テラーノベル
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よりを戻してから、数か月が経った。
不思議なことに、前よりもたくさん話すようになった。
思っていることを我慢せずに伝えられるようになった。
それは良いことのはずだった。
でも、その分喧嘩も増えた。
前より激しく。
前より長く。
ある日、旅行先で知らないバーに入った。
カウンターへ座ると、一人一つずつ灰皿が置かれた。
私はいつも通りタバコに火をつける。
ヤマも同じように吸っていた。
しばらくして、ヤマがふと二つの灰皿を見比べた。
私の灰皿には、彼よりも明らかに多い吸い殻が並んでいた。
その瞬間だった。
「女が男よりタバコ吸うなんて気持ち悪い。」
「もうやめろ。」
店の空気が一瞬で凍りついた。
私は何も言えなかった。
確かに私はヘビースモーカーだった。
妹が亡くなってから。
寂しさを紛らわせるように、一本、また一本と増えていった。
やめなあかんことくらい、自分が一番分かってる。
でも。
旅行先で。
そんな言い方せんでもええやん。
そう思ってしまった。
その小さな一言から、喧嘩は止まらなくなった。
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ユキ
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コメント
1件
うわあ…「灰皿」の数が、二人の間にある見えない重さをそのまま映してるみたいですね。ヤマさんの「気持ち悪い」という言葉、表面上はタバコの本数の話だけど、根っこにあるのは「君のことを理解してない」って無意識の表明なんだろうな…。妹さんを亡くした寂しさをタバコで埋めてきた背景を知ると、あの一言がどれだけ深く刺さるか想像できます。短い文章なのに、関係性の積み重ねと脆さがぎゅっと詰まっていて、読後もずっと胸に残ります。