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「女子トーーク!タランティランタン、ふぉー!」

某トーク番組のような始まり。

「なんか始まった」

と言いながら笑うルビー。

「せーのっ。わたしたちはー恋愛話、大好き、芸人です!なんで誰も言わないのよ」

「いや、なんでもなにも、誰もなんも聞いてないから」

詩衣が顔の前で手を横に振る。

「妹なんだからお姉ちゃんの言いたいことくらい汲んでよ」

「無理でしょ」

「ま、ということで恋バナっすよ!皆さん!」

「…」

「…」

「ふっ。那緒ちゃんも詩衣もだんまりよ」

と言いながら笑うルビー。

「ちょー。乗り気じゃないなー」

「乗り気じゃないもなにも、恋バナってお姉ちゃんの話しかないでしょ」

「えー?」

ニマニマしながら那緒を見る歌乃。

「な、なに」

「なにってそりゃー、ねぇ?」

ルビーを見る歌乃。

「ねえ?」

ルビーもニマニマ顔で言う。

「だからなに」

「まあいいや。那緒は一旦置いといて」

文字通り、なにかを右から左へ置くようなジェスチャーをする。

「なんもないって言っていた我が妹とルビーちゃん」

「なに」

「ん?」

「なんもないとは言っているけどもさーあー?君たち2人は華の女子高生なわけだよ。JKよ?JK」

「イエーイ」

「まあ、ね?」

「そんなJKのときなんて恋バナの100本や200本あるもんでしょー」

「単位がおかしい」

「それな」

「で?で?」

両手で手招きする歌乃。

「なんもないって」

「それはガチよ。うたちゃん」

「えぇ〜」

「お姉ちゃん残念」

「イケメンは?カッコいいなぁ〜って思う子とかいないの?」

「イケメン…まあ、クラス内でイケメンって言われてるのは」

ルビーを見る詩衣。ルビーも詩衣と目を合わせる。

「涼天くん?」

「だね」

「涼天くん??」

俄然興味津々の歌乃。身を乗り出す。

「誰誰」

「詩衣の隣の席の」

「えーー!!」

「うるさっ。お姉ちゃんうるさい。夜中だよ?」

思わず口を両手で塞ぐ歌乃。

「ごめんごめん」

と言いながらルビーを見る。

「大丈夫大丈夫。家(うち)防音だから。騒いじゃってくれ」

「おぉ〜。さすが袴田家」

「こーゆーときお金持ちって…」

「で!我が可愛い妹の隣にクラス1のイケメンが!?」

遠慮なく声を張り上げる歌乃。

「うるさいなぁ〜。誰もクラス1とは言ってないでしょ」

「あ。違うの?」

ルビーを見る歌乃。

「んん〜…」

詩衣を見るルビー。

「クラス1?」

「…言われてみると…どうだろ」

「女子人気が高いのはたしかだよね?」

「それはそう」

「髪型は?髪色は?身長は?頭良い?何部?」

質問責めの歌乃。

「髪型…。どんな髪型だった?」

腕を組んで思い出そうとするが、思い出せず詩衣を見るルビー。

「なんていうのかな…。あ、髪色は黒」

「いいねぇ〜黒髪イケメン」

「髪型はねぇ〜…なんか姫カットっぽいというか…」

「あぁ〜、なんか触角部分揃ってたっけ。こう、スッっと」

「うん。襟足は長めの…難しいな…なんていうのかなあの髪型」

「なんか名称あんのかな」

ルビーはスマホを取り出して検索エンジン Hoogleを開いて「メンズ 髪型」と入れて検索した。

「んん〜…」

スクロールして、スクロールして…。

「ないわ」

なかった。

「なんかウルフカットみたいな、なんか姫カットっぽい感じ」

「不思議な子だねぇ?」

「不思議…まあ、髪型は不思議だけど、めっちゃ静かで普通だよ」

「目立ってないけど目立ってるよね」

「それ」

「矛盾してんなー。で?詩衣は涼天くんとなんかないの?隣の席なんでしょ?」

「…なんもないけど?」

「今の間はなんだー?なんかあるな?」

「なんもない」

「吐けー!」

詩衣に飛びつく姉、歌乃。妹をくすぐる。

「ちょ…お姉ちゃん…あはは…待っ…んふ…やめ…」

「吐け吐け吐けー」

「おぉ。姉妹のくんずほぐれず。ご馳走様です」

と手を合わせるルビー。

「男子トーーク!」

ほぼ女子と同じ始まりの男子部屋。

「はいールイー拍手ー」

言われるがまま拍手をするルイ。

「はい。ということで」

と普通の声で言った後

「せーの」

と小さい声で言い

「僕たちはー恋愛話、大好き芸人です!」

やはりほとんど一緒だった。キョトンとした顔をするルイ。

「おいおいおいおい。わかるでしょ」

相変わらずキョトン顔のルイ。

「ア○トーーク!だよ。あ、もうア○じゃないか。相方炎上してるし」

嫌なところを突く保。

「炎上してんの?」

なぜか食い付くルイ。

「え、知らん?なんか今さ、相方さんってか、あのキノコヘアーの人1人で頑張ってんじゃん」

「うん」

「で、なんか今さらもう1回2人でやりたいとか言い始めて。なんかいろいろやってんじゃん?

で、コメント欄とかポツッターとかネット界隈では「じゃあ最初っから逃げずにやれよ」とか

「今さらすぎんかw」とかボーボー燃えてる」

「大火災か」

「消防士さんも手に負えないやつ。ま、何事も中途半端はよくなよなぁ〜。

なんかMyPiperが歌出したりさ?聞いてるほうも下手くそだなぁ〜って思うし

放送事故乙じゃん?ファンしか喜ばん…ってかファンも喜ばんクオリティーの可能性もあるやん?」

「さあ。うまい人はうまい。下手な人は下手ってしか思わない」

良くも悪くも中立なルイ。

「あとあれ!最近テレビでさ、ちょーっと有名になったからっていって

すぐアイドルプロデュースしたりするじゃん?」

「興味なさすぎて全然知らない」

「あと卒業アイドルもすぐアイドルプロデュースしたりする。

なんかマジ中途半端すぎてキモいよなー。プロデュースされた側も中途半端だしさ?

