も無理した理由を聞こうとしたけどうまくはぐらかされた。
まろが辛いのならば俺たちができる限りのことをする。
でも,その辛さが分からないとどうすることもできない。
黒「…病院いこっか。」
紫「車出すわ」
桃「ありがとう…」
・・・
In病院
コンコン
桃「失礼しまーす…」
がらっと扉を開けた瞬間,いつもと違う光景が目に入る。
普段は俺らが来る頃には目が覚めている。
でも,5人の目に入ったのはたくさんの管につながれたまろの姿。
ドサッ
いむが荷物を落とす。
メンバーも焦っているのがうかがえる。
そりゃ無理もない。みんなそうなるだろう。
医者「誰かおひとり,ついてきてください。」
桃「ぁ,はい。俺が行きます」
そうしてないこが出ていった部屋にはいれいすらしい元気さのかけらもなかった。
・・・
医「ないこさんで大丈夫ですか…?」
桃「はい…」
「まろがどうかしたんですか?」
医「落ち着いて聞いてくださいね。」
ドラマの決め台詞のような言葉を言われる。
一気に不安と心配が溢れ出たのか心臓のドクドクという音とは反対に全身の血液が引いていくのが分かった。
医「今回,いふさんが運び込まれた原因は大量服薬です。」
「今,いふさんが眠っている病室は精神科の重症患者用の病室です。」
「運び込まれてきたときの状態が悪く…」
お医者さんの言葉が遠のいていく。
医「ないこさん!ないこさん!」
桃「っ…!」
医「だいじょうぶですか?」
桃「大丈夫…です。」
医「緊急搬送されてすぐに胃を洗浄し,点滴で薬の効果を抑えていますが希死念慮が強かったみたいなので目覚めるか目覚めないかは本人の意思次第です。」
桃「…はい」
案内された別室には重苦しい空気が漂う。
まるでないこの心配と不安,焦りをそのまま空気に表したような感じ。
医「…それではいふさんの病室の方に戻ってもらって構いません。」
「今日は泊まってもらっても大丈夫ですがご飯等は下のコンビニエンスストアを利用してくださいね」
桃「はい…」
・・・
赤「!」
「おかえり」
桃「ただいま…」
水「なんて言われたの?」
桃「それを含めて一回話し合いしたいからそこのソファに座ろっか。」
水「…うん」
続々と席に座るメンバーたちの顔には不安と焦りが出ていた。
桃「えっとね,結果的に言うとまろが自殺を図ったらしい…」
水「ぇっ…」
紫「…は?」
赤「っ…」
黒「…」
4人の顔色は沢に悪くなる一方。
俺は4人にまろが起きないかもしれないことを伝えることができるのだろうか…?
赤「…方法は?」
桃「大量服薬」
黒「…ポロッ」
あにきの頬に水滴が零れ落ちる。
もうわかってしまったのだろうか…悟ってしまったのだろうか…。
紫「‥え,ちょ,ゆうくん?」
水「あにき…!?大丈夫?」
黒「…ぉん」
りうらも黙ったまま。
りうらも知っているのだろうか…?
あぁ,そっか。りうらは薬学のほうに行っていたもんね。
そりゃ,知っていて当然か
水「ねぇ,いふくんは起きるよね…?」
桃「……ごめん」
紫「ねぇ,なんで誤るんや?」
桃「…っ」
水「…え?そういうこと?」
紫「ねぇ,ないちゃん。まろちゃんはもう目が覚めへんの?」
赤「…ほとけっち,しょうちゃん。」
ゆっくりと首を横に振るりうら。
りうらの目はただまっすぐで
だけど奥には闇を抱えているようにも見えた。
まるであきらめろとでもいうように。ハイライトがなくなっている。
優しくもあるが同時に恐怖を植え付ける。
そんな瞳。
・・・
喧騒から数日後。病院の一番奥にあるいふの病室は
沈黙を貫いている。ピッピッピッという規則正しい音が
いふという一人の人間が
まだこの世に存在していることを示している。
ガラッ
初めて病室に見舞客が訪れる気配がした。
・・・
いれいす専用の会議室にて
普段はグッツで埋まっていてメンバーの私物もたくさんあるこの部屋。
いつも6人がそろっておりとても暖かい空間だがいふも
集合時間に来なかったほとけも居らず,
今の残された4人からすると憂鬱な空間になっている。
いふの病室と同様に沈黙が貫かれたこの空間。
時計の規則正しい音が嫌に響く。
初めに沈黙を打ち破ったのはやはり,リーダーであるないこだった。
桃「…これからどうしたい?」
い「…」
桃「活動休止っていう選択肢もある。でも,まろがもし,帰ってきたときにいれいすが活動してなかったら,それこそまろを追い詰めるんじゃないか?」
