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ある日の夜道、私は散歩をしていた。
幻想的な夜景が好きだったから、
私は1人、夜道を歩いていた。
そんな時、1人の少女を見つけた。
服のボロボロさや、髪のボサボサさで、捨て子だと直ぐにわかった。
私は好奇心も相まって、話しかけてみた。
レ「こんばんは、私は吸血鬼のレミリア、レミリア・スカーレットよ。貴方、何故こんな場所にいるの?」
???「分かんない。」
小さな声で、そう返ってきた。
やっぱり、この子は捨てられたのだろう。
そんな少女に1つの提案をする。
レ「ねぇ、貴方、私の屋敷で働かない?」
???「屋敷で…働く…?」
レ「そう、私の家で家事をしてもらう代わりに、貴方にお金や、衣食住をあげるの。」
???「いいんですか?」
少女の目に輝きが宿る。
そんな少女に私は手を伸ばした。
レ「もちろんよ。改めて、私はレミリア、貴方、名前はあるかしら?」
???「あ…ありません…」
少し、申し訳なさそうに言う。
レ「そうなの…それなら…」
しばらく考える。
名前を付けるなら、どんな名前が良いだろう。
そうして、1つの名前が思いつく。
その日、私は彼女に出会った。
大切な彼女に。
そしてその日、
まだ幼いあなたを『咲夜』って名付けた。
レ「貴方の名前は、『咲夜』!!」
レ「夜に咲き誇る漢字2文字で『咲夜』よ!」
咲「……!!」
咲夜が目を更に輝かせる。
レ「決まりね。」
レ「これからよろしくね、『咲夜』。」
彼女との物語は、ここから始まったなのだった。
次の日の朝、彼女には早速メイド服を着てもらい、少しずつ仕事をしてもらっていた。
私の昼と夜にある散歩にも、彼女はいつでも着いてきて、日傘をさしてくれた。
けれども、
咲「むむむ…!」
レ「………」
見習いからメイドとして始めたころは、
まだ日傘を持つ手が震えてたりしてた。
けど、必死に努力している咲夜の姿が私は好きだった。
だからこそ、
どんな時でも、いつもいつも私たちは一緒だった。
レ「無理しなくてもいいのよ?」
咲「いえ、大丈夫ですッ!」
親友のパチュリーと話をしている時も、こうやって、背伸びして私の髪をといてくれた。
そんなある日、咲夜は美鈴と出会った。
まぁ、美鈴は寝ていたが、咲夜はそんな美鈴の大きな胸に夜色の瞳輝かせていた。
咲「いつかは私も…」
レ「残念な未来が見えるわねぇ」
咲「ムゥー!」
そうやって、
あなたがそばに来て私はいっぱい笑ったんだな
だからこそ私は、咲夜に会えない夜が少し苦手になった。
咲「おやすみなさい!お嬢様!」
レ「う〜」
咲夜 咲夜 会いたいよ。
いやだ、朝までなんて待てないよ。
天に輝く明星 お願い、
時の針をもっと回して。
レ「う〜、う〜。」
そんな声を漏らし、時計を見る。
もちろん数分しか経っていなく、
また項垂れる。
咲夜 咲夜 会いたいよ。
いやだ、懐こい笑顔待てないよ。
天に輝く明星 お願い、
時の針を早く回して。
咲「おはようございます!」
レ「ニャ!」
レ「ニャニャニャー!」
十六夜の月 あなたの日傘は近かった。
レ「フフ、まだまだね。」
咲「頑張ります!」
居待の月 日差しが漏れ出る震える手
「うおっ、眩しッ!」
「ぐぬぬ…」
更待の月 出される紅茶は苦かった
レ「さてっ、頂きます。」
レ「苦っ…!?」
そう思っていると、頭に向かって、クローシュの皿が飛んできた。
《トスッ!》
レ「あいたッ!」
咲「はわわ…大丈夫ですか!?」
レ「だ…大丈夫よ。」
下弦の月 いつのまに遠くなる日傘
レ「ふんふふ〜ん♪」
咲「うふふ、機嫌が良さそうですね。」
レ「なんででしょう、完全で瀟洒な従者がいるからかしらね。」
咲「誰のことでしょうか、フフフ。」
有明の月 日差しを漏らさぬ瀟洒な手
レ「今日の日傘も完璧ね。」
咲「当然ですよ、お嬢様。」
三十日の月 おかしな紅茶を淹れだした
レ「頂きます。」
レ「おふ…」
咲「にやり…福寿草ですわ。」
レ「に、苦い…」
小望の月 ふたたび近くなった日傘
レ「咲夜…」
咲「なんでしょう?お嬢様。」
レ「………」
レ「いえ、なんでもないわ。」
咲「………」
咲「了解しましたわ。」
満月の夜 最後となる貴女の紅茶
レ「久しぶりに、なんの仕掛けもない完璧な紅茶よ、咲夜。」
咲「ありがとうございます。」
その日の夜、咲夜がお休みの挨拶をしに来た時だった。
咲「おやすみなさいませ、」
咲「お嬢さ…ま…」
《ドサッ…》
私が咲夜を受け止める。
人間の体で、充分頑張ってくれたわね、咲夜。
そう思う、そう考えるようにする。
けれど、けれども…