○○プロデュースのアイドルって肩書きでしか出ないし」

「へぇ〜」

「オレとうたの愛のように一筋貫いてほしいよね」

「oh…胸焼けが」

「おい!」

「もっとなんか愚痴ないの?芸能人の愚痴とかMyPiperでもいい」

相変わらず眠そうで、やる気のこれっぽっちも感じられない顔だが

どこかニマニマしているような顔のルイ。

「そーゆー悪口が好みー?悪口大好き芸人?」

「保の悪口は的を射てるから好き」

「んふふ〜。ルイに褒められるとテンション上がりますねぇ〜。

まあ?たしかに?オレは世間の代弁者。的を得ていて当たり前なのだよ」

「的を“射る”ね」

「え?」

「的を“射る”。得てどうする」

「へ?マジで?」

「褒めた途端これだから」

「オレ今の今までずっと的を得てって言ってた。

まさかルイに教えられるとは。純日本人のオレが」

「ま、オレハーフだから。てか、今の日本人の若い子とかより

海外から日本語を学びに来た人のほうがよっぽど日本語うまかったりするから。

Dadだって純正のイギリス人だけどめっちゃ日本語うまいし

純正の日本人のmumも知らない日本語とか知ってたりするし」

「そうなんか。日本人が日本語を大事にしなきゃな」

「お。いいこと言う。じゃ、的を“射ている”悪口を」

「お、おぉ。いいこと言った後にですか…。あぁ〜、あれ。芸能人は大好き大好き言い過ぎね」

「ほお?詳しく」

「やれマンガが大好きーアニメが大好きーキャンプが大好きーシルフィー大好きーとか。

なんかあれもこれも大好き大好きって言ってるとさー」

「嘘感エグくない?私マジで嫌なんだよね」

と保と同じことを愚痴っていたルビー。

「おぉ。ルビーちゃんが盛り上がってきたね」

「マジでさ、芸能人でヲタぶってるやつまじなんなの?ガチでないんだけど。マンガ好きですーみたいな」

「それこそ、私たちはマンガ大好き芸人です、みたいな?」

「それ!!マジでFuck off!!I haっ…te it already!! Stupid idiot!! Moron!! Piece of shit!!

Anyone who says that is a bastard!! Right??Shall I say it one more time?」

「おぉ…英語のマシンガン…さすがはルビーちゃん。ネイティブだわ…」

「綺麗な英語」

那緒も思わず呟くほどの綺麗な英語。

「さすがルビー。うちの英語の先生も舌を巻く英語力だから」

「さすがです」

「さすがです」

「でさ?」

止まらないルビー。

「マジでマンガとかで番組してる芸能人マジで無理。

“好きなことを”仕事にするのはいいと思うのよ。夢叶えてるわけだからさ?