赤「…確かにね。追い詰めちゃうかも」
黒「でも,どないして活動していくん?ほとけがおらんってだけでも違和感が強かった。まろがいなくなるって考えるだけでも辛いことが分かる。」
紫「…まろちゃんは帰ってくる。絶対に帰ってくる。まだ助かるかもしれんのにそんな暗い顔してどうするん?俺らはいれぎゅらーなんやろ?」
4人がはっと顔をあげ,まるで進む道が分かったかのように
瞳に輝きを取り戻した。
・・・
ガラッ
水「…いふくん」
病室を開けるとこの前とまた違う光景が目に入る。
そう,いふが起きているのだ。
でも,そんないふは手を伸ばしたら消えそうで,儚くって負のオーラを背負っているようにも思える。開いた窓から暖かい春風が入ってきて
頬をくすぶる。
ガタッ
ベッドのそばにあったパイプ椅子に腰を掛ける。
二人とも一言もしゃべらない。
でも,いふにとってはそれがどれだけありがたいことなのか。
二人の間にまた一つ,薄い壁ができたようにも思える。
・・・
ガラッ
ほとけが行くならいふのところだろう。
そうメンバーと話して走ってきた病室は不思議な空気が漂っていた。
いふは起きて窓の外を見つめている。
そんないふをほとけは近くに座って眺めている。
どちらも一言たりとも会話を交わしていない。
メンバーのほうも向かない。一体何があったのか。
紫「まろちゃん,おはよ。」
蒼「…おはよう」
いふの独特な関西弁が入ったしゃべりが病室に響いた。
その後,ずっとしゃべっていなかったであろうほとけが口を開く。
水「ねぇ,いふくん。」
「…なにがそんなに辛かった?」
単刀直入すぎるほとけの質問。
いふはこれに答えることができるのだろうか。
蒼「…別に」
水「別に?なんかあるんでしょ。自殺を図るまで辛かったことがあるんでしょ。別に自殺が悪いってことじゃない。死にたかったら死ねばいい。」
蒼「…!」
水「でも,害のために死んだら何になる?それでこそ相手の思うつぼじゃないの?」
「大量服薬なんて苦しくなかった?」
「…もう1回聞くね?何がそんなに辛かった?」
ほとけの声が響いた後また病室に沈黙が戻ってくる。
ただメンバーの呼吸音と心電図の規則正しい音だけ。
だれもしゃべらない,全員がそう感じ取っていた中
ひとり,口を開く。
桃「ねぇ,まろ」
「俺たちは全員味方。」
「まろにとっての敵はここにいない。まろに害を与えるやつはここにはいない。」
「怖いものとかなんにもないんだよ。」
ほとけとないこの言葉で心が揺らいだのか一つ一つ言葉を選ぶようにいふが喋り始める。
蒼「…うん」
「辛かったよ。苦しかった。」
いふは思いつめた表情のまま話し始める。
メンバーはただただうなずきながら聞くしかないようだ。
続くいふの言葉。
蒼「でも,その辛いを言葉にして吐き出すことができなかった。
ただそれだけ。俺が,弱かっただけ」
桃「どこが?」
「まろが弱かったからこうなったわけじゃない。」
蒼「…会社でさ,パワハラを受けてた。
いれいすの活動も知っている人で,俺の情報を持っている人だから
言ったら個人情報ばらまくぞって脅されてた。でも,みんなに言っていればこういうことにならんのかもしれんな。ごめんなさい…。」
水「…いふくん。」
蒼「…?」
ただまっすぐな瞳で二人が見つめ合う。
その次に出た言葉は普段は不仲な相棒から出てくる言葉とは思えなかった。
水「……頑張ったね。生きることを選択してくれてありがとう。」
蒼「…ぇ?」
いふの瞳から不意に水滴が零れ落ちる。
ほとけの優しい声で安心したのだろう。
いふの心の中にあった壁が一気に壊れたようにも見える。
赤「そーだよ。まろは頑張ったんだよね」
黒「偉いな。生きててくれてありがとうな」
紫「死ぬことを選択したとき,まろちゃんが起きる可能性は本人次第って言われたとき,本気で僕も死んでやろうかと思った。でも,目を覚ましてくれることを信じろって自分に言い聞かせたんよ笑
「…まろちゃん。」
蒼「…ん?」
紫「生きててくれてありがとーな。」
蒼「ぅん…笑」
泣き笑いでいふの顔が埋め尽くされる。
メンバーの瞳に儚く映るいふの姿が窓の外の桜とマッチする。
桃「まろ。」
蒼「…なぁに?」
桃「本当に生きる選択を取ってくれてありがとう。愛してるよ」
蒼「…笑」
「愛しとーよ…笑」
“愛してる“その言葉は恋愛的ではない言葉だがメンバーとして相方として,確かな純愛だといえるだろう。