美「やはり、当たり前でしたが、私では…」
レ「えぇ、背が高くて、眩しいわね。」
美「すみません。」
レ「謝らないで、これは誰のせいでもないのよ。」
咲夜 咲夜 会いたいよ。
いやだ、明日も貴女を待ちたいよ。
天に輝く明星 お願い、
咲夜じゃなきゃ背が高いんだ。
咲夜 咲夜 会いたいよ。
いやだ、すました笑顔待ちたいよ。
天に輝く明星 お願い、
日傘が遠くてまぶしいわ。
パ「レミィ、これ以上はやめてちょうだい。」
パ「ここは私の書庫、だから分かるの、どこにも、『寿命を伸ばしたり』『人を若返らせる魔法』なんて、自分自身が魔女にならない限り、手に入らないわ。」
レ「ごめんなさい、もう少しだけ探さして。」
小「きゅ〜」
早「神奈子様!大変です!レミリアさんが!レミリアさんが!」
諏「レミリアさん、悪いけど、いくら参拝したって、人を若返らさせるなんてことは…」
神「やらせておこう、彼女は若がらせる方法は探しているんじゃない。縋っているんだ。1にも満たない奇跡に。」
て「私に何をさせようって言うんだい!?」
イ「ちょっ!?てゐが連れていかれてる!?」
輝「どうなってるの…?永琳?」
永「彼女は今、何百年も続く人生の中で1番の壁にぶつかっているのよ。」
輝「壁?」
永「そう、私達は長寿の者が偶然集まったが、彼女違う。彼女の従者は人間なんだからね。」
輝「そういう…事なのね。」
レ「言いたいことは分かるわね。」
永「………やっぱり、効果無いわよね。」
レ「分かっていたのね。」
瞬間、永琳の首元を掴む。
永「私に恨みをぶつけたいならやりなさい、ただ、寿命を変えるというのは、禁忌の1つ。」
永「そんな薬が集まる場所なんて、月の都以外無いわ。」
レ「そんなこと…そんなこと、分かっているのよ。」
レ「………」
レ「ごめんなさい、私としたことが、迷惑をかけたわね。」
永「受け入れ難い運命なんて、誰にでもあることよ。貴方にも、私にもね。」
そうして、1人。
結局何も出来なかった。
レ「お願い。本当の神様が居るなら、昨夜を、私を救って…!!」
咲「そろそろみたいです。」
と貴女はそっと言う。
その声を私は背を向けたまま聞いた。
従者に見せちゃいけない顔だから、だけど、
咲「幸せでした。」
貴女がそう続けるから…
咲夜 咲夜 会いたいよ。
いやだずっと貴女を待ちたいよ。
天に輝く明星 お願い、
時の針を止めてしまって。
咲夜 咲夜 会いたいよ。
いやだ貴女の笑顔待ちたいよ。
天に輝く明星 お願い、
時の針を進ませないで。
咲夜 咲夜 会いたいよ。
いやだずっと貴女を待ちたいよ。
天に輝く明星 お願い、
時の針を逆さに向けて。
咲夜 咲夜 会いたいよ。
いやだ貴女の笑顔待ちたいよ。
天に輝く明星 お願い、
私の時を取り返して。
私は1人、ベットの上で寝ていた。
お嬢様は、泣き疲れて眠ってしまったようだ。
そのいつまでも子供じみたところが、愛おしくて、大好きで…
咲「死にたく…ないです。」
心の声が漏れる。
いけない、お嬢様がそばに居る間は、言わないって決めてたのに。
お嬢様だって、色々と助けようとしてくれたのに。
???「いいんじゃないですか?」
その時、ふと声がした。
そっちを見ると、そこに居たのは…
咲「貴方だったのね、美鈴。」
美「えぇ、ごめんなさい、少し盗み聞きしてしまいました。」
美鈴はそう言って、頭を下げる。
私は、なにかいたたまれない気持ちになって、直ぐに頭を上げてもらおうとした言った。
咲「気にしないでちょうだい。言葉を漏らしちゃったのは私なんですから。」
美「そうですか、分かりました。」
美「それで、もう話しちゃってもいいんじゃないですか?」
咲「えっ?」
不意に力が抜けるような感覚が入る。
美「お嬢様は妖精メイドに自室まで連れて行ってもらいましょう。だから、もうお嬢様はいませんから、」
美「聞かせてください。貴方の思いを、」
そんなことを言ってくれる、美鈴に心底喜びを覚えながら、申し訳ないが、断る。
咲「ありがとう、だけど、それを言ってしまったら未練を残してしまいそうだから、」
そこまで言いかけて、美鈴が言葉を塞ぐ。
美「いいんですよ。それで、」
咲「あっ…」
美「未練タラタラでも、最後に気持ちを吐き出した方が、楽になれる、なら、それでいいんですよ。」
その言葉を聞いた瞬間、隠してた想いが全て込み上げてきた。
みんなのこと、お嬢様のこと、幻想郷のこと、全て全て。だから私は、私は…
まだ幼いあなたを『咲夜』って名付けた。
夜に咲き誇る漢字2文字で『咲夜』。
貴女が去りおかしなお茶はでなくなる けれど、
しょっぱい紅茶はやはり美味しくないわね
咲夜。