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2話|n. 存在しない君
リオルザ町の“ 神隠し ”
それは、いつ頃から言われ始めただろうか。
他人が覚えていなくとも、僕らは覚えている。
君が何より、僕らの大切な人であったから。君が、〝絆〟で結ばれた5人の一員だったから。
夏の季節、線路沿いにある公園。
踏切が閉まる音、蝉が鳴く声、家中から聞こえる風鈴。どの事も夏らしい物。
そんな中俺は、仲間という存在を待っていた。
「退屈だなぁ~………ブランコしよっと、」
待ちくたびれた俺は、ブランコに乗って漕ぎ始める。
ブランコを漕ぐと同時に臭う、あの時の感覚。少し染み付いた鉄の匂い。
鮮明に蘇るかのように、思い出す、少年時代のことを。
「me〜n!」
元気よく俺の名前を呼びながらこちらへ走りよってくる青年。
短髪の白髪に爽やかな青色の瞳。幼馴染でもある彼はとりあえず今も元気そう。
そんな元気な子に遅れをとりながら、2人の青年も現れる。2人もまた、俺の幼馴染だ。
「ちょっ!w orfくん速いってぇ〜!w」
「僕らが遅すぎるだけですよbnさんww」
「dzさぁ〜ん?w酷いってぇ〜……w」
紫がかったような黒に近い純黒な髪色に鮮やかな紫色の目。 そしてサングラスをかけて大人びている姿。
ただ、性格は変わっておらず、子供のように無邪気だ。
そしてその隣に立つ金髪の髪に燃え上がるような紅色の眸子(ぼうし)をした青年もまた、俺の幼馴染で大切な人。
今、行方不明になってしまった子を除き、4人が揃った。
「分かってるっすよね?」
「もちろんやで、men」
「もちろん、分かってるよ」
「もちろん、取り返そうか」
「「「「僕らの大切な仲間を──」」」」
永久封印。リオルザ町の“ 神隠し ”と言われ、失った、大切なたった1人の仲間の為に───
存在しないと言われた君を取り戻しに_。
3話|n. 情報収集