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その日は泊まり込みで作業に追われた。顧客対応に指示を終え、ヘッジを切る予約(マーケットが開くのは午前9時からなので、成り行きで注文)を入れた。先物がめちゃくちゃ上がったので、今日の日経は爆上がり間違いなしだろう。昨日の歴史的下げはいったいなんだったの?
久々にデイトレ時代の感覚を思い出した。
振り返れば、大口の機関やヘッジファンドたちが揃いに揃って売り圧力をかけてくるので、いよいよ投げ売りをしてしまうラインが昨日だったのだろう。実際僕も辛かった。自分の判断が間違っていたのではないかと、しんどい局面だった。結果、耐えて正解だった。
一昨日2200円近く日経が下げた際、潤は株を買おうとしていた。これは、底値圏だと判断して買うやり方だ。しかしそれにはリスクが伴う。早すぎる判断は、危険を孕む。ここで勝負をかけた人は、昨日すべてを失ったことだろう。追証(※信用取引で買った銘柄や代用した株式が値下がりすると、担保の価値が下がり、取引額に対する比率が下がります。 一定の割合を下回ると定められた期日までに追加で保証金を差し入れる必要があります。 期日は証券会社によって異なりますが、義務発生日の2営業日後が多いようです)で苦しんだり、投げ売りさせられ、早速借金地獄というのも聞いた。リスク資産は、マイナスが付いた状態で手放せば、その金額が実際のマイナスになって、借金として背負うことになってしまうから。
もし、底値圏だと思って買うなら打診買いにしておくべきだ。大きく儲けようとしてインすると、とんでもないことになる。それをわかった上で売買するならいいけれど、大抵の人間は失敗して大きなマイナスを負うことになる。
僕はいつも『ここだ』と自分で判断したところしか勝負しない。チャート分析してキッチリ結果が出せそうな所で売買するから負けが少ない。それを徹底しているから、今後、TENGAを継続できるだろうと確信した。
「おはようございます。お弁当届けにきました」
耳がぴくっと動いた。
午前8時。明け方交代でシャワーを浴び(近くに24時間フィットネスジムがあるのでそこへ行った)仮眠を取ったので、頭はしっかり冴えている。
さっきの声は、愛しの先生の声だ!
ばっと入口まで走って行った。先生に会えた!!
僕は人目もはばからず先生を抱きしめた。「会いたかった…!」
シャワーを浴びているから汚くないけれど、臭くないか心配。
でもそれ以上に先生が足りない。
ほんとうならなにもかも放り出して先生のもとに帰りたいところだけれど、やっぱり顧客から大切なお金を預かっているのだから、無責任なことはできない。
今日という日を乗り切ったら……ヤるぞ!!
僕はいよいよ……男になるッ!!
「む、睦月君……みんなみてるから…」
「見せつければいいよ。佑里香さんは僕のものだって、世界中のみんなに言いふらした気分だもん」
「あ、ありがと……」
「今日早く帰るからね。待っててくれる? それとも僕が待っていようか」
「あ……あの……」
「おい睦月。油売ってる暇ねえぞ。さっさと戻ってこい」
先生とじゃれていると潤の雷が落ちた。
ちぇー。いいとこなのに。
コメント
1件
睦月くん、仕事めっちゃ頑張ってるね…!デイトレの感覚とかリスク管理の話、ちゃんと考えててすごいなって思った。でも一番は先生に会えたときの「会いたかった…!」だよ。もう抱きしめるところで心臓ギュッてなった(笑)。潤に邪魔されたの悔しいけど、次は絶対「男になる」んでしょ?期待してるからね🤍