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羽と角の転生

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羽と角の転生

4 - 第4話 天界に着いたら…!?

♥

60

2025年07月21日

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⚠️多少の流血表現あり⚠️

〜前話のあらすじ〜

流石に何かおかしいと思ったアムネシアとカーパス。アムネシアはこんなわけのわからないことで天使と悪魔の縁が切られるのはおかしいと、大量の天使と悪魔が死なないといけないのはおかしいとカーパスに訴えた。それでもカーパスは迷いをみせる。アムネシアは感情に身を任せ、牢から出て出口に向かったがカーパスはアムネシアに向かって「俺も行く」と言った。そうしてアムネシアは「一緒に行こ!」と言い、2人で天界へ向かったのだった。


「勢いで来ちゃったけど…、カーパスって天界までの道わかる…?」

「なんも考えてなかったのかよ!…昔使われてたところなら知ってるけど、封鎖されてるからな…」

「じゃあ、僕が倒れていた場所はわかる?」

「それならわかる。教えてもらった」

「それじゃあ、そこに行こう!」

カーパスが僕の倒れていた場所を知っていてくれて助かった。やっぱり後先考えないといけないなと実感した時だった。ちょっと反省。

そうして僕たちは羽で空を飛び、カーパスの案内する先へ向かっていった。

「…お前のその羽の色…不思議な色してんな」

「たまに言われる!大体みんな一色なんだけどね」

僕の羽は確かに不思議な色をしていた。なんといえば良いのだろう。茶色と薄紫のグラデーションとでもいおうか。そんな感じの色だ。言ったように大体の天使は一色だけど、僕は違った。でも羽の色が珍しいからといって不便しているわけではなかったし、特に気にしていなかった。

「そういえばカーパスの能力ってなんなの?」

「俺は…竜巻?だな」

「竜巻?」

「竜巻を自由に扱えるんだ。今ここでやったらお前が飛んでくからやらないけど」

「えー、ちょっと見たかったなぁ…」

竜巻…確かに危険かもしれない。そういえば聞いたことがあるかも。天使の能力は再生系や、自然系の明るめの能力が多く、破壊類は珍しいと。逆に悪魔は破壊系や攻撃性の高い能力を持つ者が多いと聞いた。もちろんどちらにも当てはまらない能力だってたくさんあるが、珍しいらしい。

「お前はさっき剣を出してたけど、そういう能力か?」

「うん!僕のは無からものを創造できる能力なんだ!何気に便利だよ!」

「じゃあ俺が来る前に牢屋から出ればよかったのに」

「流石に悪魔に悪い印象を与えたいわけじゃなかったし…帰り方わからなかったから」

「そ」

そんな会話をしながら目的地に向かった。



「ほら、ここ 」

「ここ?」

僕らは地に足をつけ、周りを少し見渡した。特になにかがあるようなわけでもなく、ひらけた場所だった。

飛んでいるときに思ったのだが、魔界は天界と違い、植物はあまり生えていなかった。生えていたとしても天界では見れないちょっと珍しい植物だった。

そして魔界はところどころにマグマらしきものもあり、天界とは真逆の雰囲気だった。

「あ、あそこじゃないか?お前が来たとこ」

「え?」

そう言いカーパスは上を指差していた。

天界と違って、魔界には空はなく天井があった。魔界を表現するなら地中という言葉が1番合っているだろう。ただ岩石などは赤色をしている。禍々しい雰囲気の場所だった。

そして、カーパスが指差した魔界の天井のところには穴があった。

「あ!あれかも!」

僕が天界で見た穴と同じくらいの大きさだった。恐らくあれだ。

「じゃあ行こ!」

「……だな!」

今のカーパスの返事には間があった。どうしたんだろうか。 天界に行くのが怖いのかな。

「大丈夫だよ!天界もいい場所だよ!」

飛びながら僕は言った。

「…その心配はしてないから安心しろ。天界には行ったことあるし、天使とも話したことある」

「そうなんだ」

(じゃあなんでだろう?迷ってるように見えたけど…別の理由があるのかな?)

