テラーノベル
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「とうちゃーく!」
「看板に村の名前が書いてある…チューリップ村…か」
咲希達は岩の場所で休憩し終え、この村に来ていた。
「名前の通りチューリップがたくさん咲いてていい村だね」
チューリップを眺めながら穂波が言う。
そこで、咲希が何かを見つけたらしく、
「…あーっ!みんな!あそこ!あそこ見て!」
とお城の方を指差し大声をあげた。
「ど、どうしたの、咲希ちゃん…?」
こはね達が咲希が指差ししたほうを見ると、なにやら大勢を引き連れた団体がお城に入っていくのが見えた。
「…なんかあいつら、見覚えがあるような気がするが…」
「俺もだ 一体あれは…」
「…あのピンクの髪、もしかして愛莉さん?」
杏が呟くと、咲希が反応する。
「確かに言われてみれば…あっ!あの白くて長い髪の人!かなでさんじゃない!?」
「…確かに …というか、ほとんどの人見覚えある気がするんだけど…」
「…私、あそこのお城に行ってみる!」
「咲希さん、大丈夫なのですか?」
「うん!…そうだ! とーやくん達も一緒に行こう!」
「…は?」
「えっ、だ、大丈夫なの?」
「大丈夫大丈夫!ほらほら!行こう!」
咲希の謎の自信により、穂波達はお城へ半ば強制的に連れて行かれた。
「皆様、あそこの部屋の中におられますのがこの国の国王様です 私は他の兵士に報告の後、ご案内しますので少々お待ちください」
「は〜い!」
瑞希が元気よく返事をし、兵士は報告へと向かっていった。
兵士を待っている間、各々雑談をする。
「ねえねえ司くん!すごそうな物がたくさんあるよ〜!」
「ああ いかにも高級そうな壺…美しい絵画…かなりの大きさのシャンデリア…なんだか、落ち着かないな」
「ねえ愛莉ちゃん、国王様はどんな感じの人だと思う?」
「そうねえ…私は、とっても国民想いで優しい人だと予想するわ」
「ねえソフカンさん ソフカンさんって、これからの旅にも私たちについてきてくれるの?」
「…私は、おそらくここの村でお別れになるかと」
「えっ、どうしてですか ?」
「私、バッジに変えられてしまってから、ずっとあのグレーテル森林に落ちたままだったのですが、あなたが拾ってくれて、ようやく移動ができました そしてこのチューリップ村では、たびたび私のように魔王の力でバッジに変えられた人がここへ送られてくるのです ですので、私もここの村でそのバッジを保管してくれている場所にいたほうが良いと先ほど判断致しまして…申し訳ございません …実は、魔王の力によって変えられたバッジを長い時間つけているとですね…」
「失礼しまーす!」
お城の中に元気な声が響く。
雑談をしていた全員が振り返ると、そこには咲希達がいた。
「さ、咲希ー!?」
「しぃちゃん!」
「望月さん…」
「こはねちゃん達もいるわん!」
「やっぱりみんなだー!みんなもこの世界に来てたんだねー!」
「ちょ、ちょっと咲希… さっきから声大きすぎ…」
「あはは… それより、みなさんはなぜこのお城に?」
「私達は、お城の前にいた兵士さんにここに連れてこられたんだけど… 勇者がどうって言ってたっけ…」
「やっぱり私達って、勇者様なのかな!?」
「…実際、兵士さんにも、ソフカンさん…このバッジにも勇者様達って言われてるし…そうなのかもね」
「僕たちが勇者…面白そうだね」
「ねえみのりちゃん 私、みんなの格好がちょっと気になってるんだけど…なんでこんな格好を?」
「あ、それはね! 」
しばらくして、兵士がやってきた。
「お待たせしました おや、後ろにいる方達は一体?」
「あ、すみません勝手に入っちゃって… 私達も、勇者なんです!」
「勇者様方なのですね!来てくださりありがとうございます! それでは、その勇者様方も一緒に、みなさんを国王様の部屋に案内いたしますね」
全員は兵士についていき、国王の部屋へ入る。
「国王様!勇者様御一行をお連れしました!」
「うむ、ごくろう ようこそ、私の城へ!来てくれて感謝するぞ 」
「は、はい!」
「あの、なぜ私達をこのお城に…?」
「私は、つい最近この国で怪奇現象が起きていることを確認したんだ 時空に歪みが発生し、別の世界から人がここの世界に来るらしい しかしその時空の歪みは勇者を引き連れてくる、幸運な時空であるという大昔の記録があってね だから、その時空の歪みから出てきた君たちは勇者であると判断し、待っていたんだ そしてそんな君たちに…魔王を倒してほしい」
「ま、魔王を、ですか…?」
「ああ 魔王は最近とても力をつけていてね 勇者の力により魔王が鎮まらないと世界が破滅する恐れがあるんだ しかし君達の力があれば、きっと世界は救われる ……どうか頼めないだろうか」
司が即答する。
「オレは引き受けるぞ!」
「僕も司くんに同意するよ 困っている人を放ってはおけないしね」
「わ、私もやるわん!絶対この世界を助けるんだわん!」
「私だってやるわ!遥も雫も、そうでしょ?」
「もちろん」 「ええ!」
「こはね達も、やるよね!」
「もちろん!」 「ああ」 「そうだな」
「寧々ちゃんも、一緒に魔王倒しちゃおー!」
「…そうだね 私も行く」
「まふゆ達は、どうする…?私はやろうと思ってるんだけど…」
「ボクはもちろんやるよ〜!絵名もまふゆも、一緒に行こうよ〜!」
「言われなくたって行くわよ」 「…私も」
「私は行くよ みんなは?」
「そんなの答えは一つでしょ!ね、ほなちゃん、しほちゃん!」
「うん」 「そうだね」
そうして全員の同意を確認した国王は、全員にゴールドと魔王のいる場所への地図を渡してから、全員を送りだした。
「よーし!これから冒険の始まりだ!気合い入れていくぞー!」
「おー!」
コメント
1件
わあ、第10話読みました!チューリップ村の風景から始まって、まさかお城で別行動してたメンバーと合流するとは思わなくて、そこがすごく胸が熱くなりました。咲希ちゃんの「とうちゃーく!」で一気に空気が和んだのも好き。それに、みんなが「勇者」として魔王討伐を引き受ける決意をする流れが自然で、それぞれの返事の仕方にキャラクターの個性が出てていいなあって思いました。次が気になります!
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#mjrn
冬樹 。@活休
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