テラーノベル
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「睦月くん、お仕事頑張ってね。応援してる」
「ありがとう佑里香さん! 世界一愛してるよ!!」
張り切って笑顔で言うと、ぽぽっと顔を赤らめた先生がはにかんでくれた。
くう~、かわいい!
このまま2人きりで愛を語りつくしたい!!
名残惜しそうに彼女がエレベーターに乗り込む所を見つめていると、潤に襟首を掴まれてモニターの前に座らされた。すでにお弁当は配られた後で、みんな豪華な幕ノ内弁当にありついている。僕のお弁当には小さなメッセージが付いていた。
『お仕事 頑張ってね! 佑里香より』
わあああこのメモ一生保存モノ!
お弁当や手紙を何枚も写真に収め、デスクでお弁当をいただいた。
栄養のバランスの取れた幕ノ内弁当は、ほんとにおいしかった。ご飯やおかずもまだあったかくて、最高に元気出る!!
「よぉぉっし、今日の僕は無敵!」
投機だろうがヘッジファンドだろうが、まとめてかかってこい!
先生をお嫁さんにできる約束を取り付けた僕は今、最強無敵だぞ!!
そして迎えた前場(ぜんば)――マーケットが始まる。
マーケット開始から大きく相場が動いた。開始後に成り行きでヘッジのポジション(今回は売注文)を切ったので、ショートポジションの分利益が発生した。
ロングポジションは未だマイナスだけれども、値動きが上昇に向かい、ぐんぐんマイナスが減っていく。
インデックスファンドも数日経てば戻るだろう。大きな損失が出るどころか、ヘッジを早くから入れたものだから却って儲かった。
これでうちの顧客にも顔向けできる。ほんとによかった。
今日はお礼の電話が多かった。TENGAや睦月社長の意向を信じてよかった、と言ってもらえたことが嬉しかった。
これは、ぜんぶ先生のおかげだ。
『僕が決めたことだから信じて欲しい』と、僕のことを信じてくれた先生の言葉があったからこそ、耐え抜くことができた。
ヘッジを入れていたので損失は最小限に抑えたが、それでもすべてを補えたわけではない。
先生がいてくれなかったら、僕は昨日すべてのリスク資産を手放していただろう。それほど酷い相場だった。こんなに酷い下落を経験したのは初めてだ。コロナ禍の時に株価は暴落したけれども、その時は中学生だったし勉強中だったから予想だけで実際に相場にインしたわけではなかった。
これはとてもいい経験になった。リスク資産は必ずしもいい時ばかりではない。いい時よりも悪い方にマーケットが傾いた時、いかに『どうするべきか』ということを考えておかなきゃならない。
コメント
1件
わあ、このエピソード、めちゃくちゃ胸熱でしたね…! 佑里香さんのお弁当メッセージに「一生保存モノ」ってテンション爆上げしてる睦月くんが可愛すぎるし、もらった言葉を力に変えて専門の仕事で結果を出すところがかっこよかったです。恋愛と仕事がちゃんと地続きになってるのがすごくいい。先生の存在が彼の自信と判断力を支えてるんだなあって、じんわりしました。