それ以上考えても僕にはわからず、考えるのは諦めた。

「ここから行けば天界に行けるのかな」

「多分な」

「よし!行こう!」

僕らはその穴を通って天界へ向かった。

長かったが、だんだん光が差し込み外へ出た。

天界だ。天界に戻ってきた。

「帰ってこれた!」

「6、7年ぶりに来たな。相変わらず自然が多いんだな」

「綺麗だよね!僕ひなたぼっことか好きだからよく散歩してる!」

「散歩ねぇ…」

カーパスは腕を組みながら言った。

「とりあえず僕の家に…」

そう言いかけたときだった。なにかが横を通り過ぎたと思ったら、カーパスの首にトライデントが突き付けられていた。

「!?」

カーパスの背後に誰か立っている。青髪で髪の長さは肩くらいまであり、髪型は編み込みハーフアップというような感じだ。身長はカーパスよりも高い。180あるかどうか。その者がカーパスにトライデントを向けていた。

「待って!!」

僕は止めた。明らかに天使だ。羽と目の色は赤色だ。そしてカーパスに、天使が危害を与えないようにすると言った手前、天使に攻撃をさせるわけにはいかない。

「…なぜ悪魔がここにいる。答えろ」

圧が感じれる。 こんな天使は初めて出会った。カーパスは戦う意志はないという意図なのか、両手を上げながら言った。

「こいつに聞いてみな」

カーパスは冷や汗を流しながらも少し笑みを浮かべ、目線を僕に向けた。

「…なぜ連れてきた」

「それは…」

その天使は僕の方を見ながら言った。答えれなかった。

「……はぁ」

その様子を見かねたカーパスがため息をついた。

「さっきこいつは魔界に落ちてきたんだよ。それで牢屋にいたんだ。そこで話してて、あの6年前の出来事の話が噛み合わなくて”何かおかしい”と疑った。それでそれを確かめるためにここにきたんだよ」

言葉が詰まって喋らなかった僕の代わりにカーパスが説明してくれた。僕が連れてきたのに、何もできてなくて不甲斐なさを感じた。

「話が噛み合わないだって?自分たちは天使を襲ってないとでも?」

「そうだよ、襲ってない。なんなら襲われた側だ」

「……ふざけんのも大概にしろよ?」

天使はカーパスの発言が癪に触ったのか、突き付けているトライデントの鋭い先端を軽くカーパスの首に刺した。少ししか当たっていないというのに、当たっている部分からは少し血が流れた。

「神様が死んだのも…全部お前らのせいだというのに」

「…俺らはやってない。こっちも天使に殺されてるんだ。それはどう説明する?…こいつは別の存在がいるって主張してるぞ」

カーパスは少し笑いながら言った。

「なんだと?」

「アムネシア。黙ってないでさっさと意見言えって」

カーパスは僕を見て言った。カーパスの言う通りだ。僕が天使に言わないでどうする?言わなきゃ。そう思ったとき、天使から予想外の言葉が出た。

「アムネシア…だって?」

そういい天使は手から力が抜けたかのように、トライデントを落とした。

「え?」

カーパスも驚いている。

そして天使は僕の方に駆け寄りこう言った。

「…ずっと探しておりました。ご無事でなによりです」

そして、その天使は僕の前で跪いた。

「おまっ、これどういうことだよ!!」

カーパスが驚きながら僕に向かって言った。

「僕もわかんない!!」

ほんとにどういうこと!!??

この作品はいかがでしたか?

60

コメント

7

ユーザー

ファッ!?!?…アムネシアさん…もしかして良いとこのお坊ちゃん…?これを読んで堕天使説はわたしの中で消えました。羽の色はみんな違ってみんないいということにしておきましよう。

ユーザー

最速で見に来た(?)

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