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えっまさかクロスボウピンクにされてたの皇刃くんのやつだったんだ…!あの時の照れ笑いからの「話し合わなきゃ」のギャップに笑ったわw 椥辻さんの悪気なしスマイルも含めてキャラの掛け合いが絶妙すぎる。最後の幻覚の伏線回収も見事だし、黒巣姫の脚が出てきたところで続きが気になりすぎる🔥 次回も楽しみにしてます!
第二十九章
幻惑の黒巣姫
「椥辻さんが間違えて入れたのかしら」
「……僕のだ、コレ」
皇刃くんは、ピンクになったクロスボウを手にし、形に沿ってゆっくりと撫でています。
「うん……間違いな、い……あの日、椥辻さんと選んだクロスボウだ、よ……」
がくっと膝から崩れ、ピンクになったクロスボウを見つめています。
何だか不憫に思えてきますが……今は我慢してもらうしかありません。
「皇刃くん。あの……お気の毒さまです」
違ーう!!
いえ、確かに気の毒ではあるのですけど……。
「うん……とりあえず今は仕方ないよ。後でキッチリ椥辻さんに聞くよ!」
皇刃くんは対黒巣姫用の薬を矢に括り付け、放ちます。
その矢が小さい節足動物に当たると、近くにいたものまで次々と毒で死んでいきます。
「すごいよ、皇刃くん!」
「ありがとう、早乙女さん。あの時……椥辻さんのクロスボウに助けられたおかげだよ」
照れた笑みを浮かべるも、一瞬で真顔になり、
「僕のクロスボウをピンクにした件については、話し合わなきゃいけないけど」
かなりご立腹のようです。
毒矢で死んだ子蜘蛛を見て、御厨くんが呟きます。
「可威ちゃん。とても立派だわ……ピンクのクロスボウは引っかかるけど?」
「なんや?うち、何も悪いことしてへんよ?」
「あら、この子……ホントに悪気ない顔しちゃって」
「なんや……ムカつくなぁ。クモの前にアンタの脳漿……飛び散らせたろか?」
バズーカを放ってすぐ、椥辻さんは腰から鎖付きのナタを取り出し、御厨くんに向けて投げ飛ばしました。
「きゃー!待って!いま蜘蛛を……っ!!ホント!そのナタ嫌い!!」
「このナタはなぁ……サクヤゆーねんで?仲良ぉーしたってや!」
にっこりといい笑顔で鎖を引き、ナタを手にした椥辻さん。
あのピンクのナタにサクヤって……。
あーあ……。
「……早乙女さん……まだ黒巣姫は現れてない?」
「え?……そうね……まだ……!!」
おかしい……。
これだけ大量に殺られたら、怒って出てくるはずなのに……。
「早乙女さん……幻覚かもしれない……」
「!!」
おかしいと思いました。
思いたくはありませんが、黒巣姫の性質を考えると、それが一番しっくりきます。
「早乙女さん。防御壁を展開したまま、千里眼はいける?」
「任せて!!」
多重術式の展開には、かなり体力を消耗しますが……言っている場合ではありません!
こんな時でも寝ている神剣くんが、憎たらしく感じます。
「……!!ここから16時の方向!!」
「わかった!椥辻さん!御厨くん!距離とって!」
言うと、皇刃くんは毒を括り付けた矢を放ちました。
その矢は吸い込まれるように消えましたが――
化物の慟哭が響き渡りました。
次の瞬間。
空間が割れ、太く黒い脚が姿を現しました。