でも“好きなことで”仕事をするのは違くない?好きなものを利用してお金稼いでるって、マジで…あり得ない。

大好きとか言わないでほしいマジで。ヲタクとしてはマジあり得ない」

「ルビーこう見えて二次元大好きっ子だからね。アニメ、マンガへの愛はエグいよ。気持ち悪いくらい」

「おい詩衣!今気持ち悪いって言ったな!こんな可愛くて綺麗なルビー様を捕まえて」

「そんで自分の顔面のクオリティーとスタイルの良さにも自信を持ってる。

しかも実際に顔もスタイルも良いっていうのがさらにタチが悪い」

「こんにゃろー」

詩衣に飛びかかるルビー。

「ちょ…待って…1日に2回…くすぐりは…ぬふっ…んふふ…待って…」

「あぁ、リアルJKのくんずほぐれず。やってたねぇ〜私らも」

那緒に寄りかかる歌乃。

「まあ、たまにやったかな?私たちはそんなやんなかったけどね」

とくすぐり合う詩衣とルビーを見ながら言う那緒。

そんな那緒の脇腹をツンッっと人差し指でつつく歌乃。「く」の字に折れ曲がる那緒。

「なにすんの」

「ん?あんまやらんことをやろうかと」

「マジでくすぐりダメだって中学んときから言ってたでしょ?」

「んー?」

「んー?じゃない」

もう1回ツンッっとする歌乃。「く」の字に折れ曲がる那緒。

「うたー?」

「んー?」

もう1回ツンッっとしようとする歌乃の腕を掴む那緒。逆に歌乃の脇腹をツンッっとし返す那緒。

「はふんっ」

「これで終わり」

「んなわけ」

目に炎が宿る歌乃。那緒に襲いかかる。ということでルビー対詩衣。那緒対歌乃のくすぐり試合が始まった。

「ってなわけですよ。どうです?オレの的を“射た”悪口。

…ん?的を得ただっけ?あれ?的を射るってのが間違ってた?だから的を得るが正解?あれ?どっちだっけ」

「的を“射“る」

「射るか。オーケーオーケー。もう忘れない」

「すぐ忘れそう」

「失礼な。どーする?次なにする?枕投げ?」

「修学旅行か」

「感じしない?」

「まあ…」

チラッっとルイのベッドを見る保。ルイのベッドには枕が2つある。

「投げてもいいけど…あの枕も、するぞ」

ゆっくりとルイのほうを見る保。ルイと目が合う。

保は右手の親指と人差し指をつけ、丸を、いわば、俗に言う「オーケーマーク」を作り

「これ?」

と言った。

「ふつー横じゃない?」

ルイも親指と人差し指をつけ、丸を、いわば、俗に言う「オーケーマーク」を作るが

保は中指、薬指、小指は天井を向いているが、ルイはその3本の指を横に向けていた。

いわば、俗に言う「お金マーク」である。

「あぁ、横か」

「相変わらずアホだな」

「失礼な」

「縦だったら大仏でしょ」

保は視線を上に向け、大仏を想像する。


頭、というか髪がポコポコで、目、半開きか瞑ってて


ポクポクポクチーンという音が頭の中で鳴り響く。

「今頭の中でポクポクポクチーンって音鳴ってた?」

「さすが親友!よくわかったな!」

「それ神社の木魚。大仏とは…関係なくはないかもだけど、そんな関係ない」

「ガチか」

やはりアホである。

「…ま、いいや。ゲーム!ゲームやろうぜ!」

