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7/17 少し変更しました
眩しい、今は何時だ?
こんなに明るいと寝坊かもしれない。そう思い、目を開けると空が広がっていた。
「…え?」
体を起こし、あたりを見回すと木や花が咲いていて、近くに湖がある。そしてなぜか視線が低い。今の自分がどうなっているか見るために湖に向かう。そして覗き込むと、それはそれは顔の整った美しい少年が現れた。まるで光に当てられて光るシルバーブロンドの髪、アメトリンのように人の目を引く紫と黄色の瞳。
…この顔、見たことあるな。あぁ、思い出した。この顔は自分がハマっている漫画、ヘタリアのキャラクター、レイリのの顔だ。
もしかしてだが…自分は、転生というものをしてしまったらしい。
ここで悩んでも仕方がないので、人を探すことにする。だけど、いつもならすぐに着く距離でも子供の体だと時間がかかるし疲れる。
やっとの思いで村についた時には、日が落ちていて少し肌寒くなっていた。とりあえず近くにいる人に話しかけて泊めてもらうことにする。
「すみません、おばあさん。家がなくて困っているんです。1日だけでも泊めてもらえませんか?」
「あらあら、こんな小さい子が泊めてほしいだなんてねぇ。私の家でいいなら泊めてあげるよぉ」
「本当ですか!ありがとうございます!」
ちょろいな。この顔面と自分が国だからかすぐに信用してもらえる。
家につくと、温かいスープを出してくれた。
「おいしいかい?」
「はい!」
「それはよかった」
食べたあとはお布団で寝かせてくれた。
美味しそうな匂いで起きる。眠い目こすって匂いのもとに行く。
「あら起きたのかい?もうちょっとでできるから待っててね」
「はい…」
そういえば、自分が国であることを伝えた方が良いのかな。
「はいどうぞ」
「ありがとうございます…」
おいしいなぁ
「君、名前はなんていうんだい?」
「レイリ、レイリです」
「初めて聞いたのになぜかしっくりくるねぇ…レイリ、君は住む場所があるのかい?なかったら私の家に…」
「ありがたいですが…断らせていただきます」
「なんでだい?」
「…あなたは、大事な国民の一人なので無理をさせたくないのです」
おばあさんは口を開けて驚いた。
「おや…君のような小さい子が国だとわねぇ…だからあったときに懐かしい感じがしたよねぇ」
「ここを出ていくなら港のほうに行きなさい、そこは偉い人がいるのよ」
「わかりました、港ですね」
「それと、これを持っていきなさい」
そう言っておばあさんは石?を渡してくる。見てみるとオーロラのように輝いている。これは…ラブラドライトか。
「これ…もらっていいのですか?」
「いいのよ、持っていきなさい」
「ありがとうございます。そろそろ港のほうに行かせていただきます」
「もう行くのかい…?また会おうね」
「…また、いつか」
潮の香りがする。
何時間か歩いて、ようやく港についた頃にはへとへとになっていた。顔を上げて、海の方を見ると水面が太陽の光を反射しキラキラ光っている。周りには市場が開かれており活気に満ち溢れている。さて、ここからどうするか。偉い人がいると聞いて行ったはいいが、人が多すぎてわからない。もしかしたら、船の方に行けば会えるかもしれない。
物陰に隠れてこっそり船の様子を見る。どうやら、荷物を積んでいる最中らしい。
「この荷物はどこに行くんですか?」
「アイスランドだよ、あんな寒い場所になんで送るのかね」
へぇ…いいこと聞いたなぁ。ここに乗ればアイスランドに行けるのかな?もしかしたら会えるかもしれない…推しだから会いたいな。だけど、こんな子供なんて乗せてくれるわけないし、国だってわかっても連れて行ってくれなさそう。
…こっそり船に入るか。
船員の見てないうちにこっそり船の中に入り、荷物と荷物の隙間に隠れる。その時、急に揺れた。
「う、わ」
ガタガタと荷物が揺れていて、時々押しつぶされそうになる。その上、カビ?のような匂いがして臭い。早速酔いそうだ。
「うぅ気持ち悪い、船旅舐めてた…」
ガタンガタンと荷物と荷物が当たる音がする。移動時間は寝ようと思っていたがこれでは寝れなそうだ。
しばらく船酔いの吐き気に耐えていると、荷物が揺れなくなって慌ただしい声が聞こえてきた。だが、どうやって出るか全く考えてなかった。荷物の中に隠れる?でもどこに運ばれるかわからない。人がいないタイミングで外に出る?どうしようか考えていると足音が近づいてきた。まずい、隠れる場所がない。こうなったらドアが空いたらその隙間から出て逃げてやる。
3…2…1…
扉が空いた。それを見た瞬間すぐに走り出した。気づいた船員が捕まえようとするが、うろちょろ動き捕まらないようにする。
「その子供を捕まえろ!」
ほんと、乱暴で嫌になっちゃうね。こんなにもかわいい子なのに。全力疾走でなんとか船から出ることができた。さあ、アイスランドはどこにいるのかな。周りを見渡すが、船員に捕まらないようにするために適当に走ったせいでここがどこかわからない。まあ、適当に歩いてたら会えるだろう。
遠くに小さい人影が見える。シルバーの髪、アメシストの瞳…アイスランドだ。早く話してみたいから全力で走る、走る。こちらに気づいたアイスランドがその瞳に僕を映す。
「だれ…?」
「レイリと言います。あなたの名前は?」
「アイスランド、ねぇなんでこんな何も無いところに来たの?」