テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
日曜日
AM 10:30 12月4日
「えっと、確かここだったよね」
今日は、アルカラム兄弟の皆さんは全員仕事と依頼があるらしく、僕だけ休みという珍しい日です。
アルカラムの皆さんが帰ってくる午後八時まで何処で何をしても良いと言われました。
なので、最寄りのアイススケートリンク場にきています。僕一人だけなので、実質貸切に状態です。めっちゃワクワクする!!
「色紙、サイン・・・?」
あ、そっか。ここ、日本代表プロフィギュアスケート選手の「斉藤璃星さん」の下積み時代によくきていた場所なんだ。凄いな。
靴も履いたし、来るまでにちょっと参考動画見てきたし、きっと怪我することはないでしょう!!・・・多分!!
そう心の中で思いながら、氷の上に乗る。スタートダッシュは上々で、綺麗に滑ることができた。実を言うと、彼はアイススケートリンクは、この日が初めて。なのに、どうしてこんなに上手いかと言うと・・・・・・・。
彼は何でも出来る「超人」だったからだ!!
主から (自覚してません)
「やってみるか・・・あの技」
実際言うと、怖い。でも、何故か、やる気しか溢れてこない。今の僕なら、出来る!
「へえ、ここのボロリンクやってたんだ」
「もう、とっくに廃業してるかと思ってた。・・・ねえ、弓弦羽」
「なに、麻有」
「ちょっと、行ってみない?」
「はあ!?何言ってんの?私は運動音痴だから、やらな」
「・・・どうしたの?」
窓から見える男性が、私の姉「斉藤璃星」に見えた。一瞬だけ。本当に一瞬だけど。
トリプルアクセルからクアドアクセルのプログラムを決めた時だけ。
「ビビった・・・。失敗するかと思った」
「でも、出来た。やれば、できるんだ」
その一言が、才能の劣等だけで夢を諦めてる自分にかけてる言葉なんじゃないかって、深く刺さった。
「アタイ、やっぱりやる。プロフィギュア選手目指す。そんで、お姉ちゃんの隣立てるようになる!!」
「え!?」
「そうと決まれば、練習だ!!」
「ちょ、ちょっと待って〜」
PM 15:00
僕は持っていたヘッドフォンを身につけて、流れている歌を口ずさむ。
「北千住駅のプラットホーム、銀色の改札」
「思い出話と想い出ふかし、腰掛けたベンチで」
「僕らは何も見えない、未来を誓い合った」
「寒さにこらえた木々と猫が、まるで僕らのことで、蕾を咲かそうと、身を揺らしている、素敵に笑っている」
「焦らないでいい、いつか花束になっておくれよ」
「それまで待っていてね、これからの展開をふたりで」
「飽きるまで、過ごしてみるからね」
「最低限の愛を伝えながら」
「どんな未来がこちらを覗いてるかな」
「君の強さと僕の弱さをわけ合えばどんな凄いことが起きるかな」
「ほら もうこんなにも幸せ」
「いつかはひとり、いつかはふたり」
「大切を増やしていこう♩」
後日、SNSで鬼バズを記録し、報道陣に追いかけ回されたのは、またべつのお話で。
ローラ📽️
176
976
コメント
1件
うわっ、番外編でワタルがスケート!?初めてなのに完璧に滑るとか、さすが“超人”すぎるだろ(本人は無自覚なのがまた笑える)。しかもその姿を見て夢を諦めてた女の子が“やっぱりやる”って決意するところ、グッと来たわ…。最後に口ずさんでた歌詞もすごく良かったし、後日バズって報道陣に追われるオチもワタルらしくて好き🔥 ほっこりするエピソードありがとうございます!