mz視点
翌日の放課後一緒に帰宅
桜が先始まる季節。いつもの帰り道、いつもの距離。だけど俺にとってはその「いつも」が少しずつ苦しくなっていた。
tg まぜたん、聞いてる?
隣でちぐが不満げに頬を膨らませている。
mz ああ、悪い。何の話だっけ?
tg もう!最近なんかぼーっとしてること多くない?
ちぐがじっと俺の顔を覗き込む。
そんなふうに真っ直ぐ見つめられると胸の奥がざわついて、目をそらしたくなる。
mz 別に疲れてるだけ
tg ふーん…
ちぐは何か言いたそうだったが、結局それ以上は何も言わなかった。
本当は、疲れてるわけじゃない。
ただ、好きになってはいけない人を好きになってしまっただけ。
友達のままでいるべきなのに、それ以上を望んでしまう自分がいるだけ。
tg まぜたんはさ
突然ちぐがぽつりと呟いた。
tg 好きな人とかいるの?
俺の足が一瞬止まりかける。
mz どうして?
平然を装っているが俺の心を平常じゃなかった。
tg なんか、最近変だから
からかうような口調じゃなかった。
本気で気にしているような、そんな声だった。
答えに詰まる。
いるよ。目の前にいる。
でも、そんなこと言えるわけがない。
mz いないよ
嘘をついた。
tg そっか
ちぐさは小さく笑って、「なんか意外」と呟く。
mz まぜたん、モテそうなのにね
tg そんなことないだろ
mz いやあるって!かっこいいし、優しいし…
軽く言われた言葉に、心臓が跳ねた。
mz(そんなふうに言うなよ……)
期待してしまいそうになる。
もし、ちぐが俺のことをそんなふうに思ってくれるなら。
だけど、それはありえないことで。
mz バカ…
それ以上、何も言えなかった。
俺の言葉に、ちぐは「え?」と目を瞬かせたが、特に深くは追及しなかった。
夕焼けの中二人の影が並んで伸びていく。
好きなのに言えない。
言えないままで、この距離のまま。
今日もまた、心の中でちぐの名前を呼ぶだけだった。
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コメント
4件
続きが楽しみですっ!(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク
さいこぉっ!!まぜちぐてぇてぇ︎💕︎ 続きも待ってまーすっ✨️✨️