テラーノベル
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続きです
視界は澱んだ赤に染まっている。鼻を突くのは、爆破の熱と、鉄錆のような血の匂い、
神野の悪夢。俺が、俺という「弱点」が、あの場にいたせいで、平和の象徴は消えた。
俺のせいだ。俺が攫われなきゃ、あんなことにはならなかった。 俺がもっと強ければ、オールマイトは、、
オールマイト
耳元で、憧れた男の、聞いたこともないほど冷徹な声が響く。
違う。オールマイトはそんなこと言わねぇ。わかってる。わかってるはずなのに、
脳裏に浮かぶのは、あの最後の背中。痩せ細り、指を突き出した、あの「次は君だ」という言葉。
相澤 「お前が攫われなければ、雄英は恥をかかなかった。お前の存在そのものが、この学校の汚点だ」
根津 「君が雄英高校にいなかったら、雄英高校の品が落ちることはなかったよ。不適格だ、爆豪くん」
相澤先生の赤い目が俺を貫く。校長の、あの底の見えない笑顔が、
今は俺を嘲笑うためだけに向けられている。 視界が揺れる。
場所はいつの間にか、寮の共有スペースに変わっていた。
切島 「お前さ。攫われて、平和の象徴終わらせて、何食わぬ顔でここにいんのな」
上鳴 「永久をあんなに傷つけて。お前が勝手なことするから、あいつはボロボロになったんだぜ」
瀬呂 「お前なんか、生きてる意味ねぇよ。お前を助けるために、
永久は骨が折れたんだろ? 誰が望んだんだよ、そんな救出」
(やめろ。、、、違う。切島は、あいつらは、そんなこと言わねぇ。はずだろ、、?)
派閥の連中の顔が、泥のように歪んでいく。あの日、俺に手を伸ばした切島の熱い掌は、
今は俺を拒絶するために突き放されている。 喉が焼ける。声が出ない。
追い打ちをかけるように、俺を産んだ女と、情けない親父の顔が浮かぶ。
光己 「母親として、あんたのことが恥ずかしいんだけど。期待外れもいいとこね」
勝「オールマイトさんを終わらせたのが自分の息子なんて。勝己、お前は僕らの誇りですらなくなったんだよ」
痛い。胸の奥が、個性を発動した後の反動よりもずっと、鋭く、深く抉られる。
そして、一番認めたくない、一番下にいたはずの、あの「木偶」が、俺を見下して笑っている。
「「「「お前さえいなければ」」」」
「、、、っ!!」
ガバッ、と身を起こした。 全身から脂汗が吹き出し、心臓が耳の奥で爆発音を立てている。
暗い寮の自室。カーテンの隙間から、白々とした朝の光が差し込んでいた。
(、、夢だ。また、あのクソったれな夢だ)
荒い呼吸を整えようとするが、肺の奥が詰まったように苦しい。
神野以降、俺の「自己肯定感」なんて安っぽい言葉で括れるものは、粉々に粉砕されていた。
学校に行けば、オールマイトが引退した事実が、ニュースの字幕のように俺の視界を掠める。
(なんで、デクなんだよ。なんで、あいつにだけ、、)
オールマイトがデクに向ける視線。
俺は、オールマイトを終わらせた。だけどデクは、オールマイトに選ばれた。
その埋めようのない差が、俺のプライドを内側から腐らせていく。
「、、、食欲、ねぇわ」
昨夜の夕飯もほとんど残した。今朝も、腹の中に鉛が詰まっているようで、
固形物を受け付ける気がしねぇ。 いつものキレが消え、思考が泥に足を取られている。
俺は何のためにここにいる? 俺は何になれるんだ?
はい、どうでしたか、
1710文字。終わります。
コメント
10件
爆豪!そんなこと言わないでくれ!僕は爆豪を必要としている!! 続き楽しみです♪
かっちゃんの自己肯定感が粉々に!?病み気味じゃん、、ヤバい夢見てるし、、でもなんか解像度凄い気がする。本編じゃこういう描写なかったけど、こういうのが溜まって、仮免落ちて、そこで抑えてたものが溢れちゃって、ああ(俺はオールマイトを終わらせちまってんだぞ!?のとこ)なったんだなった納得できる。 続き待ってるね!
爆豪!?え、病んでる?元気になってね! 面白かったです!!