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目黒は、イタリアにいる。
電話は毎日かかってくる。
だが、渡辺は食べられない。
目黒がイタリアに行ってから、嫌な夢を見て眠るのが怖いのだ。
目黒が、知らない女の人と結婚式を挙げている。
自分の手元には、招待状と指輪の付いたチェーンが送られて来た。
目黒はFENDIの仕事で行っている。
首にあのチェーンはない。
渡辺もスワロフスキーのネックレスのためにチェーンを外しポケットに入れていた。
いつも付けてることが無理なんだ。
目黒と話し合って、仕事で外さなければならない時は外そうと。
ただポケットに入れて持っているように。
手で触ることが出来るように。
だが結婚式の招待状と一緒に戻ってきた。
夢だと分かっていても、渡辺は不安定になる。
目黒はまだ帰って来ない。
渡辺はひと足先に帰って来た。
あの女の人は誰だろう?
どこかで会ったことがある人。
思い出せない。
現場スタッフだろうか?
事務所の人だろうか?
分からないけど、見たことある人。
嬉しそうだった。
渡辺に簡単に「さよなら」と言う。
あの人がそんなにいいの?
俺たち結婚したよね?
簡単に切り捨てるんだ。
もう1週間会ってない。
電話もない。
何かあったらちゃんと言うって約束。
話したいけどいないじゃないか。
渡辺は、阿部の元へ行った。
阿部ーなんかあった?痩せたよ?
渡辺ー嫌な夢見て、それから寝られない。
阿部ーどんな?
渡辺ー目黒が指輪返してきて、さよならって。女の人と結婚式挙げるからって招待状を送ってきて、指輪が入ってた。
阿部ー夢でしょう?
渡辺ーその女の人、どこかで会ったことあるんだ。
阿部ーどこ?
渡辺ー思い出せない。
阿部ー翔太の思い過ごしだよ。
渡辺ーあるんだ、会ったこと。
阿部ーでも、結婚がそもそも夢だから、気にしちゃダメ。
渡辺ーう、うん。
阿部ー食べないとダメだよ?