と言いながらルイの部屋のテレビの近くにハイハイしながら近寄る保。

「ルイ、あんまゲームするイメージないのに結構いろんな持ってるよなぁ〜」

ルイの部屋には神殿堂のサティスフィーをはじめ

パスタイム スポットも5とポータブルがあり、その他にもゲーム本体があり

それに対応するソフトもズラーっと並んでいた。それを眺める。

「CMとかMyPipe見てて、おもしろそーって思ったらとりあえず買ってる」

「はえぇ〜。いいなぁ〜お金持ちは」

現にパッケージのビニールを開けていないものがあった。

「開けてすらいないじゃんこれ」

「あぁ。ビニール開けるのに苦戦して諦めたやつ」

ジト目でルイを見る保。


ハサミで開けろよ


というのツッコミをグッっと心にしまった。

「開けてい?」

「別にいいけど?」

「どれどれぇ〜?」

ソフトを抜き取り、タイトルを見る。「ゼリーバトルパーテー」だった。

「パーティーゲームなんてまた珍しい」

と言いながら爪でビニールを破り開ける。

「ゼリー同士が戦ってその身を削られるっていうのがなんかおもしろくて」

よく見ると「Cero」俗に言う年齢指定が「C」

海外で言うところの「Rated」「R15」15歳以上のゲームだった。

「え。グロいん?」

「グロくはないよ。ゼリーだし」

「でも15歳以上」

「ただあれじゃない?銃撃つし、撃ったときゼリーが弾け飛ぶから、それがちょっと暴力的なんじゃない?」

「なるほどね。やろーぜ!」

「いいよ」

ということで保がセッティングを行い、たった2人だけでパーティーゲームをプレイすることになった。

「お。タイマンで対決!みんなで対決!タイマンタイマン」

ピロン!タイマンモードを選ぶ。

「ミニゲームを選ぶ。ランダムで遊ぶ。ランダムでしょ」

ピロン!そして2人とのキャラを選ぶ。保は薄いヒョウ柄のつり目のゼリーのキャラクター

ルイは黄色の眠たげな青い目のゼリーのキャラクターを選んだ。

「っしゃー!Aボタン押してルイ」

「うい」

2人のキャラクターの下が「Ready」となった。

「最初のゲームはー…」

テレビ画面に映った文字。「クイズ対決」

「…」

「あぁ〜。保の負け確」

「…な、舐めんな?クイズ対決だってな、オレが勝つ!」

一方その頃、女子部屋では

「はあ…はあ…」

「あぁ…あはは…あ…残り笑い…が…」

「はあ…バカなの…ルビーは…」

「あぁ…汗かいたわ…」

「…シャワーだけでも浴びる?」

「そうしようかな…。先ルビーちゃん行ってきて」

「じゃ…」

と言って立ち上がるルビー。詩衣の手を掴む。

「なに?」

「行くよ」

「は?」

「いや、シャワーなんだからパパッっと」

「いや。パパッっとなんなら、なおさら一緒の意味がわかんない」

「いいでしょー別に。減るもんでもないし」

「エロおやじか」

「それにどうせ修学旅行で裸見るんだし」

「行ってこい」

パシンと妹のお尻を叩く姉、歌乃。

「いったいな〜」

と姉に促された詩衣はルビーと一緒にルビーの部屋を出て脱衣所へ行った。

「ここから先はサービスになっちゃうから。ほら。日常とかコメディアニメでエロいシーン多いと冷めない?

