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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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目黒は、イタリアにいる。

電話は毎日かかってくる。

だが、渡辺は食べられない。

目黒がイタリアに行ってから、嫌な夢を見て眠るのが怖いのだ。

目黒が、知らない女の人と結婚式を挙げている。

自分の手元には、招待状と指輪の付いたチェーンが送られて来た。


目黒はFENDIの仕事で行っている。

首にあのチェーンはない。

渡辺もスワロフスキーのネックレスのためにチェーンを外しポケットに入れていた。

いつも付けてることが無理なんだ。

目黒と話し合って、仕事で外さなければならない時は外そうと。

ただポケットに入れて持っているように。

手で触ることが出来るように。

だが結婚式の招待状と一緒に戻ってきた。

夢だと分かっていても、渡辺は不安定になる。

目黒はまだ帰って来ない。

渡辺はひと足先に帰って来た。

あの女の人は誰だろう?

どこかで会ったことがある人。

思い出せない。

現場スタッフだろうか?

事務所の人だろうか?

分からないけど、見たことある人。

嬉しそうだった。

渡辺に簡単に「さよなら」と言う。

あの人がそんなにいいの?

俺たち結婚したよね?

簡単に切り捨てるんだ。

もう1週間会ってない。

電話もない。

何かあったらちゃんと言うって約束。

話したいけどいないじゃないか。

渡辺は、阿部の元へ行った。


阿部ーなんかあった?痩せたよ?

渡辺ー嫌な夢見て、それから寝られない。

阿部ーどんな?

渡辺ー目黒が指輪返してきて、さよならって。女の人と結婚式挙げるからって招待状を送ってきて、指輪が入ってた。

阿部ー夢でしょう?

渡辺ーその女の人、どこかで会ったことあるんだ。

阿部ーどこ?

渡辺ー思い出せない。

阿部ー翔太の思い過ごしだよ。

渡辺ーあるんだ、会ったこと。

阿部ーでも、結婚がそもそも夢だから、気にしちゃダメ。

渡辺ーう、うん。

阿部ー食べないとダメだよ?

テレフォン・・・ 2

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