今日は僕にとっては何でもない日
ただ君の家にあったカレンダーには丸が付いていた
どこからともなく聞こえる太鼓の音は祭りを連想させる
きっと君はこのお祭りを楽しみにしていたのかな??
何も無いこの村にいる中で今日だけは君にとって特別な日だったんだね
人の流れに僕も着いていく
進めば進むほど気分が悪くなり、ただあまりの人の多さに引き返すことも出来ず
狭い道にこれだけの人が押し寄せて、一体こんな場所で何をするのか僕は不思議に思った
少し開けた場所にたどり着くとそこは夢で見たあの場所だった
その瞬間吐き気と頭痛に襲われ地面にしゃがみこむ
ただ、あの時ここで行われていたことが知りたくて必死で顔をあげる
そこには縄で繋がれた君がいた
綺麗に着付けされた着物、あえて結わずそのままにした髪の毛、手と首に巻きついた縄
やめろと叫んだ
待ってと手を伸ばした
動かない体に止まらない涙
僕は何も分かっていなかった
僕は何も知ろうとしなかった
いつまでも一緒にいられると思っていた
「お兄さんって空気読めない人?笑顔で送ってくださいな
僕は何も出来なかった
そのうち君は複数の男たちに持ち上げられた
そして次の瞬間崖の上から君は放り投げられた
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!