特にガチヲタクの諸君。エロ目的で見てないんだよ!って。

日常とかコメディには癒しや笑いを求めてるんだよっ!って。

あとエロで釣ってんな?とかも思われたくないから

ここから先は恋バナしてるお兄ちゃんとたもっちゃんのシーンへ、Go!!」

「ルビー誰に言ってんの?」

「え?もし私たちの日常がアニメとかマンガになったとき用に、読者さん、視聴者さんに向けて」

「なに言ってんの。早よ脱いで」

「あーん。エッチ」

ということでルビーの要望通り。一方その頃、ルイの部屋のルイと保は

「あー。寝ちゃった」

保が頭を使ったクイズ対決に負けるだけに飽き足らず、頭を使って眠くなり

「ちょっとベッドで横になりながらやるわ」

とルイのベッドに寝転がりながらゲームをしていたら、コントローラーを握ったまま寝落ちしていた。

「えぇ〜…Co2削減のためにできることで正解なのはどれ。

A:アイドルを目指す。B:パーマをかける。X:植物を増やす。Y:笑う」

無言でXボタンを押すルイ。ベッドに近寄り、保の握っているコントローラーのAボタンを押すルイ。

テレビ画面にはルイのキャラクターの解答席の電子パネルに○が出て

保のキャラクターの解答席の電子パネルには×が出て

ルイにはプラス20ポイント、保にはポイントはなにも入らなかった。

「ま、保ならワンチャン選んでたかもな」

めちゃくちゃ舐められている保。そんなこと梅雨知らず、気持ちよさそうに眠っていた。

「ふぅ〜…」

と言いながら部屋に帰ってきた歌乃と那緒。

ルビーと詩衣がシャワーを浴び終わってから、結局、歌乃と那緒も一緒にシャワーを浴びることになったのだ。

「恥ずかしかったわ…」

「那緒も相変わらずスタイル良かったねぇ〜」

「修学旅行以来?」

とルビーが聞く。

「なに言ってんのさルビーちゃん。去年行ったじゃん」

「ん?」

「温泉」

「温泉なんて行った?うたちゃんと?」

「ほら。体育祭の」

「あぁ〜!はいはい!猫井戸駅の近くのあの、ね?」

「そうそう!」

「あ、そっか。那緒ちゃんもいたか。すいませんでした」

と土下座するルビー。

「いや、やめてやめて」

「すいませんでした。お姉さん」

「やめてって…お義姉さん?」

とルビーの言い放った「お姉さん」という言葉に引っかかる。


え…お義姉さん?ルビーちゃんが私のことをお義姉さんって?それってルイの彼女になってほしいってこと?

