わかゔぁ:「アマリー!」
アマリザ:「どしたん」
わかゔぁ:「お金貸してや、100円。飲み物買いたいねんけど、後100円足りないねん」
アマリザ:「しゃーないな、どれどれ」
男性2人が自動販売機の前で飲み物を買っている。帽子を被っているのがわかゔぁ、100円出して飲み物を買ってやったのがアマリザ。2人は有名YouTuber【48フォーエイト】の幼馴染メンバー。
わかゔぁ:「あざーす」
アマリザ:「今度焼肉奢ってや」
わかゔぁ:「ええで」
大通りを2人して楽しく会話しながら歩く。この後は事務所に行って撮影。
アマリザ:「今日は何するんやったけ」
わかゔぁ:「今日はクイズやって、内容は分からないけど」
アマリザ:「そか」
わかゔぁのLINE通知音が鳴る。
わかゔぁ:「噂をすれば。enn様や」
アマリザ:「なんて?」
わかゔぁ:「あみかが今日は急に仕事が入ったから撮影に参加出来ないんやって」
アマリザ:「仕事入ったんか。てことは俺、わかゔぁ、タロ社、ennちゃん、ゑむ氏。、こっちゃん、音ちゃんの7人?」
わかゔぁ:「こっちゃん、今日休むって言うてたで」
アマリザ:「言うてたっけ?」
わかゔぁ:「一昨日体調崩してたらしい」
アマリザ:「って事は6人か、しゃーないな」
事務所へ向かう。横断歩道で信号が点滅し始めたので、止まった。すると…
男:「どいて!遅刻する!」
わかゔぁ:「うぉっ」
アマリザ:「危なっ!」
男が後ろから自転車で猛スピードで2人の間を駆け抜けていった。
わかゔぁ:「何やねん!危ないやん」
男1:「危ない!」
ゔぁリザ:「「え?」」
信号が緑になったのでトラックが発進した。しかしそのタイミングで先程の自転車が渡ってきたので、トラックの運転手は思わずハンドルを切ってしまい、トラックはゔぁリザの方に向かって発進してきた。
わかゔぁ:「危な…!」
ゔぁリザは目を瞑った。
しかし何も起こらない。わかゔぁは恐る恐る目を開ける。そこはどこかの原っぱに2人して立っていた。
わかゔぁ:「…あれ?」
アマリザ:「え、ここどこ?」
わかゔぁ:「分からん、え、さっき…」
アマリザ:「横断歩道のとこおったよな、俺たち」
わかゔぁ:「うん、轢かれる前だったけど…」
その時上から叫び声が聞こえ、2人は上を見ると何者かが落ちてくる。
ゔぁリザ:「「え!?」」
落ちてきた衝撃で土煙が周りに広がる。ゔぁリザは顔を合わせ駆け寄った。
ナシカオ:「イタタタタタ…」
そこにはお尻と背中を摩る少年がいた。わかゔぁはその少年を見た瞬間、見覚えのあるような気がした。その少年と目が合うと…
ナシカオ:「…え?わかゔぁくんとアマリーくん?」
わかゔぁはその呼び方で思い出した。
わかゔぁ:「あっナシカオさん!?」
ナシカオ:「そう」
アマリザ:「知ってるん?」
わかゔぁ:「この前、ミーグリで個人通話した人。耳が聞こえないねん、知ってるやろ、いつもインスタストーリーでメンションしてくれてる」
アマリザ:「あ!あ!いつもオレじか観てくれてる人や!」
ナシカオは立ち上がり頭を下げた。
ナシカオ:「どうも、耳が不自由なナシカオです」
アマリザがジロジロ見ているのに気づく。
ナシカオ:「ん?何?」
アマリザ:「いや、身長…」
わかゔぁ:「どこ見てんねん、お前」(ペチッ)
ナシカオ:「こう見えて2人より上ですからね」
アマリザ:「ええ!?」
苦笑するナシカオとそれを聞いて驚くアマリザ。
わかゔぁ:「あ、でもどうやって話そう…」
アマリザ:「え?」
わかゔぁ:「耳が聞こえないやん?どうやったら伝わるか…」
ナシカオ:「普通に話せてますよ」
アマリザ:「今普通に話せてるやん」
わかゔぁ:「…え?」
ナシカオ&アマリザ:「え?」
クスッと笑うナシカオと???状態のわかゔぁ。
ナシカオ:「俺、普段から口を読んで理解してるから大丈夫ですよ」
わかゔぁ:「あ、そうなんですね」
アマリザ:「それより!ここどこなん?」
ナシカオ:「確かに。タメで良い?」
わかゔぁ:「良いよ」
3人は周りを見回すと見覚えのある原っぱ。ナシカオは心当たりがあるみたいだ。
ナシカオ:「俺の予想通りだったら…」
アマリザ:「何?」
ナシカオ:「一応聞くけど、ここに来る前、もしかして…トラックに轢かれそうにならなかった?」
わかゔぁ:「何で分かったん?」
ナシカオ:「もしかして…いやあり得ない」
ナシカオは顔を振るが周りを見回すとそれしかない。
ナシカオ:「…多分、ここは…」
わかゔぁ:「何?」
ナシカオ:「…俺の小説の中」
アマリザ:「小説?」
ナシカオ:「夢物語みたいな。俺、小説を作るのが好きで…小説を書いてる途中、スマホの画面が光ったと思ったら吸い込まれて気づいたら落ちてたんだ」
上を指す。
わかゔぁ:「待って、どんな小説を?」
ナシカオ:「タイトルは”オレじかの世界”。2人を主役にしたの」
アマリザ:「じゃ俺たちがトラックに轢かれそうになったのも…」
ナシカオ:「その以前に自転車が横断歩道を渡ろうとしたことも。その前に自動販売機で飲み物買ってたでしょ、それも書いてあった…」
わかゔぁ:「まじか…」
ナシカオ:「でもその続きを書く前に吸い込まれた」
アマリザ:「え、じゃあ…」
ナシカオ:「この状態も誰かが書かなきゃ小説は終わらない、今セリフを俺たちは普通に言ってるから、誰かが”今”書いてる」
では今この状況の下、誰が小説を書いているのか…?
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