・・・
2025年10月9日
いれいす初の実写オンラインライブ。
いれいすが5周年を迎える日。
会社でのいふへのパワハラは警察も交える大きな問題だったことが発覚。
後にいふへのパワハラに関与した人は全員会社をクビに。
そしていふ自身も会社を自主退社した。
桃「じゃあ,最後は俺の相棒に回します。」
「いふ!いちゃって!!」
蒼「はーい!!!いれいすダイスナンバー5番!ぽえぽえお兄さんのいふです!」
元気な挨拶とは一変し重い話がいふによって行われようとしている。
蒼「…時期は伏せますが会社を退職いたしました。」
「理由は…っ
いれいすのメンバーと肩を並べてやっていきたいと思っているからです。また,今まで以上に全力で活動に専念したいを思っているからです。」
暖かい言葉がコメント欄に飛び交う。
次の一言で一気に変化する。
メンバーの顔を見回しながらいふが口を開く。
「…また,生きることを諦めようとしたことがありました。」
コメントがすごい速さで流れる。
しかし,いふのことを悪く言う人はどこにもいない。
蒼「辛かったです。苦しかったです。こんな中活動をしてみんなに良いコンテンツを届けられているか不安でした。」
「でも,メンバーがいてくれたおかげでいふとして今を精一杯生きています。」
「あの時,俺を怒ることなく生きててくれてありがとう。と優しく受け止めてくれたメンバーに感謝しかないです。ありがとう。」
「相棒2人は人一倍に愛してくれていてありがとう。」
「…これからもいれいすのさいころの一つとして頑張っていきますので,応援よろしくお願いします。」
「ほんとうにありがとうっ…!」
いふがメンバーの顔を見る。
それぞれ複雑だった表情がだんだんと晴れていく。
みんなが笑顔だった。
メンバーはもちろんのこと
スタッフさんもリスナーさんも。
いふはそれも見て生きていてよかったなと改めて思うのだった。
・・・
こんばんわ。ゆいねです🍀
皆様は希死念慮はありますか?
(希死念慮とは死にたいという思いを抱く心理状態のことです。)
私はかつて,希死念慮に侵されていた時期がありました。
そのせいか,何度も自殺未遂をしました。
でも,助けてくれる人がいたから今はこうして幸せに生活をしています。大嫌いだった学校は大好きな学校へ。平日が待ち遠しい子に育ちました。そんなゆいねから希死念慮が消えた日は11月の17日です。
この日に自殺を図りました。でも,死ぬことを許してくれなかった。
死ねなかった。もういいじゃん,って何回も思いました。
でも生き延びてしまって学校へ行くと一人だけ,駆け寄ってきてくれて,生きててくれてありがとうと言ってくれました。
生きてるだけで丸儲けだよって。憎い奴らのために死んで何になると思ってるの?って言われました。私はゆいねのことを愛してるから。
目の前から消えていかないでと言われました。
…一番欲しかった言葉をかけてくれた友達。
大好きだよってまっすぐに伝えてくれた友達。
今はその子のおかげで生きてるといっても過言ではないです。
その子は一生の友達になると思います。
皆様にもいつか,自分のことを本気で愛してくれる人が現れるはずです。どうか,その時まで耐えてください。
生きてたら絶対に何かある。辛いことの方が多いかもしれない。でも,幸せになれるから。生きろとは言いません。死んだほうが楽ならばいいと思います。
でも,死んで何になりますか?生きてるだけで丸儲け。死んだらなんにもできない。だから,無理せずにゆっくり一歩ずつ人生という長いレールを歩んでほしいんです。
ゆいねの投稿が希死念慮がある方へ少しでも多く届けばと思っております。皆様の心に満開のチューリップやガーベラ,ミモザ,スズランなどのお花が咲き誇りますように。
【俺らを頼ってほしい。】Fin.
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1番メンバーにも辛いことを言わなそうな🤪くんを他メンで救うっていう物語にすごく胸打たれたっ🥹 やっぱり普段ビジネス不仲だけどこうゆう時は1番🤪くんの事を冷静に見てるのが好き🫶🏻🥹 本当にこの作品大好き!めっちゃ読む度に涙目になっちゃうし… 最初にメンバーに🤪くんの容態を言ったあとのメンバーの反応が、全員違ってめっちゃこうゆう細かいところまでこだわってて好き🫶🏻