いや、お義姉さんってことは家族になってるってこと?…ってことはルイと結婚…


ボッっと煙が出て顔が赤くなりショートする那緒。

「あーあ。ルビーちゃんが変なこと言うから那緒がショートしちゃった」

「狙った」

ニヤッっと悪い笑顔をするルビー。

「悪いやつめ〜」

「へへへ。JKというだけで恋バナを求めた罰よ」

詩衣がルビーの肩をツンツンする。

「恋バナ求めたのこの人」

と自分の姉、歌乃を指指す。

「…あ」

「那緒さんはそんなことしないでしょ」

「言われてみれば…。ごめん!那緒ちゃん!」

その後「みんなで恋バナ」という名目で歌乃が保との惚気話を披露し、みんなあくびをしながら聞き

「うたちゃんの惚気話、興味なさすぎて眠くなってきた」

「それ。お姉ちゃんの惚気話とかほんと…。数学の例題解いてる先生の解説聞いてるときみたいに…はあぁ…」

大きなあくびをする詩衣。

「失礼な!ね?那緒」

那緒もうとうとしていた。

「え?なに?聞いてなかった」

「ほらぁ〜。那緒ちゃんも眠いってさ。寝よ寝よ」

ということで布団を3枚敷いて

「んじゃー!誰がベッドで寝るかじゃんけーん!」

「え。私のベッド」

「いいじゃんいいじゃん」

「あ。もう寝たいんで、ベッドで寝たければどうぞ。お譲りしますんで」

「たしかに」

「うんうん」

「ちょっとー!」

結局じゃんけんして、詩衣がベッドで寝ることになった。

保も歌乃も詩衣も那緒もルビーも眠りについた。保がルイのベッドで静かに眠っており

詩衣は顔、性格に似合わず寝相が悪く、ルビーのベッドで縦横無尽な寝相を披露していた。

「…んん〜…」

変に火照って、少し寝たら目覚めてしまった那緒。

「水でももらおうかな」

とベッドから静かに抜け出し、静かに部屋の扉を開けて廊下に出る。

静かに扉を閉めてリビングへ。リビングの扉を開けるとテレビがついていた。

「おぉ〜!綺麗なsling blade(スリング ブレイド)でしたね!

私個人的にはコーナーに振って、リバーサルで逆にコーナーに振られて

そこからのback breaker(バック ブリーカー)の流れが代名詞のような感じがして好きなんですよね」

という音声が聞こえるテレビのほうを見る。

「ん?」

という声と共にソファーの背もたれからルイの顔がひょこっと出てきた。

「あ、ルイ」

「那緒か。まだ起きてたんか」

「そっくりそのまま返すよ。水貰うね」

と言いながらキッチンへ行く那緒。

「別に水じゃなくても好きなもの飲んでいいよ」

とルイに言われ

「じゃ、遠慮なく」

冷蔵庫を開く那緒。心の紅茶のストレートティーをグラスに注ぐ。

ダイニングテーブルのイスをひいて腰を下ろす。

「プロレス好きだよね」

ルイが見ていたのはプロレスだった。

「うん。dadの影響でね。小さい頃からプロレスプロレスの人だったからさ。

イギリスの大会、家族で見に行ったこともあったし」

「へぇ〜」

ルイの手がソファーの背もたれからぬっっと出る。

「食べる?」

その手にはパンが握られていた。

「サンドイッチ?」

「ランチダッシュ。たまごサラダ」

「いいの?」

立ち上がりソファーに向かう。ルイが長い脚を折りたたみ、那緒の座るスペースを作る。

「ありがと」

「どぞ」

ソファー前のローテーブルに置いてあるお皿の上にあるランチダッシュに、左手で「こちらです」とするルイ。

「あ、ありがと」

少し焼き目のついたランチダッシュを手に取る。

「保は?」

「寝たー。ゲームでクイズが出たら速攻あくび出てた」

「ふふっ。保っぽい」

2人で真っ暗な中ランチダッシュを食べたり、飲み物を飲んだり

なんてことない話をしながらプロレスを鑑賞していた。ルイがふと那緒を見た。

カクン、カクンと首を落としては元に戻し、また首を落としてを繰り返していた。

しばらくすると限界を迎えたのか、ゆーくりとルイにもたれかかってきた。

ルイは那緒を起こさないようにソファーから降りて、那緒をソファーに寝かせる。

ルイは自分の部屋に戻って掛け布団を持ってきて、ソファーで寝ている那緒にかけた。

ルイはソファーの近くのスツールともオットマンとも呼ばれるものに

寄りかかりながらソファー前のラグに座りながら、テレビのボリュームを下げてプロレスを最後まで見た。

「…はあぁ…」

あくびをするルイ。ふとソファーで寝ている那緒を見る。

「気持ちよさそうに寝てますな」

そんな那緒の寝顔を見ていると瞼が重くなってきて

スツールともオットマンとも呼ばれるものに寄りかかりながら眠りについた。

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